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二夜
一昨日は赤かった。
昨日は黒かった。
少し残念だった。
テレビからは今日の朝のニュースが流れていた。
繁華街の路地裏で死体が発見されたらしい、
僕には関係ない事だと、テレビを消した。
夜。
僕はまた、夜の町を歩いていた。
おそらく赤くきれいなアレを今日は見れる気がした。
どれ程歩いただろう、雫が落ちる音がした。
路地を曲がると、アッタ。
聖書に書かれた。神のように鉄の十字架にはりつけられていた。
ただ足りない、本来頭があるはずの場には何もなく、
それらしきものは足元にあるがどう見てもただの肉だった。
僕は、どれ程そこにいたのか、
気がつくときれいな赤は黒くなっていた。