表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/54

第四章、思い出の続き

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


次の日。



夜の事であるが、良子は商工会の役員と、料亭で会議であった。



直子は、僅かながらでは有るが、良子からお金を貰い、



良子が嘗て勤めていた、文具の問屋の社員達の、行き着けのスナックに出向いた。



春菜は春実と柿本家で、食事を共にしていた。



今日は春菜が大好きな、シンプルなオムライスに、コンソメスープ、



野菜サラダと、一般家庭の普通の夕食だった。



ただ、春実のオムライスだけは、相変わらずビックドームだったが..。



春実、「母良子は、夜遅く帰って来るであろうぞ!」。



春菜、「飲んで喧嘩して、役員掴み上げなければいいけど..」。



春実、「役員も昨日今日、知り合っ仲では無かろう!、



性格は知っておる、心配せんでも良い!」。



そう言いながら、オムライスを頬張る春実であった。



すると、春菜が春実のワイングラスに、赤ワインを注いだ。



春実も、春菜のグラスに同じワインを注いだ。



春実、「相変わらず、母良子は民とはかけ離れた、



ゴージャスな食事を取っておるのかのぉ?。



聞くまでも無いであろうが..」。



春菜、「結局、スーパー行くと、そうなるの..」。



春実はワイングラスを口に付け、一口飲んで、「ワインは良いが、



毎日フランス人や、イタリア人もたまげる様な、贅沢な食材で夕飯とは、



長生きはせんよのぉ~」。



春菜、「そのワインも、一本5万円だよ!」。



それを聞いた春実は、ワインを喉に詰まらせて、んんっと咽ながら胸を叩いた。



春実、「母はこれでも、毎日ディナーに飲める、リーズナブルのワインと、



思っているのかいな?」。



春菜、「お母さん、一般と 一桁感覚が違うから..」。



春実、「お他所で育った側に、言われてしもうたがな..」。



春菜、「お母さん、賢パパが他界してからは、これと言った趣味も無いし、



食べる事くらいしか、楽しみがないの..」。



春実、「しばらく実家での、母良子の私生活を伺ってはいないが、



この一本 5万もするワインを、毎日空けてしまうのかいな?、



どれだけ金の延棒が、家の下に埋まっておるのかのぉ~?」。



春菜、「でも、いつも5万のワインではないの、



その日の料理に合わせて、白だったり赤だったり、値段で決めてないの、好みで決めてるの。



そのワイン昨日の呑み残しで、一回開けて空気が大量に入ると、



どんどん味が落ちるから、5万でも10万でも飲んでしまわないと..」。



春実、「パパが生きていた頃は、こんなにも酒呑みでは無かったが、



喧嘩する相手も居なくなると、酒びたりになるのかの!」。



春菜、「そうだねぇ..」と、思いに更けたのであった。



して..直子は、では無く、その頃直子は。



街外れで細々と営んでいるスナックで、呑んでいた。



お客は直子を見て、呆然としていた。



このスナックのママが、「は..春菜と入れ替わりで、



今度は凄いのが、過去からやって来たね~」と、驚いた。



大野、「そ..それで、田口は何処へやら?って訳か..」。



実はここのママさんは、最初に春菜があの会社に、未来から降り立った時に、



春菜の耳元で直子の悪口を囁いた、あの年配の女性である。



(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60924337.html)



高齢で77歳、すでに仕事は昔努めていた人達の、



コミュニケーションだけの商いで、趣味で営んでいるに近い状態であった。



直子はカウンターで頬杖を付いて、「かえりたーい!」と、呟いたのだった。



何故なら、昔の同僚はすでに老けてしまっていて、



オジサン、オバサンだったからだ。



窪田、「俺は、あの会社では大人しくて、存在も薄かったが、



それでも直子に金貸していたからな..」。



ママ、「帰りたいだって!、春菜と言う事が逆だね~。


あの子は、あの会社に来た時、何も知らない世界に降り立った割には、



来ていきなり、仕事テキパキこなしたよ!」。



大野、「それもだよ!、あの当時、女性社員に聞いた所、



寮では美味しそうに晩御飯食べて、嬉しそうに一緒に風呂入って、



はしゃいでたらしいよ!」。



(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60924190.html)




美紀子、「そうよ~!、私が、『ねぇ春菜ぁ~、この時代の夕飯って質素でしょ?。



春菜の時代は、洋食ばかりなの?』って、言ったら、



春菜、『そう言う人も居ますけど、私今ダイエット中なので..』って言ってたわよ」。



するとここに居たお客達は、各々で昔の話を懐かしんでいた。



静子、「カロリーだの、ダイエットだの、メタボなど、



あの当時は、普段聞きなれない言葉ばかり並べて、最終的に私達が、



春菜に、『宇宙人?』って言ったら..」。



美紀子、「春菜は怒って、『私は宇宙人ではありません#!』って、



叫んでいたわね、アハハハハ」と、笑い出すと、皆な大笑いだった。



直子、「今日言ってたわよ明子が、『春菜は未来を教えた、



生き字引だから』って言ったら、



春菜は、『私は過去では、宇宙人で未来人だったけど、



現代では単なる普通の人です』って」。



大野、「今でも春菜は、未来人感覚だけどね、我々オジンオバンから言わせれば..」。



皆さん同時に、「確かに」と、答えたのであった。



久保、「そうだなぁ~、あの時は 小島 直子は、偉くよこしまな女だと思ったが、



今となっては懐かしい、生きたアルバムの様なもんだ!」。



美紀子、「その分、生き字引が未来を教えて、皆んな財を肥やして保てたから、



こうして皆んなで、楽しくやれてるからいいわよ!」。



静子、「我々からの借金や、借り物も帳消しよ!」。



窪田、「さて、奢ってやるから、好きな物頼め!」。



ママ、「間接的では有るけど、春菜に感謝するんだよ。



こうしてあんたを皆んなが今、慕ってくれるのは、



春菜の神様が、過去に降り立って、我々の幸せを案じて、



災難から逃れられる様に、導いてくれたからだからね!」。



その時、皆頷いた。



久保、「保々直接的だよ!、何故なら直子は、春菜が側に居なければ、



今頃とっくに良子さんの家から、追い出されていただろうから..」。



皆さん全員同時に、「そりゃ~そうだ!」と、言い放ったのだった。



やはり直子はその時、「帰りたい..」と、呟いたのであった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