※人物紹介
レオポルド公爵家
『ヴィンチェスター・レオポルド』
レオポルド公爵家現当主。赤髪に赤い眼の中年。38歳。
執拗なまでにラインハルトを『無能』『出来損ない』と罵り、虐待してきた毒親。
その憎悪の原因は今のところ不明。
『グランザリオ・レオポルド』
レオポルド公爵家の長男にして次期当主。18歳。オールバックの赤髪に赤い眼の青年。
幼少のころから既に剣術の達人クラス、現在では国一番の剣士として名を轟かせている。
公爵家にいたころはほとんどラインハルトと会話せず、挨拶されてもシカトしていた。
ラインをどう思っているかは不明。はたから見ていると興味がないように思える。
『メリーナリス・レオポルド』
レオポルド家長女。8歳。赤いショートヘアにウェーブをかけている。
天才と呼ばれるほど魔法の才能に優れているが、図に乗って鍛錬を怠りがち。
虐待でボロボロにされていたラインハルトを庇いもせず、むしろ見下して毎日バカにしていた。
飢えていたラインハルトの部屋にサンドイッチを設置して罠にかけチクり、餓死寸前まで追い詰めたことも。
ちなみにそれ以降にラインハルトの部屋に置かれていたごちそうはメリーナではなく別人が用意していたが、半ば人間不信に陥っていたラインハルトによって全て捨てられていた。
『クラウス』
レオポルド家執事長。63歳。白髪オールバックで碧眼。
年老いてはいるが、そのバリトンボイスと渋い雰囲気にクラっとくる女性もいまだ少なくない。
先を読む目と他者の思考を読み取る能力に優れていて、未来予知めいた予想を立てることも多い。
ラインハルトの境遇に心を痛めていたが、自分が深く口出しするとすぐに解雇されてしまうことを予測していた。
そうなればラインの味方が誰もいなくなってしまううえに、公爵家もそう遠くないうちに没落する危険性があったため大っぴらにラインハルトを助けられないでいた。
マオルヴォル子爵家
『ユーリタニア・マオルヴォル』
マオルヴォル子爵家現当主。子爵夫人や令嬢というわけではなく女当主。21歳。青眼で青髪の三つ編みを左サイドに垂らしている。
無類の子供好きで、街で可愛い子供を見るたびに内心大はしゃぎしている。
当主に成り上がった理由も『街の裏側にいる飢えた身寄りのない子供たちを救いたい』という願いから、それを叶えられる立場を手に入れるために実の父を陥れてその座を奪い取った女傑。
氷属性の魔法を扱うが、感情が昂ると勝手に体から強力な冷気が発せられて、直接触れるとすぐに凍り付いてしまうほど。
余談だが、なんらかの要因により子供を産むことができない体質らしい。
ラインに一目惚れするほど入れ込んでいる。
ただしそれは女としてではなく『母』に近い親愛の情からくる執着である模様。
『ルキナ』
マオルヴォル子爵家侍女長。24歳。
ユーリの側近で最も信頼している存在。毎日寒い思いをしている。
感情が昂って冷気が暴走させるユーリに恐怖を抱いたりツッコミを入れたり忙しい人。
『メディア』
元レオポルド公爵家メイド。18歳。黒髪黒目のおかっぱ頭。
ラインハルトの身支度炊事兼教育係で、日々罵声を浴びせたりムチで執拗に背中を打ち据えたりゴミみたいな食事を毎食与えたり虐待を繰り返していた。
現在はラインからの報復を受け、子爵家によって適切に『処理』された模様。
どんな具合になっているかはまた後のお話にて。
その他
『ゼリアーヌ・クリストフ』
魔道具店の店主。31歳。ボサボサな銀の長髪に赤眼でちょっと贅肉の乗ったムチムチ体型。美人ではある。
蓄音機や通信機などを魔道具として売り出している。ただ信用できる相手にしか魔道具の類は売らないうえに値段が高い。
魔法の達人で、扱う属性の種類も多彩。
魔法制御のキレも並の魔法使いの比ではなく、戦闘能力も高い。
オタク気質で、協会にて魔法に関する鍛錬と研究を長年続けてきたが、自身の魔法の成長に限界を感じたため魔道具開発の研究を始めた。
その際に色々と魔法協会と揉めたらしく、現在は破門に近い形で出ていっている。いわく『魔法協会は利権狂い』。
店を立てて細々と薬草や魔法薬や魔道具を売って生活していたところに、なんかガリガリのおもしれーガキが入り込んできた。
