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【未完停止中】彼女が騎士として生きるなら僕は賢者になってキミを守る  作者: 流成 玩斎
第一章 僕がまさかあの現象の対象になるなんて
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第一話 告白と漆黒

新年明けましておめでとうございます。

新しい年の初日に初めて作品を投稿してみました。

元旦のゆったりした時間に読んでいただけると嬉しいです。





「ごめんね」



 結来(ゆら)はるかは、そう伏し目がちに答えた。


 学園一の才女。

 美人で武術にも長け、見た目はすらっとしていて身長は165センチ程。

 出るところはきちんと突出し、そのスタイルの良さはテレビや雑誌で見るようなアイドルタレントにも勝るとも劣らない。


 そのくせ、それを本人が鼻にかけた事は一度もなかった。


 面倒見が良く男女問わず人気があり先輩後輩にも好かれ、日毎に貰うラブレターを困った顔をしながら微笑む慎ましやかな性格。


 光沢のある長い黒髪が風になびく度、すれ違う男子生徒達が惚けた顔で見つめている姿は、まだ彼女が入学して一年も経っていないのにも関わらず、すでに学園内の景色の一つとなっていた。


 そう誰もが口をそろえ評価する、つい先日16歳の誕生日を迎えたばかりの彼女がまた、誰かに謝っている。


 傍から見れば、ほぼ毎日の様に繰り返される彼女への告白に対するお決まりの返事であって、その誰もが、ざまあ!などとフラれた相手の境遇に歓喜するか、あるいはその見慣れた風景に対し早々に無視を決め込みその場から立ち去るであろう光景だが幸いなことに今、この周辺にギャラリーはいない。


 彼女の前には俯き、呆然とその場に立ち尽くす少年、佐々木彼方(ささきかなた)がいた。


 身長は結来はるかよりも少し低く、筋肉とは無縁の体つきのせいか、まだ購入したばかりの真新しい制服は、着ていると言う表現よりも着られていると言った方が正しいだろう。


 素直そうな直毛の髪は男らしい短髪でも、美形に似合う長髪でもなく至って普通の髪型。気になる顔面偏差値の方は、まだ幼さが残るものの可もなく不可もない。これといった特徴もなく少し贔屓目に見てもせいぜい60点が良いところ。

 

 そんなごく普通の彼を知る者――

 いや、()()者ならこう評価するだろう。


 ()()()()()()()()()()()()()()()と。


 そんな普通に満ち溢れる、ただの一般ピープルな少年であっても、

 結来はるかに告白する自由と権利は平等に与えられており、

 我こそはと彼女に群がる身の程知らずな男たちは後を絶たない。


 ただ、もれなく玉砕コースを辿ってもらうのも平等ではあるが。


 そしていつものコースを自動的に選ばされた男たちは、フラれた恥ずかしさを誤魔化すようにワザとらしく頭を掻きながら、そそくさとその場から逃げる様に立ち去るまでが、いつものお決まりのメニューのようだ。


 だが今回の少年は違った。

 コースはすでに終了しているにも関わらず、

 その場から席を立たないのだ。

 悪あがきなのか、それとも執念か。

 目の前でジッと押し黙る少年を物哀しく見つめる少女、

 結来はるかが語りかける。


「別に彼方くんが嫌いって訳じゃないよ。なんて言うか、ほら、私達ってあれじゃない?」


 その言葉に反応した彼方がふと思い返す。


 目の前の愛しい少女と自分自身の関係を――



 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



 佐々木家に長男として生まれた彼方は、両親の仕事(商品を全国のデパート等で実演販売する)の都合で、5歳になるまでは、ほぼ毎月と言っていいほどの転居により全国を転々と移り住んでいた。


 人は生まれて間もなくすれば周囲の会話に耳を傾け、やがて言葉を覚え始める。

 共働きの両親は毎日のように彼方をベビーシッターに預けていた為、

 月替わりで耳にする大人たちの会話には様々な方言が含まれていた。


 その影響により幼き彼方が覚えた言葉は

 全国の方言が絶妙に混ざり合う複雑なものとなり、

 もはや会話の癖による出身地の特定さえもが不可能となっていた。


 そんな珍妙な言葉を話す彼方が成長し、やがて保育園などに通う年頃になれば、

 当然の好機の目に晒されるのは明白であり、

 おかしな言葉遣いをする()()()()()に対し、

 好奇心旺盛な()()()()()たちの取る態度はさまざまであった。


 行く先々で歓迎という名のイジメを受け、

 彼方の両親がテレビ局の通販番組にスカウトされた事により、

 今の土地に落ち着く頃には、彼方はすっかり()()()()()()()()()()

