昨日のケンカから
もしも、この潮風が昨日の僕たちを応援してくれてたら
昨夜から続いているケンカも
ここまで長くは
ならなかったのかもしれないね
ほんの少しの誤解が招いたとしても
キミには僕の言葉すべては
きっと言い訳にしか聞こえず
僕はというと
強引なキミの言葉が耳に入らないでいる
テーブルの上には
ふたりの会話をじっと聞いているかのように
静かにときを待つような二つの携帯
先攻のキミが持ち時間に関係なく
あのときの事実を語りだす
なんとなく後攻になっていた僕は
その事実を丁寧に聞きながら
それは事実ではないことを
キミにうまく伝わるようにと
分かりやすい言葉をひとつひとつ生産していく
もどかしいキミが
僕の生産工場の機械をOFFにしようとする
慌てて僕が止めに入る
昨日、ふたりで過ごした場所の何かが
本当に僕たちを応援してくれたなら
たぶん、これからのケンカも
少しずつ収まるんだと思った
部屋の窓を開けていたから
ときおり入ってくる風に
一瞬だけ、ホッとした
昨日の潮風のようにおだやかな感じで
「勘違いというモノは
けっこうあるものだよ、
キミも早く気づいてほしいな・・」
そんな言葉も
まだキミの前で言えるものでもないな
おだやかな風が
キミの頬をくすぐる