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異世界怪盗

「おぎゃん!おぎゃん!」

うわ、なんだこの気持ち悪い鳴き声は!?怪盗らしくない!!

それに体が動かしにくいぞ!!目も開けられない!!

どうなっている!?僕は確かにあの時死んだはずだ。

とりあえず冷静になって周囲に意識を張り巡らせてみる。

…てかこの鳴き声自分から出てね!?もしかして俗に言う転生というやつか。


ああ…どうやら産声を上げてしまうのが生理現象なのは本当みたいだな…


『レオンちゃん、私がママですよ〜』

『おお!カトリーヌよ!産まれたか!!』

『母上、体の具合は大丈夫ですか?』


周りにぞろぞろと人が集まってきた気配がする。

声からして、母親と父親、それに兄と言ったところかな?日本語じゃないから何言ってんのか珍紛漢紛だ!クソせめて目を開けれればより正確な情報収集が出来るのに。


かくして僕の二度目の人生が始まった。

今度こそ大怪盗に俺はなる!

そうと決めたら、まずは言葉を覚えて情報収集をしつつ、今度こそ自然の猛威にも負けない体を作らなきゃならないな。


第二の人生計画を練っているうちに時間が経ち目が開くようになった僕の前には、薄い栗色とでも言うべきか所謂エクリュ色の髪の色を待ち、ルビーのような綺麗な目をしている美しい女性がいた。その女性は僕を抱え上げ優しい声で囁いた。


『レオンちゃん、お散歩に行きましょうね〜』


この人が今世の母親であるカトリーヌという人物だ。

まだ言語をマスターしてないので上手く聞き取れないが、この人の言うレオンこそが僕を指している単語だろう。

ーレオン・マルセルー

それが今世での僕の名だ。


どうやら、僕はそれなりに裕福な家に生まれたらしい。メイドやら執事らしき人がカトリーヌの後ろについて歩いているし、家もでかい。おそらく貴族というやつだ。


母親に連れられ、屋敷から出ると父親であるクロードと兄であるガブリエルが校庭みたいなとこで剣を構えて所謂、模擬戦的なことをしていた。


まるで中世ヨーロッパのような光景である。21世紀の地球では決して見ることが出来ないものだ。そしてその模擬戦の動きは地球の人にはとても出せないようなスピードと力で繰り広げられていた。


ここまで揃えば、バカでも分かる。

聞いたことのない言語。人間の限界を超えた身体能力。時代錯誤の光景。

これ、ただの転生じゃない。異世界転生だ。

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