第十章、結託 3
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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しばらく黙っていた四人だったが、
春実は、「ねえ、金が有るから何でも、自分の言う事聞いてくれるって思い、捨てられる?」。
久美子、「その前に、可愛い春菜の心を、どうしても取り戻したくて、
こんな遅い時間に駆けつけて来た訳よね..」。
春実、「も..申し訳無い、母が情けなくて迷惑蒙って」。
俊夫、「それは想定内だから、春実ちゃんはここにいるんだろ!」。
春実、「そうなんですけどね..」。
久美子、「ここに今日、良子さんが来なかったら、
私は良子さんと、縁を切ろうと思っていましたけど」。
良子、「あなたは私の天使です。
春菜を育てて頂いて..」。
春実急に我を出した。
春実、「生意気言ってるじゃね~つ~の#!。
テメ~の立場考えろ#!」。
春実は直ぐ我に返り、「あ..ごめんなさい」と、謝った。
久美子、「それは私達夫婦にも、言える事です」。
春実、「春菜はもう少し、身柄を確保して、ママと距離を置かせるから、
春菜がママに会いたいと言うまでは、ママに顔会わせないから」。
良子、「それでいい」。
そう言って立ち上がって、居間から出て行った。
そして春実は、「あんた#!、出て行く前に一言足りなね~んじゃね~のかよ#!」。
良子は振り向いて、「申し訳御座いません!」と、頭を下げた。
そしてこの家から出て行ったのであった。
玄関で見送る久美子は、「春菜が結婚したら、
今度は私があなたの、良き理解者になりますから、過ちだけは犯さないで下さい」と、告げた。
良子は一度立ち止まり振り向いて、頭を下げたのであった。
まだ肌寒い四月の夜更けに、仄かに安心感を覚えた良子だった。
その頃春菜は..、
杉浦宅の大輔の部屋で、二人でベッドの中で話しをしていた。
大輔、「叔母さんの所にメール返さないと、死んじゃうぜ!」。
春菜は仰向けで、「お姉ちゃん今日、私の家に居るの、
『自殺しない様にするから、良子さんから来たメールや電話は、
絶対に受け返すな!』って」。
大輔、「姉さんも叔母さんに拒絶している様でも、結構大事に思ってる訳か..」。
春菜、「良子さんはもう世間一般の、常識から外れてるの、私のせいだけど..」。
大輔、「それは叔母さんが、気づかなければ、ならない事だろ!」。
春菜、「麻痺させたのはこの私..」。
大輔、「麻痺した方が悪いぜ!」。
すると何となく自然に大輔は、春菜にキスをした。
春菜、「大輔君と出会えたのも、良子さんのお陰なの」。
大輔、「まじめだな春菜は、結果論だろそれは、
逆に春菜が自らこの時間を築き上げたんだ!」。
春菜、「へ?」。
大輔、「春菜の魂が強いから、生まれ直す事が出来て、
無意識的に就職先で、挫折する様に持って行ったのさ!。
もしその就職先で正社員となって、一線で働いていたら、
この不景気に煽られてリストラされて、職を無くして路頭に迷っている事は、確実なんだ!」。
春菜、「どうしてそう言う事が言えるの?」。
大輔、「先週、圭子叔母さんに会ってさ!、新聞見せられたよ!。
春菜が派遣で勤めていた大手の会社、大幅に社員を削減したが、遭えなく倒産したとさ!」。
春菜、「へ!本当に?」。
大輔、「あ~、明日にでもパソコンで調べて見ろよ!」。
春菜は思いに更けた。
大輔、「春菜は叔母さんを、無意識に求めた。
前世の母を幸せにさせる為に、その道が繋がっている所に導かれた」。
春菜、「それがあの地下倉庫だった!」。
大輔、「海岸線で見たあの、卸本町の蜃気楼が、春菜を導いたんだ!」。
春菜、「溺れさせてしまったね、良子さん..」。
大輔、「自ら溺れたんだ、叔母さん」。
複雑な思いの春菜、良子の事が心配になるが、
今構ってしまうと元の木阿弥とも考えた。
すると大輔は春菜の頭をよせて、自分の脇に付けて頭をなでながら、「大丈夫だよ!、
叔母さんとの絆はまだ途切れた訳じゃない、
きっと叔母さんは、自分を見つめ直してくれるさ!」。
春菜、「私も何となくそう思う」。
そう言って今宵二人のロマンスが、始まったのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




