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第三章、歯車

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


会社も終わり、洋子と圭子は、「また明日」と、挨拶を交わして帰って行った。



春菜が過去に、タイムスリップした様な訳には、行かないのであった。



なにせ昭和44年の我の強い、わがままギャルが現代に、



来てしまったからさぁ~大変!。



昨日までの、良子にとっては都合の良い、



幸せな暮らしは閉ざされてしまった。



春菜が助手席に座り、良子がマイカーを運転する。



一つ何時もと違うのは、後部座席に厄介な女が座っていた。



直子、「ねぇ~あんた、さっき一度だけ、チェンジレバー動かしただけで、



ハンドルしか動かして無いけど、つまらない車ね~!」。



この直子さん、オートマチック車を知らなかった。



二人はこの人に、どこから説明して良いか、返答に困った。



春菜、「直子さんから見て、40年後はクラッチを踏まなくても、



アクセルとブレーキだけ踏めば、走るのです」。



直子、「だいたい、女がこんなデカイ車運転するなんて、おかしいわよ!。



大富豪の社長の奥様気取りなの?」。



春菜はその時、慌てた。



何故なら良子は、爆発寸前で有る事が、以心伝心で来たからだった。



春菜、「良子さんは、あなたが失踪して直ぐ結婚して、旦那さんと二人三脚で、



事業を起こして成功して、今が有るのです」。



直子、「よほど物好きな男ね!、こんなキツイ女を、好きになるなんて..」。



良子、「私に気を使わなくて良いわよ#!春菜..。



この女の言う事には、慣れてるから..」。



直子、「良子、この子あんたの娘なの?。



よく出来た娘ね~、あんたに忠実で」。



春菜の方が、いささか怒れた様で、「直子さん#!、これ以上暴言吐くと、



強制的に路上に、放り出しますよ#、良いですか?」。



その時、直子は素直に、「ごめんなさい..」と、謝ったのであった。



良子はその時、「フッフフフフ」と、不気味に笑い出したのであった。



春菜、「お母さんも直子さんに、これ以上暴言吐くと、



一生、隣のベッドで寝てあげないから#!」。



良子も自省した様で、「ごめん」と、春菜に呟いたのであった。



まさか春菜は三年後に、現代に帰って来て、



我の強い旧昭和44年組みの、面倒を見る羽目になるとは、



思わなかったので、ため息を付いたのであった。



(これも役職かぁ~)と、心の叫びは、確実に良子に、以心伝心されたのであった。



自宅に着くなり、車からリモコンを操作して、車庫のシャッターが開くと、



直子は驚いて、「ちょっとあんた!、旦那はスパイ映画の俳優なの」と、叫んだ。



春菜と良子は、何も言えなかった。



車を車庫に入れると、自宅の玄関のドアロックキーの暗証番号を入れて、



目の網膜確認と指紋確認を行い、ロックが外れると、自宅の玄関のドアを開けた良子。



確かに現代人から見ても、この家はスパイ映画かと思うくらい、



ハイテクセキュリティーの塊であった。



自宅に戻ると居間に行き、更に驚いた直子、「ここ誰の家なの?」。



良子、「誰が他人の家に、帰って来るバカが居るのよ#!」。



直子、「あんたの家?」。



春菜、「申し訳無いのですが、良子さんの40年後は、



あの寮生活とは、かけ離れた生活になってしまいました」。



直子、「ねぇあんた、その若さであの寮の事知ってるの?。



と、言う事は逆にあんたが、過去に行って戻ってこれたと言う事でしょ?」。



春菜、「そうです。40年前の過去に行って、二ヶ月後位に突然この現代に、



戻っされて急に、知り合いばかりになりました」。



直子、「二ヶ月後に戻れるのね!」。



良子、「保証は出来無いわよ!。



私達が40前から今まで、あんたの安否を、確認出来ていないのだから..」。



直子、「え~..、じゃあ私は行方不明のまま?」。



