第三話 騎士との遭遇
正月三が日、3話目です。
「うーん。割と近いかなと思ってたんだけど……」
あれから三時間ほど彼方は草原ばかりの大地を東へと向かって歩いているが、依然として街にたどり着いていない。
未だに遠くに見えるあの街がもしかすると蜃気楼か何かなのではと疑う事も数回あった。
実際その通りなら街に行けと言ったあのドラゴンにもう一度会って、クレームのひとつでも言ってやるのになどと、出来もしない妄想にテンションが上がったことも何度かあり、その度に吹き飛ばされた恐怖が蘇る。
そんな益体もない事でいつ魔物に襲われるかもしれないという緊張感から気を紛らわせながら歩いていると、最初は豆粒程の大きさにしか見えなかった街の外壁がようやく地平線と平行に浮かびあがってきた。
「あれ……もしかしてかなり大きい街なのかな」
まだたどり着くには遠すぎる距離に見えるその巨大な外壁を見て、異世界の建造物の規模を舐めていたと彼方は後悔する。それほどに広範囲に連なる街であればかなりの人数が生活している。
通学以外に外に出ることもなく人混みを嫌う性格だった為、学園のクラス程の人数でも精神的にキャパオーバーだった彼方にとって、初めての大規模な集団との迎合に思わず足が竦む。
「うわ……失敗したな。こんな大きな街だと思ってなかったよ」
すでに太陽は頂点から少し傾き、今から他の小規模な街を見つけるには時間が足りない。それに、この辺りにそんな小さな街など見当たらなかった。
「贅沢言ってられないよなあ。せっかくここまで無事に来れたんだし」
ドラゴンが言った通りここまでの道中、彼方の歩みを邪魔する様なトラブルはなく、本当にあのドラゴンが襲来した影響で周囲の危険生物達は鳴りを潜めたようだった。
「それに……早く下着も欲しい」
ドラゴン強襲によって、恐怖のあまり下着に粗相をする羽目になった彼方。もちろん汚物に濡れた下着はとうに脱ぎ捨て草原の柔らかい草で処理を済ませ、流石に下半身を露出したままで歩く趣味はないので素肌にズボンを履くなどの最低限のサニタリーケアは終えている。
「ホント。ズボンが黒っぽい色で助かったよ」
白を基調としたジャケットと違いズボンは黒っぽい色だった為、汚れも目立たず直接履いても透けることがなかったのが彼方にとって唯一の救いだったと言えた。
「それにしても、結局あれは出てこなかったな」
彼方の言う〝あれ〟とは、異世界ではお決まりと言っても過言ではない、あの便利システムの事である。
― ステータスオープン ―
と、唱えるか、念じるかだけで、自身の各能力が事細かく数値化され、空中に投影されるウィンドウに表示されて目の前に現れる例のアレだ。
ドラゴンからの情報により、この世界にもスキルというものの存在がある事を知った彼方は、それらを身に着けた状態を知る方法として、当然ステータス表示がされるものとばかり思っていたが、実際唱えてみても、なんの変化も現れなかった。もちろんステータスウィンドウなど空に浮かぶこともなく。
すでに数時間というこの移動中、ぶつぶつと独り言も増える最中、思いつく限りの呪文を試してみたが、そのどれもが正解ではなく、無駄に大声で〝我の能力を見せよ!〟や、〝いでよ!ステータスウィンドウ!〟などと叫んでみたが、これがもし誰も居ない草原でなかったとしたら、絶対に恥ずか死するところだったと、彼方は顔を赤らめる。
「もう思いつくのがこれしか残ってないし、これがダメなら諦めよう」
語彙力の無さを痛感しながらも最後の望みを掛け、彼方は祈るようにその言葉を唱えた。
「ひっ、ひらけゴマっっっ!」
