第八章、寂れ行く街4
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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春菜、「それで部長!、今後この日本の再起動でどんな行いをすれば、
高景気を迎えられるのですか?」。
部長、「希望じゃよ!、日本全体に希望感が無いのじゃよ!。
春実、「御老体その希望の種は、何処に存在するのでござろうか?」。
部長、「先程申したが、有り得ないと思い過ぎじゃよ!。
今在り来たりな世の中に存在する物は、昔は有り得ないとされて来たものじゃ!。
例えばこのコードレステレホンなども、
昔のジーコジーコ、春菜が苦手なダイヤル式時代で、
線が無い受話器など、想像出来ないだけでは無く、
スパイ映画すら出て来はしなかった。
つまり有り得ないと、思っていたからじゃ!」。
圭子、「ならば何を作るれば良いのですか?」。
部長、「宇宙船やタイムマシーンじゃ!、すでにもうタイムマシーンは有る!」。
良子、「宇宙人に誰かが頼んだのかも?」。
部長、「宇宙人の仕業では、無いのかも知れんぞ!」。
春実、「誰の仕業と申すか!」。
部長、「ロボットの進化も今では、シークレットじゃ!」。
春実、「さすれば日本の誰かがすでに、次元を操る不届き者がおると申すか!」。
部長、「その不届き者を探し出さなければ、この女を過去に帰す事は出来んぞ!」。
直子、「そうよ#!、こんな元気が無い時代大嫌い#!」。
春菜、「逆に私はそんな元気な時代に居た事が、羨ましいから、
私もついでに連れて行って欲しいけど..」。
良子、「ダメよ#!」。
洋子、「あんた又44年に戻ったら、杉浦の奥さんと泥沼だよ!」。
春実、「大輔どうするのじゃ?」。
良子、「#」。
春菜、「大輔君とお姉ちゃんも、連れて行くよ!」。
良子、「##」。
洋子、「私も連れて行っておくれよ!、邪魔はしないから」。
春実、「母ぎみが贅沢に成らん様に、指導して来るでのぉ!」。
良子、「###」。
良子は切れた。
良子、「勝手な事言うじゃないの#!」と、ドンと机を叩いた。
洋子、「先にこれを昭和44年の、あの寮に戻して、
若い良子を浚ってここへ、連れて来た方が早いんじゃないかい?」。
皆んなは笑った。
春実、「まじめな話に戻すが、直子様を過去に戻さん事には、
今後春菜が苦労するばかりじゃで、宇宙人でも日本人でも、
犯人を突き止めなければならぬぞ!」。
春菜、「でも姿も形も、動機も何も解らないよ!」。
圭子、「皮肉ね!、我々はそれに対して財産は築いたけど、
今度は築かせた側が、容疑者の位置関係で、かなり危険な人物だと思うから」。
春菜、「しかし人って皮肉ね!、体験した関係者は財を成して、
それを伝えた側が、信じるか信じないかで、人生の明暗が分かれて、
まさにノアの箱舟みたいな物だから!」。
部長、「人生なんてそんなもんじゃ!。
危険を忠告する人々を敬遠して、安全で良い事ばかり、教える人々を尊敬するのじゃ!。
なので詐欺に遭ったりする」。
圭子、「洋子そのものね!」。
洋子、「#」。
良子、「でも、今まで生きてきて、直子が私達の前に、現れる事は無かったわよ!」。
部長、「そこじゃよ!、春菜だってもしかすると、
誰かがタイムスリップする装置を、開発しなければ、
過去に降り立ってはいなかったのじゃ!。
圭子、「つまり何らかの形で、誰かが時を変えてしまったと言う事?」。
春菜、「私、今頃自殺してるよきっと!」。
良子、「その前に、賢が昭和44年に、私が住んでいたあの寮の部屋に、
夜進入していたら殺してたわよ!」。
春実、「わらわは生まれてこぬわ!兄貴もじゃ!」。
洋子、「あたしゃ~!一文無しで路上生活だよ!」。
部長、「とにかく嗅ぐのじゃ!」。
皆んな同時に、「何を?」。
部長、「春菜はどうして、この現代に戻れたのじゃ?」。
春菜、「解らないの、過去にタイムスリップしたのは、夢だと思っていたの、
無性に眠くなって地下倉庫の丸椅子で、眠ってたら現代で勤めていた、
