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90/102

90.読むの?

父を残し王城に着くと…

陛下の執務室に着くと皆さんお揃いだった。席に着くとテーブルに淡いピンク色の日記帳が置かれている。

よく見ると日記にはナンバーがふられており、その日記は3冊目と4冊目のようだ。日記に気を取られていると


「スティーブンから先触れが来て少し遅れるそうだ。故に先に話しを進めよう」


陛下はそう言いアイーナの日記を手に取った。そしてそれをルイス殿下に渡し読むように指示した。


「えっ!読むのですか!」

「「「「?」」」」


皆さん私の発言に驚きじっと見てくる。だってユーリの日記は読むだけでも大変だったのに、あんな日記を声に出して読めなんて言われたら死んじゃうわ。


「何か問題でも?各自が読むより早いと思うのだが?」


陛下は困った顔をして私の発言の意図を聞く。このままだと空気の読めない子になってしまうので、昨日先にユーリの日記を読んだ事。そしてその日記は罵詈雑言とユーリの男の欲が書き記され、とてもじゃないけど音読できる内容では無かったと話した。すると男性陣が途端に横を向いて咳ばらいをした。

後で分かったが若い娘が閨事を口にしたのが恥ずかしかったようだ。後で私も恥ずかしい発言を後悔する。


「そっそうであったか。ではユーリの日記については別室で個別に読む事としよう。ミーナ嬢。心配せずともアイーナの日記はアイーナ嬢の心情を書き記したもので、純真無垢で愛情深いアイーナ嬢の人柄が分かるもの故心配はいらんよ」


陛下の言葉に安心し座り直し読むルイス殿下の声に耳を傾ける。

日記はアイーナが16歳。つまりユーリと両思いになり、ユーリが婚約の後に妻を迎えた辺りからの日記だった。


『ユーリは両親がお決めになった令嬢と婚約してしまった。ユーリは何度も婚約を拒み、私を妻に望んでくれた。遠縁なのだから婚姻は可能な筈なのに、父様はお許しにならない。何故なの?』


愛し合う二人の仲を周りが認めない事に苛立っているのが文面から感じられる。そして17歳になってから降って湧いたように王太子との縁組が持ち上がる。全く面識のない王太子との婚約に困惑し、心身ともにユーリに頼るアイーナ。しかし父親である侯爵がユーリ夫妻の住まいを王都に移してしまう。

そしてユーリの妻から嫌がらせを受ける様になる。この辺りはユーリの日記と齟齬は無い。


日記には周囲に反対され戸惑い反発するアイーナの心情が書かれ、ユーリと引き裂かれ精神的に不安定になっていく。そして王太子と破談したいアイーナは治療を拒み、ハンガーストライキをしていた。これはユーリの日記には無かった話だ。そして結局ボルディン王が折れ、王太子との縁組は破談となった。


『やはり王も子が大切で縁組を諦めてくれた。後はユーリが私を選んでくれれば…。でも…』


アイーナは王太子の治療を最後まで受ける事を条件に、成人の儀の後はフィーリアの移住を求め承諾を得た。後は愛するユーリだけ。だが一抹の不安がアイーナを襲う。

その不安は直ぐにやってきた。社交の場に出ると傍から聞くユーリとステイシアの仲睦まじい姿。そしてある夜会でステイシアが親友にユーリが毎日に求めて来て、体がもたないと話しているのを聞いてしまう。


『ユーリはバンディス家から抜けるには、自分の代わりとなる後継ぎが必要だと言い、周囲を欺く為に暫く会わない告げた。愛する人に会えないのはとても辛い。しかしユーリは早く後継ぎを儲け私とフィーリアで新たな人生を歩むために、ユーリも苦痛に耐えているのだ。頭では”妻を抱くのは子を成すため”と分かっていても辛い。人伝に2人の様子を聞く度に嫉妬に狂いそうになる』


愛する男性(ひと)が他の女性に触れるの事に悩んでいる様子が書かれている。そして嫉妬に苦しむアイーナにステイシアは度々会いに行き、更にアイーナを苦しめる。

そんな日々の中、ユーリと秘密裏に手紙のやり取りをしお互いの愛を確かめ合う2人。そして最後の治療と成人の儀を終え、フィーリア移住の準備をしていたある日。王から召喚の命が出る。


父親である侯爵と王城に向かうと、王ではなく王太子が出迎える。そして父親と別々の部屋に通され王太子から治療のお礼が述べられ、王家の別荘地に招待したいと言われる。アイーナは嫌な予感がし丁重に断ると、王太子はあっさり引き下がる。やっと自分を諦めてくれたと安心し気が緩んだアイーナは眠くなり控室で眠ってしまう。


ここまで淡々と読んでいたルイス殿下が止まってしまった。そして咳ばらいをし陛下に休憩を申し出た。陛下は許可されルイス殿下は日記をテーブルに置きは執務室を出て行った。何か察したリアンド殿下がルイス殿下を追いかける。残された私とディック様は唖然としていたら


「この先の話はミーナ嬢には辛いやもしれん。この先の日記は別室で一人で読んだ方がいいだろう」


大方の話を知っている私は陛下の計らいに感謝し、この休憩中に別室で読ませてもらう事になった。日記を持ち騎士さんに案内され応接室へ。内容が分かっているだけに読むのが辛い。同じ女性としてアイーナの気持を思うと読む前から辛い。


『あれ?そんな辛い思いしたのなら、なおさら愛するユーリと共に居たいと思うのではないの?何故別れようと思ったのだろう』


疑問に思いながら応接室に着き、日記の続きを読む事にした。

お読みいただき、ありがとうございます。

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