 いわゆるボッチとして完成していた。


 しかし、幼い彼方の言葉使いを問題視した両親の努力により、

 なんとか標準語に近い会話をするほどにまで矯正され、

 小学生になる頃には会話が原因によるイジメはほぼなくなったのだが、

 すでに培われた内向的な性格を直す努力は怠っていたため、

 現状変わらずといった結果に終わってしまう。


 加えて彼の両親がお茶の間で有名になってしまった事も拍車をかけ

 彼方を執拗に嫉妬する者が増え、嫌がらせは悪化の一途をたどり

 それはやがて常習化していく。



 その日も彼方は幼稚園にある砂場の一角で、

 なるべく周囲に干渉されないよう静かに砂あそびに勤しんでいたが、

 そんな幼き彼方に転機が訪れる。


「かなたくん」


 背後から突然話しかけられ驚いた彼方は、怯えながらも後ろを振り向いた。

 そこにいつものイジメっ子の姿は見当たらず、

 それどころか、天使か妖精かとでも見紛う程の美幼女、


 結来はるかが立っていた。


 結来はるかの事を彼方はもちろん知っていた。

 多少の会話をした事もあり園内で圧倒的人気を誇る結来はるかを知らない者などいなかった。その上、彼方を嫌ういじめっ子でさえ密かに彼女に好意を抱いている事も知っていた為、目を付けられる事を恐れた彼方は、身の安全を優先する為に極力結来はるかにも関わらない様にしていた。


 その証拠に現在、結来はるかに話しかけられた事で、件のイジメっ子が砂場から近いブランコに乗って彼方を激しく睨んでいる。


「な、なにかよう?」


 何度か会話した事もあってか、彼方はこの結来はるかに何故か気に入られており、イジメっ子からの被害を危惧する彼方は、その好意に応える事も出来ず極力結来はるかを避けていたのだが、当の本人はそんな事情を知る由もなく、こうやって度々彼方に接触を求めて来た。


「うん。はるか、かなたくんとおはなししたくて。だめ?」


「うぅ……」


 ほかでもない結来はるかのお願いごとに思わず口元が緩みそうになるのを堪えながらも、ブランコの方角から感じる激しいプレッシャーが気になってしまい素直に喜べない彼方に、結来はるかは天使のような笑みを浮かべる。


「はるかね。かなたくんとおはなししてると、いろんなことばがわかってたのしいの」


「あ……」


 まだ標準語の訓練中だった彼方は、一番触れてほしくない部分を無邪気な天使に土足で踏み込まれ、何とも言えない気分で俯く。


「だからはるか、かなたくんとおともだちになりたいのです」


「えっ! とっ、ともだち?」


 睨みを利かせるイジメっ子の手前、なんとか穏便にやり過ごせないかと思案していた彼方だったが、いきなりのフレンド申請に驚き、結来はるかを見上げたまま固まってしまった。


 戸惑う彼方に、結来はるかが再び話しかけようとしたその時、


「オイおまえ!なに、はるかちゃんとなかよくしてんだよっ!」


 結来はるかの言葉に気を取られて気付かなかったせいもあり、

 いつの間にかブランコからここまで近づいていた、

 イジメっ子の登場によって、二人の会話は途切れてしまう。


「あ、ぼくはべつに……」


 反射的に立ち上がり後退る彼方に向かって、

 不機嫌ないじめっ子が砂場の砂を蹴って足に被せて来る。

 そんな地味に陰湿な嫌がらせをする一番苦手な相手に凄まれてしまい、

 彼方はいつものように怯え、何も言えなくなってしまった。


「はるかちゃん! こいつとナニはなしてた? それともこいつにナンかされた?」


 好きな相手にカッコ良いところを見せたいのか、妙に張り切るイジメっ子は、

 気の強そうな顔をほんのりと上気させ、ここぞとばかりに結来はるかに自分をアピールする。


 そんなイジメっ子に対し、キッと綺麗な瞳で睨みつける結来はるか。


「あなたにはかんけいないです。じゃまするならあっちにいって!」


「えっ? は、はるかちゃん……」


 ちょっとした彼女のナイトのつもりだったイジメっ子。

 その自惚れを根元からへし折った結来はるかの態度に愕然とする。


「あ……おれはこいつが……へんなことばではなしてるから、えっと、その……」


 涙目のいじめっ子は、意中の相手から思わぬ反撃を受けたせいで、

 しどろもどろとなり、やがてその感情は結来はるか本人ではなく、

 普段目の敵にしている彼方へと爆発する。


「お、おまえがムカつくからわるいんだよっ!」


 やり場のない気持ちを暴走させたイジメっ子が、

 彼方の胸を強く押したその瞬間、


「だめっ!」


 結来はるかの声が園内に響くと共に、

 彼方を突き飛ばそうとしたイジメっ子は数メートル先へと空を舞うと、

 そのまま砂場へと転がった。


「え、えっ? ぼくじゃな―――」


 いじめっ子の仕返しを恐れたのか、

 脊髄反射の如く自分でせいではないと言いそうになった彼方。

 その言葉を寸前で飲み、いじめっ子ではなく、隣にいる結来はるかへと意識を向ける。

 

