表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/54

第五章、仕事2

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


店に到着すると、そこはフランス料理だった。



店内に入ると、タクシードを着たギャルソンに、「いらっしゃいませ」と、



丁寧に頭を下げられ、「柿本様いつもの窓際の席で、宜しいですか?」と、尋ねられると、



良子は、「えぇ、そうして」と、答えた。



ギャルソンは微笑み、この四人はいつものテーブルに案内された。



すると先ほどの、ギャルソンがやって来て、「メニューをお持ちしましょうか?、



それとも今日お勧めの、白身魚を主に使った、ヘルシーメニューそれか、



鴨や羊を使った、こくの有るメニューなどですが」。



良子、「ヘルシーコースでどう?」。



皆さん頷いて、ギャルソンが、「それでは早速、ワインをお持ちいたします」。



そう言って軽く頭を下げて、立ち去った。



この方達は常連でも有るが、金に糸目を付けないので、



店側もワインの値段を、どうこうの言わないのであった。



普通はメニューを持って来て、品定めをするが、



やはり値段を見て決めないので、



余程その時に、特別希望したい ワインや 一品メニューが無い限り、



何時もギャルソン任せなのだった。



早速グラスが置かれ、その場で四人にワインが注がれた。



舌が肥えている客に、ワインを出す時は、ギャルソンは一々説明はしない。



注いでお客が口を付けてから、客の感想を聞いて、ワインの出所を言うのであった。



それはここの店の、方針だけだったが。



そして春菜の出番。



この人が一番、ワインの舌は肥えていた。



春菜は香りを嗅いだ後、グラスを回して一口飲んだ。



春菜、「ん~、フランスボルドー地方の ソーテルヌ地区かな?。



年代は1980年位の熟成ね..」。



ギャルソン、「流石ですね!、ボルドーまでは言い当てる方は、



いらっしゃるのですが、そこまで完璧に、言い当てる方は居ません」。 



圭子、「誰かかさん、よく昔から『土地を買ってくれた御礼に』と、



春菜の家にワインを、プレゼントしていた様な気がするけど..」。



洋子、「舌を肥やさせて置いて、将来自分の相手を、させ様としたんだよきっと!」。



圭子、「ワインの知識のフォアグラね!、アハハハハ!」。



春菜、「もぉ~#!、皆んな私を小さい頃から、



今の会社に役立つ用に調教してぇ~#!」。



すると年配組は大笑いだった。



優雅なひと時を過ごせる人達は、一品目が出て来るのに、20分も待たされても、



話に華を咲かせて涼しい顔付で、ワインを楽しんでいた。



窓際と言っても、中庭の窓際には、観葉植物などが置かれ、



目にも優雅なひと時であった。



実はこのフロアー、昨年出来たばかりで、春菜が設計したお店であった。



その空間は、レトロ調の中にシンプルで、落ち着いた感じを持たす為に、



大理石やコンクリートを使わず、木製を生かした、



アバウトな木のカットラインを、壁や柱に用いて、アットホームな空間の中に、



ガラス製の棚を多く作り、そこに装飾品を飾り、明かりを付けると、



そのガラス製の棚が、全体に光る細工が施されていた。



広さを意識せずに、なるべく角を作らず、仕切られては居ないが、



一つの一つのスペースの広さを、ランダムにして、



仲間達がその日の気分で、好きなスペースを選べる方式を取っていた。



どのフロアーからも、中庭が見える様に、設計にされていて、



窓際の席とは、大きな窓が有る中庭全体が、見渡せる席を表していた。



すると前菜がやって来た。



綺麗な絵柄が書かれた皿に、ホワイトソースの上に、焼き色が付いたアマダイ、



ソースの周りには、茹でて細かく刻まれた、ほうれん草が散りばめられていた。



ブロッコリーを細かく刻んで、少々タイの上に乗せてあった。



その中心には、パセリが乗っていた。



パセリを春菜は、フォークですくい態とらしく、「パセリ~#」と、答えた。



洋子はクスっと笑い、「悪かったわよ、春実に話して..」。



圭子、「は?、どう言う事?」。



良子、「昔この子が、初めて私達と昼食を取りに、



卸本町の角の洋食屋行った時に、オムライスの皿の上に、



