全ての声
声が聞こえる。
みんなの叫び。みんなの願い。みんなの思い。
「生きて帰ってこいよ」
「早く、帰ってこいよ」
うん。
俺は、帰るよ。君たちが居る、その場所へ。
昔の、あの村を取り戻すために。
俺は、歌うよ。
ここにいる、この人たちのために。
「戦うものの唄」を。
俺は、唄うよ。
帰りを待ってくれている、君たちのために。
俺は、向かった。
俺が、勇者になれる場所へと。
いつも、せきをし、熱を出し、
弱音は、吐かなかった。
でも、影で、誰にも見られず泣いていた、君に、
僕が、唯一出来ること。
俺が、出来たこと。
君のために、歌うこと。
俺が出来ること。
君のために、死ねること。
誰か、俺のことを、覚えていてくれる人がいたらいいな。
出来れば、忘れてほしくない。
出来れば、それが、君であってほしい。
俺は、戦った。
君のために。
みんなのために。
頭を使い、力でかなわない相手にも、どうにか勝ててきた。
どうにか、大将のところまで、やってきた。
俺は、どこの国にも、加わらなかったから、
当たり前といえばそうだが、俺には、厳しいマークが付いた。
だが、俺は、諦めなかった。
君のために。 みんなのために。
それが、僕の支えだった。
馬鹿にされ続けてた、俺の、たった、一つの支え。
たった一つの、支え。
僕の、たった一つの願い。
みんなが、幸せに暮らせますように。。。
とうとう、俺は、陣地まで乗り込むことが出来た。
「ようやく、終わる」
そう思った。
生きて帰ろう
そうとも 思った
俺はがんばった。
生きて帰るんだ。
そう言い聞かせて。
俺の体力も、もう限界が、見えていた。
相手も、見る限りそのようだ。
コレで決まるな。
俺は、最後の攻撃に出た。
剣を、振り上げ、声を上げ、精一杯の力で、相手に振りかかった。
相手は、全てを、受けることが、出来なかった。
やった。生きて帰れる。
そう思った。
この油断がいけなかったんだな。
あれの視界は、涙と、血の色で、薄い赤に染まっていった。
生きて帰りたかったよ
もう一度、君に会いたかった。
みんなに会いたかった。
さようなら。。。。
次話で、最終回となります。
最後までお付き合いください。