元世界では一番ベタな、それもウインドウとは関係のないゴマという謎ワードに疑問が残る呪文を唱えてみたが、その期待は唱えた後の静けさにより徒労に終わる。
実際にはゴマが熟して弾ける様から扉が開くイメージと言う意味らしいのだが、そんな雑学など彼方が知る由もなかった。
「うわーダメかあ。しかもゴマってなんなのさ……」
こうして、幻のシステムとなってしまった〝ステータスオープン〟は、彼方の心の片隅にそっと仕舞い込まれていく。
赤面気味の彼方は、この無駄に終わった検証結果に嘆きつつ、歩みを止めて、傍にあったちょうど良いサイズの岩に腰を下ろす。そして一息つくと同時にグウとなる腹の音に気付いた。
「お腹空いた……」
元世界では放課後だったこともあり、昼食からはすでに時間が経っていた。こちらに飛ばされた時、どれだけ気を失っていたのかは定かではないが、夕飯の時間はとうに過ぎているはず。
学園の女子生徒なら、鞄にお菓子などを忍ばせているのだろうが、真面目に登下校しかしなかった彼方に、そんな無駄な常備品など持ち合わせる理由もなく、鞄の中には授業で必要な物しか入っていなかった。
それに旧校舎を探索する際、鞄を入り口に置いたままだったため今の彼方に所持品らしい物は何も無い。
本人の性格なのか、律儀にもこちらの世界にとって過度な文明の象徴となるスマホやその他の貴重品類も全て鞄に入れたままだったので、ほぼ身一つで異世界に来てしまったのだ。
異世界で役で立つ物だったかどうか分からないが、とにかく元世界から何も持たずに転移して来た彼方にとって、街にたどり着くというのは、ここで生き残る上で最も重要なミッションであり、時間の経過は当然の如く生死に関わってくる。
「ドラゴンに襲われて生き残れたのに、空腹で餓死とか笑えないな」
未だたどり着ける距離ではないあの巨大な街に、人混みを気にして躊躇する余裕などないのだ。
「さてと。もう少し頑張って歩こかな」
こんな場所で長居するわけにもいかず、彼方は再び立ち上がろうとした。
その時、腰をかけていた岩から微かな振動を感じる。
「ん?」
一瞬、地震か何かと思ったが、振動が少しずつ大きくなるにつれて、彼方の耳にも音として聞こえてくるようになった。
振動は音に、
音は騒音へ、
騒音はやがて轟音へと変わっていった。
周辺から地響きが鳴り、大地を蹴る様な音と揺れが彼方を包み込む。
「な、何かが近付いて来る!?」
地面ばかりに気を取られていた彼方は慌てて周囲を見渡す。
いた。
誰も居なかったはずの草原の先に、その集団はいたのだ。
金属がかち合う音と共に、馬のような生き物に乗った集団がこちらに向かって来ている。
そして彼方の目に映ったのは、煌びやかな西洋風の全身甲冑に身を包んだ騎士とでも呼ぶべき者達だった。
見るからにどこかに所属している騎士団の様な出で立ちで、数はおよそ二十人ほど。先頭のリーダーと思われる小柄な人物に続き、後列の集団が扇状に編隊を組んで連なって走っている。騎士の隊列など見たことがない彼方でも、統率のとれた甲冑の集団の所作を美しいとさえ思うほどだった。
その端然とした動きに目を奪われそうになる彼方だったが、突然迫ってきた集団に対しての恐怖心の方が勝り、慌ててその場から逃げようとするが、四本脚で走る生物と競争して敵うはずもなくその差を急激に詰められてしまう。
そして扇形の両翼に展開していた騎士達が先頭のリーダーよりも速度を上げたかと思うと、標的を囲うように左右から回り込み、逃げ道を塞ぎながらその周囲を旋回し始める。