良子と春菜は同時に、「そう!」と、強く念を押した。



良子、「あんたは田口君と43年前に、



失踪したと言われていて、それから今まで、



私達の前に現れていないの、だから25歳のあんたではなくて、67歳のあんたが、



この現代に存在確認されていなければ、私達はこれから未来でのあんたは、



どうなるか解らないのよ#!」。




直子、「ふ~ん!」と、軽く答えて、「それはそうと、お風呂入れてよ入りたい!」。



良子と春菜はコケタ。



春菜、「お風呂なら、24時間入れますよ!」。



直子、「あんたの家、こんなに立派なのに、お風呂付いてないの?」。



良子と春菜は、やはり同時に、「は~?」と、首を傾げた。



直子、「銭湯に入りに行け!って、言ってるのでしょ?」。



かなり時代の感覚が、ずれていた。



春菜は一つ咳払いをして、「え~とですね。



この家のお風呂は、ろ過装置が付いていまして、



24時間、いつでも綺麗なお湯の、お風呂に入れる訳です」。



直子やはり、「ふ~ん」と、軽く答えて、「その前におトイレ行きたい!」。



やはり、良子と春菜はこけた。



春菜は、「案内します!」と言って、直子をトイレに連れて行った。



良子はのソファーに座り、「あの女、相変わらず気紛れで、



わがままなんだから#!」と、腹を立てていた。



<作者:相変わらずって、昭和44年から、直接43年後に飛んで来たので、



性格はそのままですが。>



春菜は直子をトイレに連れて行き、詳しくトイレの使い方を教えていた。



春菜、「いいですか!、ここに付いているボタン類を、



決して押してはいけません!、済ませたら、



この水を流すボタンをだけを押してください!。



それ以外は決して、手を触れないで下さい!。



ここにトイレットペーパーが有りますので、



これを使って下さいね!」と、やはり念を押して、



直子が笑顔で、「了解!」と言って、春菜がドアを閉めた。



そして居間に戻って来た。



かなりご機嫌斜めな良子を、目の当たりにした。



何しろ良子さん、ここ三年間は春菜と、穏やかで充実した毎日を送っていたので、



最悪な女が舞い込んで来てしまった為に、精神の歯車が狂い始めていた。



春菜は良子が座っている、



隣のソファーに座り、「最初の一ヶ月間だけは、お母さん我慢して。



人の事言えないし生意気だけど、



お母さんに私、拾われてから取引先の伝もあるの。



だから、あの人の仕事を、関係先に見繕って貰うから、



住居も格安中古物件2~3件が有るの。



『気に入らないっ!』て、あの人に言われたら、



新築マンションの宛なら、賢パパの知り合いの不動産関係者から、



『入居者紹介して欲しい』と、せがまれているの。



だからこちらが自腹切て、あの人の気に入るマンション買うつもりだから」。



良子、「元城町の牧田さん?」。



春菜、「植松町の余田不動産の旦那さんの、甥っ子の窪田君が独立して、



入野町で不動産開業したの。



新築格安マンションの物件、私に複数紹介してくれて、入居者紹介頼まれたの。



私も大分紹介して上げたけど、まだ大分残っている状態で、



言えば大分安く、優遇してくれそうなの」。



すると良子は急に泣き出し、「春菜は優しいね~」と、鼻をすすった。



お約束の展開だが、いきなり廊下から悲鳴が聞こえた。



悲鳴と言うより、擬音に近かった。



「ぎょわぁ~ ぎょえ~ ぎょぎょぎょ ぎょぅぅうう、ぎゃ~!」。



<作者:やっちまいました。>



春菜がソファーから立ち上がり、廊下に出て 一目散にトイレに駆け込んだ。



すると股を閉めた直子が、「乾かしてくれたみたい..」と、呟いたのであった。



春菜は呆れて、「ヤレヤレ..」と、呟いたのであった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。


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