本人たちは自覚してないが、一緒に漫才めいた会話をしている姿は微笑ましい親子のやりとりのように見える。
以下、死ぬほど目が滑る主人公紹介。
読まなくてもまったく問題なし。
『ラインハルト』
詳しい性格は不明。
転生者のことをどう思っているのかも不明。
現在意識があるのかすら不明。
6歳の誕生日を迎えるまで、家族から認められようと頑張っていたけど、諦めてしまい現在は―――
魔法鑑定の結果は『自分自身を低速化』する魔法と推測された。派遣されてきた魔術師が安い賃金で鑑定する下っ端だったので、それ以上詳しく追及することはなかった。
実際の魔法は『自分以外に対する高速化』。動画の早送りに近いイメージで、運動エネルギーの増大が起きているわけではないし解除しても慣性は働かない。
仮に『時速50kmの球』を魔法で『時速100kmの球』に見かけだけ高速化しても運動エネルギー自体は『時速50kmの球』のままで、威力や飛距離が上がるわけではない。
『自分自身を高速化』する魔法使いは『発動すると自分以外全てのものがゆっくり動いているように見える』が、ラインハルトは対象が逆のため周りから見るとラインハルトがゆっくりに見える。
高速化を解除すると急に元の速さに戻るため、緩急を利かせた動きで攪乱したりできる。
普通の高速化魔法は自分自身にしか使えないうえに基本的にON/OFFの切り替えと速さの倍率調整程度の制御しかできない。というかそれ以上は必要ない。
ラインハルトの場合、自分自身には使えないが高速化できる対象や範囲がアホみたいに広い。最初に使った時には自身を除いた宇宙全体を早送りしていた可能性あり。
複雑な魔法制御回路を有しており、状況に応じて幅広い運用が可能。鍛錬を積んで十全に使いこなせるようになっていれば、ひとかどの魔法使いと認められるくらいにはなっていた。
しかしその前にラインハルトは生きることを諦めてしまったため、その才能は芽吹くことなく埋もれたまま闇に消える。
……はずだったが、なんか外から入ってきた脱サラ転生者が埋もれた才能を掘り起こして無理やり開花させようと悪さし始めた。
家族、特に父親から嫌悪を通り越して憎悪すら抱かれている。今のところ原因は不明。
『脱サラ転生者』
前世は脱サラ直後の40歳過ぎたオッサン。独身。
退職後にスーツのまま海に飛び込むというキチゲ解放をした結果、風邪をこじらせ入院。結果そのまま衰弱した挙句死亡。バカ。
会社に勤めていた時は直属上司からパワハラ三昧だったが、上層部からはそこそこ評価は高かった模様。
座右の銘は『因果応報』。インガオホー。でも作中ではんなこと一言も言ってない。
魔法の素質は『自分以外に対する加速』。高速化とは似て非なる全く別の魔法。この世界に本来存在しないはずの属性。
『時間の流れる速さだけ』の高速化とは異なり、加速した物体は運動エネルギーが増加されているうえに魔法を解除しても慣性が働いているためすぐに元の速度には戻らない。
『時速50kmの球』を魔法で『時速100kmの球』に加速すると飛距離と威力もそれ相応に跳ね上がる。
しかし『手に握れるほど小さな物体を加速する』くらいの狭い範囲と運用しかできないほど魔法の制御回路が単純なため、上記のように投げた物体を加速したりすることはできないハズレ魔法。
……のはずだったが、転生した際に『ラインハルトの魔法制御回路』と繋がってしまったため、バカみたいに応用の効く凶悪な魔法へと変質。
ラインハルトの高速化魔法を織り交ぜて運用することにより、いずれ手のつけようがないほど悪辣な運用が可能になる見込みアリ。
仮に『自分以外の全てを加速』した場合、その影響で宇宙全体が崩壊する可能性あり。ただ魔力量が足りないためにそこまで大規模な運用は不可能。
質量エネルギー保存の法則を無視してる節があるがそもそも魔法ってのはそういうものである。
ちなみに前世の名前は『有沢大吾』
家族は製薬会社に勤める父と祖父がいるけど疎遠になっている。別に険悪というわけでなく色々あって気まずいから。
母との仲は悪くないので父や祖父が居ないタイミングで時々顔を見せていたらしい。
しばらく更新はお休みです。
ストックが溜まり次第投稿再開。