あっと言う間に逃走経路を絶たれてしまった彼方はその場に立ち止まるしかなかった。
それを抵抗の意思無しと受け取ったのか、集団の先頭に居たリーダーと思わしき人物が片手を上げると、彼方を囲む他の騎士達もその場に停止する。
それらは彼方を挟んで周囲数メートル程の距離を保ち、馬のような生物が一斉に荒い呼吸を吐きながら、暴れることなく静かに乗り手の指示を待つ姿勢になった。
そして先ほどの先頭を走っていた人物が、馬上から颯爽と地面に降り立った。
「そノ見かけヌ出で立チ……何者ダ? このような危険ナ場所で何をしていタ」
くぐもった声。それに電子音のような感情が排除された声をあげながら、赤い全身甲冑姿の小柄な騎士が彼方に近付いて来る。その体格に似合わないほどの大きめな鉄兜は、先程の奇妙な声が聞こえたのもうなずける程に見た目からして少し気味の悪い造形だ。
顔全体を覆っているせいで素顔の様子は伺えないが、彼方には他の者達よりもはるかに目立つ赤い鎧に身を包んだ不気味な鉄兜の騎士がこの集団の指揮官と見て間違いなさそうに思えた。
「……あ、あうぁ」
そんな騎士の呼びかけにも答える事が出来ない彼方は、目的地から程遠い場所でこれほど早くこの世界の人間に出会うとは思っておらずなんの心の準備も出来ていなかった。しかも持ち前のコミュ症が発動してしまいうわずった言葉にならない声をあげる。
「なにを黙っていル。お前……まさか平原の方かラ歩いて来たのカ?」
指揮官と思わしき騎士は矢継ぎ早に尋問して来るが、緊張で頭が真っ白な彼方は言い訳さえ浮かんで来ず焦る一方だ。
「黙秘するつもりカ? 怪しいナお前」
相手が反応しない事に怪しんだ指揮官騎士が更に彼方に近付くと、ある距離でその歩みを止める。
「ン? ちょっと待テ。お前……」
訝しんでいた指揮官騎士が、そう言って彼方に再度近付く。そして何かを嗅ぐ仕草をした。
「スン。……臭うナ。……お前、もしや漏らしたカ?」
それと同時に彼方を包囲していた集団からドッと盛大な笑い声が起きる。
その蛮声にハッと我に返った彼方は、自分が辱められた事に気付き、赤面する。
「あああ、あの……す、すみません。そ、草原でドラゴンに出会っちゃって……死にかけた時につい粗相を……それで、その……あの……ぁ」
涙目になりながらも、懸命に理由を説明しようとするが、緊張と恥ずかしさで、か細く、今にも消え入りそうな彼方の声は、周囲の騎士達の哄笑に搔き消されて行く。
「鎮まらんカっ!!」
「「――!」」
一向に収まる気配も無かった騎士達の笑い声は彼方の眼前に立つ指揮官騎士の一喝により、水を打ったように静まり返った。
大人しくなった部下達を一瞥すると、指揮官騎士は彼方の方へと向き直り軽く頭を下げる。
「すまなかっタ。私の不手際ダ。お前を辱めるつもりハは無かったのダ」
「あ、いえ。だ……大丈夫です」
素直に自分の軽はずみな言動を詫びる指揮官騎士に恐縮した彼方も、特に問題ないと返す。
「しかし、ドラゴンに会っテ粗相をしタとは……また随分と物騒ナ物言いをするのダな」
「「えっ!?」」
指揮官騎士には先程の小さな反論が聞こえていたのか、彼方が言ったドラゴンと言う部分を強調すると、それを聞いた騎士達が強い反応を示す。
「ド、ドラゴンだと!?」
「あ、あいつ、ドラゴンに遭遇したのか」
「ウソでしょ……」
再び騒ぎ出す騎士達、それぞれが周囲の仲間とドラゴンについて囁きあい、それが徐々に全体へと広がり、次第に声も大きくなり始める。
「黙レと……私は言ったのダが?」
二度目の叱責には、腹の奥底から滲み出るような静かな怒りが含まれ、これが最後通告だと警告しているようにも見えた。
