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第八章、寂れ行く街

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html

良子は商工会議所で会議をしていた。



地権者やら街周辺の、商店街の人々も混じって、この寂れ行く街をどう立て直すか、



途方に暮れていた。



商店街の 一人の男性が、「もう限界ですよ、雇用も最悪ですが、



産業も大幅に減少傾向に有る中、郊外の大型スーパーだって、



普段は人も疎らで、店内の店すらシャッター通りですし、



逆に今生き残っている、街の商店街がギリギリでも、営んで行ける始末ですから..」。



すると商店街の、アパレル関係の女性が、「実はそうなんです。



郊外の若い子達が集まり易い、大型スーパーにも出店しましたが、



おしゃれにお金を掛けられない程、今若い子達の収入が減っていまして、



逆に高齢者をターゲットに展開しますと、ある一定のシーズンに買い占ます。



それは秋なんです。



実は秋は昔から、去年の売れ残りの冬服をバーゲンして、



今年の新作を出しますが、そこを狙って夏服と去年の冬服を、同時に買うんです。



すると来シーズン、来来シーズンは衣料品を買わなくて済むのです」。



良子、「つまり、一定の年でしか売れなくなって来た訳ね..」。



すると地権者の男性が、「もうテナントは空きだらけだよ、採算も取れない有様で、



土地を手放したいよ」と、腕を組んだ。



するとまた他の地権者が、「大きな資本は、街から逃げて行くばかりだ!、



大通りはまだいいが、路地裏は全滅だよ!、



これ以上悪化すれば、ゴーストタウンだ!」。



すると商店街の男性が、「そう言いますが、郊外だって現状は変わりませんよ、



先程申していた様にですね、郊外の大型スーパーですら、



出来過ぎて、中に入っているテナントは、シャッターを閉める有様で、



生き残っている店だけで、大型スーパーを支える事になれば、



テナント料は跳ね上がる一方、そうなると大型スーパーは、遣って行けなくなり、



放置され兼ねません!、するとあのデパートの様にですね。



建物の経費ばかりが、積もるだけです」。



そして意見は止んだ。



この問題は、この地域だけでは無く、大都市圏にも言える事で、



安く裁けば客が来て儲かるが、儲かればまた別の店が同じ商売をする。



結局足が出る商売になる。



すると商売を畳む所も、多く出てしまうのだった。



結局案はまとまらずで、会議が終わった。



その頃、春菜と直子は街に出ていた。



今日は直子が美容院に行きたいと、せがんだので、春菜が連れて行くのであった。



街の春菜行き着けの美容院に連れて行くと、直子はその店の様相を見て躊躇った。



春菜、「ど..どうしたの?」と、尋ねると、



直子が、「嫌だ!恥ずかしい..、見え過ぎよ!」。



ガラス張りの現代のサロンに躊躇った。



実は40年前のサロンは、理容も美容も店内が、見えない仕組みだった。



慣れないせいで、直子は気が引けた。



春菜、「なら、外から見えない、直子さんに合った、美容院紹介しますね!」と、



車を置いた駐車場まで戻り、郊外へと車を走らせた。



そこは春菜の母、久美子の行き付けの美容院だった。



そこの店主も、直子と保々同年代で、直子と思考が合っていたのだった。



パーマを掛けている最中、話も弾み御満悦の直子だった。



遣り終わると直子は、「春菜はパーマ掛けないの?」と、問いかけると、



店主が、「春菜は昔から、ショートボブが好きなのよね!」。



春菜、「パーマはちょっと..、ストレートが好きだから..」と、答えると、



直子は掛けたてのパーマのウェーブを、手のひらに乗せてフワフワさせながら、



「そう言えば、良子も洋子も圭子も掛けて無いわね!、



街で見掛ける女性の大半が、掛けていないわね!、地味ね~」と、バカにした。



帰り際、車の中で。



直子、「さっき街を歩いたけど、人が疎らね..、



時代が進めば未来は、もっと賑やかくなっていると思っていたけど、期待はずれよ!」。




春菜、「直子さんに何処から説明すれば良いか、困るのだけど、



街に期待しなくなったのです」。



直子、「期待しなくなった?、そんなに現代は、街にブスとゲスばかりなの?」。



春菜、「そうでは無くて、面白い所は郊外に移りました..」。



直子、「そう言えば、山の中の浜北が、未来ではあんなに開けて住宅と、



大きなスーパーが出来るなんて、考えもしなかったけど、



店の中で若い子達が、ナンパしている様子も無かったわよ!、



単なるバカでかいスーパーでしょ?」。



春菜、「そ..そうか!、昔は街とは社交場だったんだ!」。



直子、「そうよ!、あんなに人が居なければ、声を掛けてくれる男なんて、



居やしないわよ、つまらない!」。




何故ナンパしなくなったか、御存知?。



実は犯罪が多発する現代は、声を掛ける男女は皆、



ホストやクラブの、



ボッタクリバーなど誘いが勃発して、



それ絡みの疑いが遭ったからだ。



大都市圏では、知らないイケ面のお兄さんや、イケてるギャルが



訳も無く声を掛けて来る時は、その類の誘いが横暴しているので、



