ハイブブルード解説 2
ハイブとは、蟻や蜂に似た社会構造と生態をもつ昆虫型モンスターです。一巻ではそれらの構成員のうち、ハイブブルードとブルードリングについてお話ししました。今回は、ハイブリーダーとブルードマザーについてお話ししましょう。
ハイブリーダー
ハイブブルードはハイブ社会の大多数を占める兵隊アリのような存在ですが、その兵隊アリたちを束ねる中間管理職――これがハイブリーダーです。
ハイブリーダーはハイブブルードたちの中から生まれてきます。といっても実力や人気で選ばれるのではありません。生まれたての幼虫にブルードマザーが作る酷い匂いのゼリーを食べさせると、これが宿主に寄生し、長じてハイブリーダーとなります。
ハイブリーダーは、匂いまたはある種の生化学物質を発散することにより、ハイブブルードやブルードリングたちに命令を与えることができます。この「匂い」は半径10メートルの範囲に届き、30秒間滞空します。この間に範囲内に入ったブルードたちは必ずこれを受け取り、いったん受け取ったらどんな命令だろうと必ず実行します(可能な限り)。
ハイブリーダーはまた、ハイブマインドと呼ばれる構成員から技能を5つまで受け取り格納することができます。これにより、巣から遠く離れた場所でも、ハイブマインドが盗んだ呪文その他の技能を、ブルードたちに共有させることができます(ここで言われる技能の扱いやハイブマインドについては別な機会にあらためてご紹介します)。
ブルードマザー
ブルードマザーはその名の通りハイブの「母親」です。宿主に寄生する幼虫ブルードリングは、皆、彼女から生み出されます。マザーには二つの役割があります。一つは、子どもを生むこと。もう一つは、女王蜂のように、構成員たちの熱狂的な献身を受けることです。
実のところ、マザーは子どもを産む以外には何一つできません。一人ではほとんど動けませんし、知能はゼロだと言われています。ただ、身を守るために、一日三回だけ半径10メートルにわたって自分の周囲に毒ガスを発生させることができます。
一つのハイブコアにマザーは一体しかいません。コアはだいたい百名が上限です。それを超えると「巣別れ」が行われます。このとき、マザーは卵を産みます。この卵から新たなブルードマザーが生まれ、新たなハイブコアの「マザー」として君臨するのです。
巣別れの指図をするのは、ハイブマインドと呼ばれるハイブ社会のインテリ、コア運営のエキスパートです。マザー同様、自力ではほんのわずかしか動けませんが、代わりに高い知能を有しています。この厄介な構成員については七巻で詳しくお話ししましょう。