「そレにお前達、先程この男ノ粗相を皆して笑ったガ、この中にタった一人でドラゴンの前に立ち、平常心でイられる者が居れバ名乗り出てみろ」
辛辣な指揮官騎士の言葉に騎士達の表情が曇り、俯く。
それまでの騎士としての自信に満ちた顔には、畏怖する存在への届かぬ実力に臍を噛む思いである事が窺われる。
だが、彼方にはそれよりも気になることがあった。
(この人、僕を庇ってくれたのか)
彼方は自分を嘲笑った騎士達を厳しく律し、己の立場に驕ることなく非礼を詫びたこの指揮官騎士に少なからず好意を持てる感じがした。それと同時に、元世界で彼方の保護者同然だった少女を思い出し、チクリと胸が痛む。
「あ、ありがとうございます」
「礼など不要ダ。しかしお前は本当にドラゴンに遭遇シたのか?」
改めて彼方に問いただす指揮官騎士は、少し疑念を持った声色で彼方を気味の悪い鉄兜越しに見つめる。
「えっと、いや、そう言われても……あ」
鉄兜越しでは暗くて分かりにくいが、指揮官騎士の疑いの眼差しが自分を刺すようなプレッシャーとなり彼方は一瞬戸惑うが、急にある事を思い出した。
「ん、どうしタ?」
「あ、あります! 証拠になりそうな物が……」
訝し気な指揮官騎士の問いかけに、そう言ってジャケットの胸ポケットをごそごそと漁りだす彼方。
その行動に取り囲んだ数名の騎士が反応し、腰の装備に手を掛けるが、それに気付いた指揮官騎士がスッと手を上げて制止する。
ポケットのサイズと同じくらいだったせいか、少し手間取った彼方がようやく取り出した物を差し出すように見せた。
それは、ドラゴンが去った後に見つけて拾った、あの蒼く光る鱗だった。
始めは何を取り出したのかと半ば呆れた風な指揮官騎士だったが、キラリと光る物体の正体に気付くと、先程まで沈着冷静だった指揮官騎士の態度が一変し、鱗の存在に激しく動揺する。
「そ、ソれは……ア、〝蒼い鱗〟!!」
「「蒼い鱗!?」」
それに連動するように、指揮官の〝蒼い鱗〟に反応した周囲の騎士達も一斉にざわつき始めた。
「……おい……蒼ってあれだろ? ミスリル帝だよな?」
「それしかないだろ。蒼の鱗なんて……」
「あの男、ドラゴンに会ったって言ったが、まさか蒼だなんて……」
「冗談じゃない! 蒼なんて伝説級だぞ!? 下位のレッサードラゴンでもめったに遭遇しないのに」
「紅の陽炎だって国家級災害対象なんでしょ? 蒼なんて私たちの手に負えるの?」
「あいつが持ってるの鱗は本物なのか? 〝ミスリル帝〟なんて、100年前に遭遇したって報告を最後に誰も見てないんだぞ?」
各々が自分の知る限りの〝蒼い鱗〟の主について問答を始めだすと、周りは軽いパニック状態に陥り、その光景に驚いた彼方は鱗を出した事を少し後悔する。
「お前ラあぁぁぁぁ!! 何回言わせルのだあああああ!!!!」
〝蒼い鱗〟を見て激しく狼狽した指揮官騎士だったが、何度も命令を無視し、勝手に盛り上がる部下たちの醜態に、それまで冷静に対応してきた自身の方針を覆すかような大声で、周囲の騎士達を恫喝した。
〝蒼の鱗〟の主、〝ミスリル帝〟と呼ばれているあのドラゴンの話題で沸いた騎士達も、流石に指揮官騎士の気迫の籠る一喝を浴びせられたのは気まずかったのか、、思わず口に手を当てて押し黙る。
「あ、あの……すみません僕のせいで」
その指揮官騎士を肩越しに心配そうに眺める彼方も、騒動の原因を作った引け目もあり、おそるおそる謝る。
「はアっ、ハあっ。す、スまない。まだ編成されテ日が短く練度が浅い為、見苦しイ所を見せてしマった。」
