第五章、仕事
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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二日後。
直子は、柿本クリエイトのオフィスに居た。
すでに事務は、パソコンを扱う事が主流な時代。
無論パソコンが出来ない直子は、アナログな作業で、
事務をこなすしか無かったが、この会社は都合の良い事に、
レトロ屋も営んでいた為に、アナログな事務用品も、各種揃っていた。
春菜は直子の前に、帳面を置いた。
良子、「それで春菜、例の物を..」。
そう言われた春菜は、「はい」と、答えて、壁をスライドさせて、
中から大きな、電子計算機を出して直子の前に置いた。
良子は嫌味たらしく、「これ最新式の、前の型の半分の大きさの、
電子計算機なのよぉ~!」と、腰に手を置いて答えた。
春菜、「ごめんね#!、あの時笑い飛ばして#」と、怒った。
直子はそれを持ち上げて、「確かに前の型寄りも、軽くなったよね..」と、言った。
洋子、「あの時の敵を、取るんじゃないの!」と、呆れていた。
圭子、「ここぞとばかりに、恨みを晴らしている様だけど、
春菜が未来人で、この馬鹿でかい計算機を見て、春菜に馬鹿にされた事を!」。
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春菜、「私だってあの時は、まさか過去にタイムスリップした事が、
現実だとは思わなかったもん#」。
洋子、「春菜、私達から言わせれば、こっちが夢を見てる様だったけどね」。
圭子、「良子、あんたも幼いよ!。
言って見たかったとは思うけど、財を築かせてくれた春菜の前で、嫌味を言うなんて」。
良子、「春菜が過去に、タイムスリップした時の感覚を、味わいたかっただけよ」。
すると現代人側は、納得した。
洋子、「なるほど!、こう言う感覚なんだね!」。
圭子、「そう言われると、春菜が過去に降り立った時の感覚は、
これか!と、思えるわね」。
すると洋子は、スカートのポケットから財布を出し、
500円硬貨を一枚出して、直子に投げた。
直子はそれをキャッチして、「遣られたわよ#!、一昨日のスナックで!」。
現代人側は、大笑いであった。
春菜、「その話題はあそこに行くと、耳にタコが出来る位、言われるもん!」。
実は春菜は、過去に降り立った時、この仲間達に500円硬貨を出したら、
大きな100円のおもちゃと、勘違いされたのであった。
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すると洋子は、自分の財布から今度は、カード型の薄い計算機を出して、直子に見せた。
それを手にした直子は、「やだ~、気持ち悪い!」。
するとやはり、現代組は笑った。
圭子、「やっと我々も、過去に降り立った、宇宙人の仲間入りね!、アハハハハ!」。
直子、「40年後は、宇宙人に支配されたのね!」。
春菜、「それで、申し訳ないのだけど、未来人は携帯電話を持つ事が常識です。
あなたから言わせると、スパイ映画の俳優もびっくりですが、これをお渡し致します」と、
直子の為に新しく加入した、携帯電話を渡した。
直子は携帯電話を開いて、「どうやって使うのこれ?」。
実は直子が、タイムスリップして来た時代は、プッシュ式の電話は、あまり無かった。
日常で一般人が、プッシュボタンを押すと言う行為は、無いに等しかったので、
躊躇ったのであった。
直子、「スナックでもこれ、見せられたけど、こんな子供騙しのおもちゃで、
本当に通話出来るの?」。
春菜、「このボタンを押して、ほらここに洋子と書いて有るでしょ!、
そしてこのボタンを押して行くと、この赤い枠が洋子の所を囲ったから、
この状態でこの受話器が上がっている、絵柄のボタンを押すのです」。
そして直子は言われた様に、押してみた。
すると机の上に置いて有った、洋子の携帯電話の着信音が鳴り出した。
洋子は自分の携帯を開いて、着信ボタンを押して、
携帯を耳に当て、「もしもし~」と、答えた。
同時に直子も、携帯を耳に当てていたので、「も..もしもし~」。
洋子、「どうだい便利だろ!」と、直子の顔を見ながらしゃべると。
直子も洋子の顔を見て、「うわぁ~気持ち悪い!、
線が無いのに、通じる!」と、怯えて携帯を帳面の上に、落としてしまった。
直子、「なによこれ#!、無線機なの?」。
春菜、「確かに無線機では有りますね!」。
洋子はとても愉快だった。
春菜、「この電話は携帯電話と言って、携帯電話同士以外に、一般回線も繋がります。
そして救急や消防、警察にも電話が掛けられます」。
直子、「この数字を押せば?」。
春菜、「その通りです。
そしてメモリー機能と言って、一度掛けた所は記憶されて、このボタンを押すと、
ほら!、ここに発信暦と言う項目に、洋子と残っているでしょ!」。
直子、「べ..便利ね~この時代は、若い男は味気無いけど..」。
圭子、「この世の男は、直子様には向かないのかい?」。
直子、「なにあの、女みたいな男#!。
顔は艶やかで、ヒゲも無ければ胸毛も薄そうで、体はモヤシみたいで、
背ばっかり高くて、なよなよしていて、
若い女の方が、がたいがいいんだから、もぉ~#!」。
良子、「それを現代では草食男子と、肉食女子って言うのよ!」。
圭子、「我々の若い時代は、バンから男が女にモテていたからね~」。
<作者:解説しよう!、バンから(蛮カラ)とは身なり・言葉・行動が粗野で荒々しいこと。
わざと粗野を装うこと。また、そのような人や、そのさま。
「ハイカラ」に対する造語である。>
春菜、「私は昔から、バンからタイプ方が好きだけど..」。
良子は急に、「あのやんちゃ小僧の、どこがいいのよ#!」。
圭子、「良子そんなに、大輔に嫉妬するんじゃないの#!」。
春菜、「ヤレヤレ、また現代に帰って来て、始まったか..」。
(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60922326.html)
洋子、「いつかは、娘を手放さなければいけないでしょ#!」。
圭子、「さ~その話は後にして、そろそろお昼よ直子、
今日は外に出て食べるから、仕事は午後からよ!」。
直子、「いささかこの時代の食べ物は、美味しいけど味がくどくて
胃がもたれてるけど。
だから朝自分でお弁当作って来たから、四人で食べに行って来てよ!、
留守番してるから..」。
そう言われて、直子を抜かして四人は、良子の車に乗り込んで、
郊外の飲食店に出向いた。
車の中で、洋子が、「今日は和食かい?洋食かい?」。
圭子、「今日は洋食でどう?」。
良子、「春菜は洋食で良いの?」。
春菜、「洋食で良いよ!」。
満場一致で、行き付けの洋食料理店へと、車を走らせた。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。