第三章、相談2
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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柿本クリエイトは、大パニック。
仕方が無いので、春菜はすでに定年退職した、小幡の邸宅に出向いた。
小幡は自宅の居間で、「それは当分、春菜ちゃんは、
あの連中の側に寄らない方が、身の為だな」と、呟いた。
やはり小葉幡の奥さんが、側に居て、「会社を当分休みなさいよ!、確実に泥沼よ!」。
春菜はやはり俯いていた。
小幡、「前世の母親を、思う気持ちは伝わるが、
あの自己主張の強い、小島 直子が加わったら、収集付かなくなるぞ」。
奥さん、「かくまって上げるから、現世の母に事情を伝えなさいよ、春菜..」。
流石に春菜の未来での、出来事を忠実に守って来た、小幡夫婦は財を肥やし、
義理が有ったので、春菜を粗末には出来なかった。
春菜、「いえ、別にそんなかくまるなんて、そこまで大事では無いのですが、
どう繕って良いか、相談に乗って欲しくて..」。
小幡、「用は簡単だよ!、いずれにしろ順応性が有る女性だから、
我々が彼女を誠実に扱うなら、住む所を与えて、春実ちゃんの経営するお店に、
スタッフとして働かせれば、この高齢化時代だから、やんちゃな昔ギャルで売れば、
団塊世代は、昔の遊び人を慕うよきっと」。
奥さん、「それは良い考えだわ!、定年退職した60代後半は、
よこしま直子みたいな、同じ世代を生きた、元気なやんちゃギャルが居たら、
活力が出るわよきっと」。
春菜、「そうですね!、春実お姉ちゃんに相談してみます」。
なので会社に帰り、皆なに相談すると満場一致で、春実の店に送り込む事になった。
レトロ屋Dear storeの店内で、置かれていたベンチ座らされた直子、
このフロアーの雰囲気に、マッチしていた。
それを見た春実が、「ぶわぁあははは」と、笑い出し、「様になってるね~、
して..幾らで売るのかのぉ~?」と、考えていた。
隣に居た春菜が、「だからお姉ちゃん#!」。
春実、「売っても、直ぐクレームが来て、返品される故に、
飾って置く事にするぞえ!」。
するとツナギを着て、頭をオールバックにした、
若い男性がこの二人の所にやって来て、「春菜、あれなに?。
どこの舞台女優連れて来たの?」と、櫛で髪の毛を梳かしならが答えた。
春実、「大輔、あれが本物の、43年前のやんちゃギャルだよ!」。
大輔、「43年前?、顔の艶から見ても20歳半ばだけど」。
春菜、「タイムトラベラーなのよ!」。
大輔、「春菜の友達?」。
春実、「ワハハハッハ!、必ずそう言われるね春菜」。
春菜、「私と逆で、過去からあの地下室の、物置の扉を開けて、
この現代にやって来たのよ!」。
大輔、「へ~!、親父と同期か?あの女..」。
杉浦 大輔(30)。
杉浦の長男で、上には姉が居た。
父親の若い時と同じで、バイクとアメリカンスタイルに拘る、
Dear storeの幹部であった。
この店では主に、アメリカンバイクを扱う、優秀な幹部で修理もこなす。
アメリカンに掛けては、市内でも右に出る者は居ないほど、
知識とメカニックの達人であった。
すると大勢の人が、話を聞き付けて店に入って来た。
その人々は、昔のあの文房具の問屋の社員達だった。
直子を見るなり、皆さん同時に、「い..生きてた!」と、言い放ったのであった。
それを聞いた直子、「まだ死ぬ訳には行かないは、
死んだら私を求める男達が皆んな、路頭に迷うわよん」と、色っぽく答えた。
皆なコケて、しらけてしまった。
春実は春菜に、「あれはシャレでござるか、それとも酷い妄想壁が有るでござるか?」。
大輔、「それを春菜に問いかけても、
解る訳が無いでござろ~」と、体の力が抜けてしまっていた。
そして小幡夫婦が、このフロアーにやって来た。
直子を見た小幡は、「これか!懐かしいお姿だね」。
奥さん、「お久ぶりね!、大分前にお見かけしなくなったけど..」。
直子、「あんた節子でしょ!、会社では姉貴分の私寄りも、
風格出たわね~」と、感心していた。
春実、「春菜、あれは妄想壁が酷いのでは無く、身の振り方知らずであろうか?」。
大輔、「だから姉さん、春菜に問い掛けても解らないって#!」。
春菜、「お姉ちゃん、私に一々問い掛けなくても、そのまんまだってば#!」。
すると春実は直子の所に行き、「昔のお姉さん、さっきから態度がLサイズですが、
この者達に軽薄な態度を取るのなら、ここから叩き出しますが、
大凡お姉さんは、過去に失踪届けも出されていない御様子で、
私の憶測が正しければ、昔はお嬢様で、父親が事業に失敗してからは、
貧乏暮らしで流れ着いた先は、昔私の母が勤めていた会社だった!」。
直子は急に俯いて、「あんた鋭いはね、そんな生い立ち良子にも、
話した事は無いのに」。
春実、「お嬢様育ちは、お嬢様体験して来た女が、一番理解出来るんだよ#!」。
いきなり春実は、態度を変えた。
周りはやはり、シ~ンとしてしまった。
春実は直子の表情を見て、「解れば宜しい!、これにて一件落着」。
そう言って、店の奥に歩いて行ったのだった。
小幡、「さすがは、良子さんの娘さん」。
周りは同時に、深く頷いたのであった。
直子は、態度を改めたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。