「い、いえっ。僕は別に大丈夫です」
脱力気味の指揮官騎士は、彼方にそう言い訳めいた返事を返す。
「確かニその鱗ハあの蒼のミスリル帝の物ダ。お前のドラ……いや、貴殿の勇気ある行動によって得られたミスリル帝発見ノ報告は、我々王国警ら隊ガ承っタ。こレは我が国の大事ゆえ、そレを救った貴殿ニは誠に感謝を申しアげる」
指揮官騎士は先程とは打って変わった態度で感謝の意を示した。それによって彼方は、平原の不審人物から一変して、国家災害級ドラゴンを発見し、無事報告を成し遂げた救国の英雄へと格上げされる。
「お、お役に立てて……よ、良かったです。ハハ」
ドラゴンへの質問によって、人族への干渉はほぼ無いと知っていたのだが、指揮官騎士の冷遇からの優遇に気を良くした彼方は、特に大事がなければ問題ないだろうと思い、素直に礼を受けることにした。
「しかシ、何の装備もセずによく一人でコの〝グラナダ平原〟を歩いてコれたな。貴殿はどこから来たのダ?」
「あ……それは、えっと……」
まさか異世界から転移して来ました。などと正直に言う訳にもいかず、彼方はどう答えるべきかと一瞬迷ったが、実は事前によくあるベタな理由を道中に思いついていた為、一か八かそれを使ってみることにする。
「じ、実はですね。目覚めたらなぜか平野に居たんですが、何故かそれまでの記憶が無いんですよ僕」
困った時のなんとやらではないが、記憶喪失のふりをすれば、大体の面倒ごとはやり過ごせると踏んだ彼方は、元世界でごくたまにニュースなどの話題になる記憶喪失者として振舞う事にした。
「なんト。貴殿は〝黄昏びと〟カ!」
「え……た、たそがれびと?」
しかし、指揮官騎士は彼方に記憶が無いことを知ると、今度は〝黄昏れびと〟などと言う呼称を出し、彼方を困惑させる。
例のドラゴン。ここではミスリル帝と呼ばれる竜が言っていた、異世界から来た人間、〝世渡りびと〟とは違うようだが、彼方を迫害する呼び名の可能性は無視出来ない為、警戒心を持って指揮官騎士に尋ねた。
「な、なんですかその〝黄昏れびと〟って」
「あア、記憶を無くした者を指す呼称ダよ。陽の落チかけた黄昏れ時には辺りガ薄暗くナり、人の顔や姿なドも判断しにくい事があルだろう?そこかラ由来するらしい」
〝黄昏れびと〟の意味を指揮官騎士から説明された彼方は、なるほどと感心すると同時に、〝世渡りびと〟扱いされるよりはマシだなと思うことにした。
― 記憶喪失 ―
異世界ものによくある設定であるが、彼方にはこれでイケるという確信があった。
広い平野をわざわざ〝馬もどき〟で移動しているこの世界の文明レベルなら、記憶喪失者の身元など、そう簡単に割り出す事は不可能であると。それによっていとも簡単に記憶喪失を装うことも可能であるとも。
ただ唯一不安があるとすれば、魔法によって記憶を取り戻すと言った類のものがあった場合だ。
そんな便利な魔法があれば、元から記憶を失っていない彼方にかけられた時、すぐにバレる可能性だってあるかもしれない。しかし、指揮官騎士の言う〝黄昏れびと〟の存在によって、それが杞憂であったことが分かったのだ。
「〝黄昏れびと〟になるとハまた不遇な目にあったナ。しかし無事に生きテ平野を抜けらレた方がヨり幸運だっタと言えるな」
「そう……ですね。まあ幸運だったのかな」
生存する方が楽だと言われた彼方だったが、この異世界に飛ばされた事の不運を思うと素直に喜べないのであった。
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作者のモチベが爆上がりします。