パセリが乗っていたのを、春菜がそれを摘んで、『ハーブ?』って言ったら、



洋子が、『パセリよ#!』って、怒ったのよ!」。



圭子、「アハハハハ!、それを洋子が春実に話した訳だ!」。



春菜、「この間、お姉ちゃんと、オムライス食べに行ったら、言われたの..」。



その頃、直子は..。



柿本オフィスで、一人でお弁当を食べていた。


直子、「しかし殺風景なフロアーね~、ガラ~ンとしていて」。



誰も居ないこの空間は、四角く細長いテーブルが有るだけで、



窓際に観葉植物が一つ、置いてあるだけであった。



ふと何となく向かい側のテーブルに置かれた、一般回線の電話の子機に目が行った。



椅子から立ち上がり、子機が置かれているデスクに行き、



充電機から子機を外したら、「やだ~、これも線が付いて無い..」と、嫌気がさした。



通じるのかと思い、携帯と同じく受話器が上がっている、



緑の絵柄のボタンを押し、子機を耳に当てるとプーと、音がした。



直子、「この世界は、何でもマジックみたいで、気持ちが悪いのよもぉ#」。



そしてフロアーの西側の、スタッフオンリーと書かれた扉に歩いて行き、



扉を開けて中に入ると、キッチンの横に置かれた、



自動煎茶機の注ぎ口に湯飲みを置いて、ボタンを押し続けると、



飲みたい分だけ、お茶が出て来た。



直子はお茶を注ぎながら、「これも何だか味気ないわね~」と、呟いたのであった。



お茶を注ぎ、フロアーに戻りお茶を飲んでいた。



するといきなり、このフロアーに男性が入って来た。



それは木村施工の幹部、木下だった。



木下はアレ?と、言う顔をして、「あ..あの~、社長の柿本 良子さんは..」。



このフロアー意外とアバウトで、



あるじが居れば、誰でも自由に入れたのだった。



直子、「今、食事に外へ出ているの、なんの御用でしょう?」。



木下はハッと、改めた姿勢で、「この間、届けて貰った施工図、



お客様からの要望で、もう少しお風呂を拡張して欲しいとの事で、



相談しに来まして、アポ無しで来てしまって、申し訳無いのですが..」。



すると直子は、ポケットから携帯電話を出して、春菜に言われた様に、



携帯を操作して、電話を掛けた、「あ~もしもし!、



あのね~、良子がこの間届けた施工図、え~と」と言って、携帯を一度耳から放して、



木下に、「え~とどちら様?」。



木下は、「木村施工の木下です」と、答えると、



又直子は携帯を耳に当てて、「木村施工の木下さん、お客様からの要望で、



もう少しお風呂を、拡張して欲しいとの、相談しに来たみたいだけど、



うん、うん、解った!」ピ!っと、電話を切った。



そして直子は、「大変申し訳無いのだけど、一時間後にそちらにお伺いするので、



そちらの会社でお待ち頂けますか?」。



木下、「あ..そうですか、解りました!」と、帰ろうとしたが、目が直子の胸元に行った。



そう単刀直入に言うと、巨乳なのだった。



木下得意の、下から始まり上までなめ回す様に、直子を見ていた。



鼻の下が伸びる木下。



木下、「き..君幾つ?」。



直子、「はぁ?」。



いきなり態度を変えて、のろける木下。



直子、「私?」。



木下、「うん!」と、頷いた。



直子、「25だけど..」。



木下、「ば..バストも幾つ?」。



直子、「......」。



躊躇った。



そして笑顔で直子は、「幾つだと思うん」と、色っぽく答えた。



木下、「ハアハア(;´Д`)え~と、95..」。



直子、「105よん」。



木下、「ハアハアハア..春菜ちゃん寄りもデカイね~」。



興奮してる様子。



完全にスケベ親父根性、発揮であった。



そして卑猥な事を、連発で聞いて来た。



するとスクっと直子は立ち上がり、木下の所に歩いて行き、



思いっきり、お稲荷様を握り締めた。



木下、「ぎょぉぉおおおおわぁ~~~!」と、苦しい声を出した。



直子、「う~ん、ちょっと私と型が合わないわぁ~、残念だけど..」。



木下はいきなりの直接攻撃に、玉らなくモトイ..、堪らなくなり、



このフロアーから逃げて行った。



直子は、「根性も無いわね~」と、呆れて又弁当を、食べ始めるのであった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