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13.協力者

ナーシャの家から意外な人が登場し意味が分からず



「ミーナ王都から帰ってたの?」


リアム様のお付きの男性がここにいる事が理解できず固まる。彼はにこやかに丁寧な挨拶をされる。

2人が顔見知りなのに驚いたナーシャが


「あれ?ミーナとキーファさん知り合いなの?」

「うん」「はい」


リアム様のお付きさんはキーファさんと言うらしい。キーファさんとナーシャの繋がりが分からない。キーファさんはリアム様のお付きの方だから貴族の筈だ。

困惑していたらキーファさんが


「ミーナ様の護衛騎士が怪しんでおります。事情を説明しておかなければ、侯爵様のお耳に入り誤解を招くでしょう」

「そっそうね。で何故リアム様のお付きの貴方が平民のナーシャの家にいるの?」



「あ…そう言うことね」

「はい」


誤解は早くとっておいた方がいいから、今日の護衛責任者のマイクの元に行き簡単に事情を説明し、父様に報告していいと伝える。

父様に内緒にしない私にやましい事がと判断したのか、マイクは警戒を解き安堵している。


キーファさんは帰るところだった様で帰っていった。ナーシャの家に入るとディーンはファブと話をしているので先にナーシャの部屋に行き舞踏会の話をしていた。ファブとの話が終わったディーンがお茶を持ってきてくれる。ディーンはこの後予定がある為、私の愚痴は後回しにしキーファさんの話を聞く。


「じゃあロダンダに渡る船はキーファさんが手配くださるのね」

「そうなんだ。キーファさんと俺の叔父さんは旧知の中でロダンダに渡る船の手配を叔父さんに頼んだら、叔父さんがキーファさんに頼んでくれた。キーファさんは船を持っていて、それに乗せてもらえる事になった。良かったよ。普通の定期船に乗ればミーナがロダンダに渡ったのがバレて、家族が探しに来るかもしれないしれないだろう⁈

定期船に比べ自船による入国は審査がゆるいんだ」


この国でもそうだが船を所有している事は相応の地位と信用があり、平民に比べ入国に融通が効くのだ。まだキーファさんの素性が分からないが身分のある方らしい。そんなキーファさんがお仕えするリアム様って何者?

また新たな疑問が生まれた。リアム様は謎が多くまだ気を許さない方がいいかもしれない。



「ミーナは計画がバレると邪魔されるから、俺らがロダンダに移る準備をするよ。ミーナはバレないようにするのと、治療が予定通り終わる様に体調に気をつけな」

「ありがとう。手伝えなくてごめんね。私が出来ることがあればなんでも言ってね」

「あぁ…」


ディーンは私の頭を撫でて帰っていった。

2人は私が舞踏会準備等で忙しい間に着々と準備を進めてくれていたようだ。

ナーシャの話ではディーンの叔父さんには話が出来ていて、住み込みで働かせてもらえるらしい。計画に現実味が出てきて顔が綻んでいたらナーシャか舞踏会のことを聞いてきた。ここからまた愚痴り出す。



「私の知らない間に色々ありすぎよ!頭がついて行かないわよ。でもまぁとりあえず王太子との婚約が強制じゃないから良かったじゃん!」

「そうなの!あんなキラキラ王子無理よ」


ナーシャはお茶を飲み何か考えている。喋り続けた私もお茶で喉を潤し一息つく。するとナーシャは


「国王陛下が王太子と婚約しなくてもいいと言ってくれ、好きな人と一緒になってもいいならば、ミーナはこの国を出る必要は無いんじゃない?」


確かにそうだ。父様も好きにしていいと言ってくれている。しかし問題は母様だ。母様は王太子と婚約させる気満々だし、もし王太子を選ばなかったら次は高位貴族の令息に嫁がせようとするだろう。なんせあの人は身分至上主義だから。