会社のデスクで寝ていたの!」。
部長、「ほ~らこれで見えて来たぞ!」。
やはり皆さん同時に、「何が?」。
部長、「今でも我々を監視しているのじゃ!」。
更に皆さん同時に、「誰が?」。
部長、「タイムドアーが、何故あの地下倉庫でなければ、ならないかじゃ。
それに春菜の携帯は過去で、見つかっておらんじゃろ!。
あんな優れた物が、過去で誰かの手に渡れば、
必ず世の中でニュースになるはずじゃが、未だにそんな話は噂でも聞いた事が無い!。
ならばあの当時の、質屋の親父さんも未だに、
何処で果てているかも分からぬのじゃぞ!。
しからば我々も、証拠隠滅しなければならないのに、
春菜が真っ先に行方不明になり、直子もこの時代で消されてるはずじゃ!、
消されないで、我々も財を成している姿を把握していて、
我々に危害を加えないとするならば、犯人は身近な人物で、
だからと言って我々が勤めていた、会社の仲間では無い、
携帯は質屋の親父さんから、手渡された人物で有力なのは、
あの当時の電気屋の親父さんじゃ!」。
洋子、「その親父さんも、何度か過去に交流を持ったのだけど、
知らぬ存ぜぬで、電気屋の若い従業員も、今でも知り合いだけど、
決してお金持ちでは無く、今でも郊外で細々と、電気屋を営んでいるわよ!」。
良子、「そうなると、宇宙人でしか考えられないわよ!」。
圭子、「その電気屋に何度も、事情を話して今は信じてはくれたけど、
一時はこの街で、電気屋を手広く経営していたみたいだけど、
資本が有る所には適わなくて、この不景気で生活も楽では無いらしいしわよ。
隠し財産も有りそうでは無いわよ!」。
春菜はその時、何となくだが頭の記憶の奥に、引っかかる点があったが、
思い出せなかった。
部長、「臭うな!、第三者が居るはずじゃ!。
春菜が強制的に現代に戻されたと言う事は、直子も今後戻されるはずじゃから!。
何故なら春菜が現代に戻されないで、そのまま昭和44年から時を過ごせば、
現代で必ず春菜の親は、失踪届けを出す事になる。
過去にタイムスリップした時点で、春菜は本名であの会社に、
登録してしまっておるし、44年から今まで春菜が通常時間を過ごすと、
春菜の経緯をこの市内の誰かが、知っている事になれば、
警察は有り得ない事態でも、あの地下倉庫を調べざる負えなくなるが、
春菜をタイムスリップした時間に、元に戻してしまえば、
いくら事実を警察に訴えても、信じはしない」。
良子、「では逆に直子が危ないわね!、失踪した女が事実をしょって、
現代に降り立った訳だから」。
部長、「ならば春菜が、過去に降り立った時、何故過去で殺害されんのじゃ?。
殺したとしたら犯人は、宇宙人であればとっくに、この星から逃げておる。
それかUFOで連れ去り、自分の星に連れて行く。
地球人ならば殺して、現代にタイムスリップして、時効になる現代に居るはずじゃ!。
直子がこの現代に降り立った事実を、犯人が把握しておるとすれば、
犯人は過去に降り立った春菜も、現代に来た直子も遠い未来に、
置いて来るはずじゃが、それをしてしまうと、犯人が困る次元の流れになるから、
元居た所に戻したがるのじゃ!春菜と直子を..」。
春菜、「そうだよね!、眠る私を殺して、遠い未来に捨てれば良いものを、
何故私を元の居た時代に、戻したのか?」。
部長、「フ、フ、フ、フ、」と、不気味に笑った。
部長、「お前らが財を成したのは、犯人にとっては誤算だったが、
それ以上に財を成している、第三者が居るはずじゃ!」。
春実、「その者が、この現代と過去を、行来きしておると言うのじゃな!」。
洋子、「そいつを探し出して、直子を昭和44年に戻し、
そのタイムスリップ出来る機器を奪えば、
億万長者!兆万長者と言う訳か!」。
春実、「一石二鳥じゃの!ワ、ハ、ハ、ハ、ハ!」。
直子、「とにかく元居た時代に帰りた~い!」。
未だあのドアーに翻弄される、柿本オフィスであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。