警戒してナンパしても、着いて来なくなったのである。



聞かなくなったでしょ!、この頃ナンパと言う行為。



女性もこの頃ホストクラブなどで、遊ぶ傾向に有ると、



イケメン男性が、街で声を掛ける光景を目にしたりします。



それもホストクラブに、引き込む行為が多く、女性の警戒心が強くなったのです。



それとこの頃では、引きこもり文化で、男女共初めて合う人に、



面と向かって話が出来ず、ネット場で話してそれが発展して、



実際に会うケースが多く、ナンパ行為は少なくなりました。



春菜、「直子さんも体験しましたよね!ネット..」。



直子、「あの味気無いテレビ?」。



春菜、「はい!、若者は今、あれで知り合うのです」。



直子、「つまらない!、臭いが出ないし第一、あのテレビの中でなに言われても、



刺激的じゃない!」。



春菜、「確かにそうですね!。



ネットで愛を囁かれても、信憑性に欠けますね!」。



直子、「そうでしょ!、男はやっぱりその場で口説いてくれないと、



燃えないわよこっちだって!」。



すると春菜は昔を思い出した。



大輔の父とこうして車の中で、愛を語り合った事を。



春菜、「杉浦さんは、直子さんから見て当時、どう思っていたの?」。



直子、「杉浦君?、イカシテたわよ~!、私みたいな女大嫌いだったけど..」。



春菜は軽くコケタ。



直子、「押し掛け女房に成ろうかと、一人暮らしの杉浦君のアパート押し掛けたら、



すでに香織が居て大喧嘩よ!」。



春菜、「あちゃ~..」と、首を竦めた。



直子、「香織みたいな、大人しいのが好きなのよ!。



それでいて頭が切れる女が良いのよ!、香織と別れてから塞いでたけど、



香織も変な所でバカね~!、あんな夢が豊富な、ロマンチックな杉浦君振るなんて、



遊び人に見えるけど、優しくて一途なのよ!」。



春菜、「でも最終的に、結ばれたから..」。



直子、「私は認めないわよ!、どうせ春菜の神とやらのお告げを聞いて、



香織は気が変わったのよ..」。



春菜、「.....」。



当然春菜は複雑だった。



そして柿本オフィスに、戻ったのであった。



すると春菜は、良子から用を頼まれた。



共同で作成した、施工図を杉浦のオフィスに、届けて欲しいとの事で、



施工図を持って、杉浦の自宅に出向いたのであった。



杉浦の自宅には杉浦本人はおらず、奥さんに渡して帰ろうとすると、



奥さんに引き止められ少しの間、一緒にお茶をする事になった。



香織は少し躊躇いがちに、「直子、私の事を話していたでしょ!」。



春菜、「叔母さんに嘘は付けないよね..、今さっき聞いたばかりなの..」。



香織は俯き加減で、「彼とよりを戻したのは、春菜ちゃんのせいでは無いの..」。


春菜、「へ!」。



香織、「私、銀行マンの男に捨てられたの..」。



春菜、「ごめんなさい、これは聞かなかった事に」と、スっと立ち上がった。



香織は春菜の手を持って、「いいの、私と春菜ちゃんだけの秘密で」。



春菜は素直に従い、ソファーに座った。



香織、「どちらにしても、卑怯ね私..」。



春菜、「そ..そんな事..」。



沈黙の時が流れた。



香織、「あの当時、銀行マンは花形だった!。



夢を追い続ける彼の私の目に映った姿は、キリギリスだった」。



春菜、「解るよ!叔母さんの言う事..」。



香織、「その時、私は銀行マンに捨てられ掛けていた。



銀行マンは、常に三人の女と寝ていたの。



彼のマンションのベッドに横たわると、営みを終えた後、常に電話が来るの。



営みの予約をしていた彼の女から..。



私はベッドでそれを見ていた。



電話の応対はどう聞いても、他の女性。



バカな私はその彼に、『誰?」って尋ねると、何時も決まって彼は、



お袋だよと答えていた。



いつか私はその彼に、『嘘!』と追求すると、喧嘩になった。



挙句の果ては打たれて、泣きながら彼の部屋を飛び出した」。



春菜、「私の事、気にしていたのね..、あの時ひっそりと..」。



香織、「春菜ちゃんは、未来人でも彼に暖かかった。



羨ましかった、未来人はあの当時の人々から言わせると、



冷たくクールだと想像していたから、大人しく彼の好みにピッタリな、



未来人が切なく思えた」。



春菜、「もう戻れない彼の心に、私が忍び込んだから..」。



香織、「そうよ!、卑怯な思考の私は、未来人に嫉妬していた..」。



春菜、「女の憧れは、物欲と頼もしさ、そして優しさなの。



月夜の晩を超えると、ロマンの中に激しさを求めるの。



男が求める力は愛だと、勘違いすると焼けどする。



男はベッドで愛を語るのは、放出したい欲求を夢に置き換え、



囁いている自分に酔いしれる。



それに感激を覚える女は、麻薬の様に嵌ると、抜け出せないの。



いつか心が潰れて、取り戻してくれるだろうと、思う男に縋り付こうとすると、



男は別のカナリアを抱いているの」。



香織、「結ばれてね!、大輔と..」。



春菜、「もう結ばれていますから、身も心も」。



女の友情が今解き放たれた、瞬間だった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません

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