本当の自由はここにいては得れないと思う。この国にいる限り“漆黒の乙女”はついて回るのだ。王太子を選ばなかったら直ぐに公爵家から縁談が来るに決まっている。


平民のナーシャはいまいち理解できないようだ。

協力者のナーシャには全て話しておいた方がいいだろう。でも話すことが多すぎて今日一日では話し終わらないかもしれない。でも…


「話すことが多すぎて今日どこまで話せるか分からないけど最後まで聞いてほしいなぁ…」

「分かったわ!ばっちこい!」


ナーシャは胸を叩いて鼻息荒く


「長丁場になりそうだからお茶入れ直してくるわ!」

「おぅ?」


ナーシャはマグカップを持って部屋を出ていった。ナーシャのベッドに寝そべってリアム様の事も話すか悩む。

でも話すとしてもリアム様の事は私自身もよくわかって無いのだ。どう説明したらいいのかなぁ。とりあえず…

するとお茶と焼き栗を持ってきたナーシャ。座り直しゆっくり話し始める。


「そうじゃないかと思ったよ」

「へ?」

「いくら相性良くない親子でも実の娘を蔑ろにしないわ。だからミーナの母親は別にいると思ってたよ」

「やっぱりそんなふうに思っていたんだ」

「縁も情も無いんだから、もう言う事聞かなくてもいいじゃん。名ばかりの母親で実質育ててくれたのは侯爵様でしょう?」

「うん。ありがとう…なんか吹っ切れた」


侯爵家はザイラがいるから私は必要なく、家を出ても問題ないだろう。私かいなくなれば父様も悩みが一つ減るしね。


「ザイラが味方で良かったじゃん。てっきり奥様に毒され嫌なおとこに育っているんじゃないかと思った。いい男になっているなら会いたいなぁ!」

「暫く別邸に居るから今度連れて来るわ」

「よろしく!」


身内の話をしてスッキリしたところで、お茶と焼き栗を食べて気持ちを切り替え、ナーシャにリアム様の話をしようと思う。


「あのね…今回の舞踏会で協力者を見つけたの…」

「えっ!まじ?」


深呼吸して話し出そうとしたら…

“コンコン”


「ミーナちゃん〜騎士様がそろそろ帰る時間だって」

「へ?」


今からリアム様の話をしようとしたのに!

そう言われて窓の外に目をやると陽は傾きつつある。やっぱり色々あり過ぎて1日で話し終わらなかった。


「はぁ…い。騎士に少し待ってもらってファブ」

「あまり長くならんようにな」

「は〜い」


ため息を吐きナーシャに話しきれなかったから、また来ると言い一旦帰る事にした。

部屋を出て玄関に行くとシュナが朝摘の木苺を持たせてくれた。シュナをハグしお礼を言いナーシャと別れて家に帰る。


帰ると屋敷は久しぶりにのんびりした雰囲気になっている。心無しが使用人達の表情は柔らかい。母様がストレスだったのが分かる。


「姉上!おかえりなさい。ナーシャ姉はお元気でしたか?」

「うん。久しぶりに話をしてきたわ。そうそうザイラが来てるなら会いたいって言ってたわ」

「私もお会いしたいです。ファブやシュナにも会いたい」


ザイラが部屋までエスコートしてくれる。ほんといい男になったわ。弟じゃなかったら惚れてるわ。

ザイラが夕食は父様もご一緒できると教えてくれる。


『今晩は楽しい夕食になりそう♫』


部屋に入るとマーガレットさんがいて夕食前に湯浴みを勧められる。ナーシャの家に行き疲れてるから確かに先に湯浴みした方がいいだろう。湯船に浸かりながら本当に家出が出来るのか不安になってきた。少し前まで外国に行くことを夢見てたのに、簡単じゃない現実に弱気になってきた。


「まだ6ヶ月あるし協力者もいる。大丈夫…」


とりあえずお腹が空いた!今日は楽しい夕食だから早く食卓に行こう。湯浴みから上がり着替え終わると、テーブルの上に手紙が沢山置いてあるに気付く。


何気なく手に取り差出人を確認すると…

「こわっ!」侯爵家に公爵家の令息からの恋文ばかり。挨拶すらした事ないのに!このままいったら男性恐怖症になりそうだ。


顔を顰めていたらザイラが迎えにきた。手紙を持ち固まる私を抱きしめるザイラ。


「姉上は心配しなくていい…父上と私がいます」

「うん…ありがとう」

「何のお祝いかは分かりませんが、料理長がご馳走様を用意しているようです。さぁ!行きましょう。父上もお待ちですよ」


ザイラは楽しそうに笑う。使用人達は母様が帰って喜んでいるのが分かり私も笑えて来た。さぁ!美味しいもの食べて早く寝よう。

お読みいただき、ありがとうございます。

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