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一夜
雨が…降っていた。
雨が少しずつ、少しずつ、強くなって。
目に映るのは、赤、白、黒。
雨で真っ白になった視界。
歩みを止めて足元を見た。
真っ赤な物があった。
それは、いかれたスクリンプラーのように赤を撒いていた。
いつの間にか、僕の服は…真っ赤になっていた。
僕は、その真っ赤なものから流れた赤い水を…
真っ黒なコンクリートの上を流れている赤い水を見て……綺麗だと思った。
いつの間にか、家にいた。夢だと思った。
でも…あの赤色は…綺麗だった。
夜になった。
ぼくは町を歩いている。
昨日、見たアレをまたもう一度見たくて探しつづけた。
そのうち、知らない道に出た。なぜかうれしかった。
この道を進めばなにかが変わる気がして。
歩いて、歩いて歩き続けた………10分くらいして…見つけた……。
昨日のアレと同じような物でも、今日のはあまり赤くない…少し時間がたっているのか黒しかない。
少し落胆しているぼくがいた。
その夜は家に戻らずに町を歩き回った。