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第九章、恋心ステージ2

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html

そして次の週。



すっかり春らしくなった4月、相変わらず不景気は続いていた。



部長も何だか、柿本オフィスの部長に成っていた様で、



用が無くても、誰かが会社に連れて来ていた。



先週の話を聞き付けた、もう会社を退職したあの会社の社員も、



今でも個人で事業を営む連中も、何となく会社に足を運ぶ様になっていた。



すでにこのフロアーは、毎日同窓会の雰囲気だった。



相変わらず部長は毎日、直子にセクハラで尻を叩いていた。



アレから春菜は、防弾グッツを持たされて、各会社を訪問していた。



そんな或る日、休みで会社に遊びに来ていた大輔が居た。



大輔は椅子に座りながら、ズボンのポケットに手をつっこんでいた。



洋子、「あんたバイクの修理の達人だと、市内では有名になっているじゃないか!、



大したもんだよ、流石は父譲りで遊びも仕事もクールだね!」。



部長、「あの会社の誰かの息子か?」。



圭子、「杉浦君の息子よ!」。



部長、「おぉ!、今で言うイケ面杉浦か!」。



洋子は小声で、「春菜の彼氏なの..」。



部長、「あ~、それは好ましいことじゃが、一人面白く無いのが居る様じゃが..」。



良子、「##」。



大輔、「そんな事ね~よ!、バイクの修理の腕利きなんて、



この世の中に五万と居るよ!」。



部長、「今の若者にしては、立派じゃの!、自分を高く評価しないで、



謙遜する所は、大物に成りそうで、芯がしっかりしておりそうじゃ!」。



良子は不機嫌ながらも大輔に、「大輔、それで今日は春菜と何処かへ、



遊びに行かないの?」。



大輔、「心配しないの?、『成り行きで子供が出来たらどうするの?』って」。



良子、「春実がしゃべったか#!」。



大輔、「叔母さん抱き上げて、連れ去ってくれる人、



もう亡くなったから参ったなこりゃ!」。



良子、「大輔#!」と、激怒した。



部長、「何だ!、又現代でも良子は、春菜のボーイフレンドに、



焼餅やいているのか..」。



圭子、「たわいもない!、大輔が鼻水垂らしてる頃から、



知ってる子なんだけど」。



良子、「生まれて間もない頃からよ#!」。



洋子、「いい加減にしなさいよ!良子、あんた死ぬまで春菜に、



縋り着いているつもりかい?」。



春菜、「喧嘩しないで#!」と、激怒した。



部長、「今日春実はどうした?」。



圭子、「自分の会社よ..、直子も..」。



部長、「こりゃ~荒れるぞ!」。



大輔、「叔母さん春菜を嫁にくれ!」。



良子は急に動きが止まり、「な..なによ急にぶっきら棒に?」。



春菜も、「な..何言い出すの..」。



圭子、「大輔、あんた言う人が違うわよ!。



それは春菜の現世の産みの親、久美子さんに言いなさいよ!」。



洋子は良子を指差して、「これに言ったってしょうがなでしょ、



産んでないんだから実際には」。




その一言で、猛烈に頭に来た良子だった。



良子、「失礼ねぇ#!、いくら産んで無いって言ってもねぇ#、



この子を会社で物になるまで、どれだけの年月を、掛けたと思っているのよ#!。



人生修行の過酷な体験をさせて、それから手間暇掛けて、要約会社の軸になったのよ#。



それにねぇ!、この会社の優秀な幹部よぉ#、そう易々と結婚なんて許さないわよぉ#」。



部長、「その大輔君は、別に春菜を遠い何処かへ、連れ去って、



一緒に暮らそうとは、考えて無いのじゃろ?。



君もこの近くで仕事は、認められてるだろうから、



結婚すると言うだけで、当面は今まで通りの、



生活を望んでいるんだろうと思うが、どうだ?。



先程君も申しておったが、『バイクの修理の腕利きなんて、世の中に五万と居る』と、



己をよく知っておる。



それに君の目の奥底に、良子と春菜を無理やり自分本位で、



奪おうとは思っておらん様じゃからな」。



大輔、「爺いさん勘がいいな!、でも春菜は奪うぜ!叔母さん」。



良子は急に椅子から立ち上がって、「奪うと言うなら、この私を倒してからのしな#!」。



大輔、「望むところだ!、泣く子も黙る青森の女番長、大槻姉さん!」。



二人は睨み合った。



春菜はどうして良いか分からず、二人の間をおろおろするばかりであった。



春菜、「お願いだから止めてぇ!」。



はんべぞで訴える春菜。



良子は流石に昔は女番長で、



いくら昔から馴染みの子でも、視線の揺らぎが無く、



大輔を睨み付けていた。



大輔もやはり肝は据わっている、昔から喧嘩なら負けない、



街でも名の知られた男だった。



良子はその時、大輔を睨みながら机に置いて有った、湯飲みを手にした。



大輔は革ジャンに手を入れて、何かを掴んだ。



良子、「そんなちんけなナイフで、私が怯むと思うか#?」。



大輔、「叔母さんそれを投げて、頭に食らったて、俺は倒れはしないぜ#!」。



春菜はもう大泣きで、床にしゃがみ込んだ。



部長、「春菜心配せんでもいい!、見ていれば分かる。



二人とも怪我はせん!」。



そして大輔はゆっくりと、良子に近づいた。



良子も最高の緊張感だった。



良子の額からは、脂汗が滲み出ていた。



大輔、「叔母さん!、アメリカのタイマン知ってる?」。



良子、「知らないわよ#!」。



大輔、「お互いどちらかの手を繋いで握り、



武器を持っている手だけで戦うんだ!」。



すると良子は、湯のみを持っていない方の手を、前に出して手を開いた。



大輔は革ジャンのポケットから手を出すと、みかんを持っていた。



それを開いている、良子の掌に乗せた。



そして良子の肩を 一つ ポンと軽く叩き、



「叔母さんの春菜に対する気持ち、



よ~く解ったよ!」と言って、革ジャンの両ポケットに両手を入れて、



このフロアーから出て行ったのであった。



良子は固まりながら、片手に湯飲みを振り上げ、


片手にみかんを持っていたのだった。



部長、「だから心配せんでも良いと、言ったじゃろ#!。



ワシの言う事を聞かんから、泣き喚く事になるんじゃ!春菜..」。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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