 彼方の目に映ったのは、結来はるかが手前に突き出していた可愛い小さな拳、

 いわゆる正拳突きだった。


 その姿に思わず訝しむ彼方だったが、

 結来はるかは自分の口元を両手で隠しながらこう呟く。


「やっちゃった……」


 このセリフを聞いた事で彼方はこれが偶然ではない事を知った。


「ごめんね! カラテのわざをつかっちゃいました……どうしよぉ……」


 時折、可愛げな敬語を混ぜながら慌てていじめっ子に近寄り、

 ペコリと頭を下げる結来はるか。


 一方、ほのかに恋心を抱いていた相手に

 正拳突きで吹っ飛ばされた涙目のいじめっ子は、

 ショックのあまり仰向けになったままの放心状態だ。


 イジメられていた相手とはいえ、その悲哀に満ちたイジメっ子の姿に

 痛々しさを感じずにいられなかった彼方は、心の中でそっと彼に同情する。

 その彼方の手を下手人である結来はるかが突然掴み、そっと耳元でささやく。


「かなたくん、にげちゃお!」


 そして結来はるかは彼方を連れてその場から逃げだした。



 ※  ※  ※  ※  ※  ※



 短い逃避行の末、二人の園児は園舎の裏庭まで落ち延びることに成功する。


「ねぇねぇ。わたしたち、せんせーにおこられちゃうかなあ」


 そう嬉しそうに話す結来はるか。

 その様子はまるでこの騒動を楽しんでいるかのようだ。

 そんな彼女を困惑した面持ちの彼方が逆に尋ねる。


「ゆ、ゆらさん、なんであんなにつよいの?」


 自分とあまり変わらない背丈、

 しかも華奢で可憐な結来はるかが自分よりも発育が良く、

 いかにもワンパクそうなイジメっ子をワンパンで沈めた事に驚きつつも、

 彼方はその秘密が気になってしまう。


「あーえっとね。おうちがどーじょーやってて、おとうさんにならってるの。ほんとはわざとかつかっちゃだめなのに、やくそくやぶっちゃった。ふふっ」


「どーじょー? すごいね!」


 道場と言うパワーワードに思わず興奮する幼稚園男児。

 そんな彼方の様子を見て微笑む結来はるか。


「うん、でもナイショだよ? しーっなんだからね」


 可愛い指先を口元に当て、彼方に口外しないよう念を押す結来はるか。


「わ、わかった。ぼくぜったいだれにもいわないよ!」


 鼻息荒く誓いの言葉を立てる彼方に対し、

 結来はるかはそっと彼方の手を取り、こう囁いた。


「ありがと。かなたくんがナイショにしてくれるなら、はるかがさっきみたいにわるいてきからまもってあげちゃいます」


「えっ、ほ、ホント?」


 結来はるかの言葉は、今までの彼方の環境を一変するものだった。

 常に周りから疎まれやすい体質の彼方にとって、その申し入れは、

 まるで天からの贈り物のように彼方の心を惹きつけた。


「だってわたしたち、もうおともだちだもん」


 そう言って結来はるかが差し出した手を、そっと彼方が握ると、


「これからかなたくんのことは、はるかがぜったいまもってあげる」


「あ、ありが……と」


 その決意を秘めた瞳に間近で見つめられたままの彼方が無意識に呟いた。

 誰も居ない裏庭で約束を交わす二人。


 こうして幼い二人の永遠とも言える契約が交わされた。

 その言葉がこの先の二人を縛り続ける呪いになることも知らずに。



 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



 佐々木彼方と結来はるかが運命的に出会い、

 そして誓いの契約を交わしてから月日は流れた。


 相変わらず彼方への執拗なイジメと嫌がらせは続いていたが、

 結来はるかに守られる事でその頻度は落ち、その度に二人の絆は深まっていく。


 ただ幼少期とは違い、その原因が彼方自身にあるのではなく、

 結来はるかの手厚い保護下にある彼方への嫉妬や妬みが大半であり、

 故に救われると妬まれるという堂々巡りが発生し、

 依然として姫とナイトという関係は逆転したままだった。


 そして入学して間もない学園生活にも少しは慣れてきた頃、

 カナタにとってあるちょっとした事件が起こる。



 ※  ※  ※  ※  ※  ※



 二人が通っている学園は歴史が長く、明治時代にはすでに存在しており、

 現校舎が新築された事でその役目を終えた()()()と呼ばれる木造二階建ての校舎は、学園オーナーの意向により、取り壊される事なく今も現存している。


 しかし、老朽化を理由に立ち入り禁止区域となってからすでに久しく、雑木林に囲まれたその旧校舎は、新校舎のすぐ近くに隣接されているのにも関わらず、多くの生徒達の意識からは忘れ去られていた。


 ただ、一部の生徒達の間では、

 旧校舎についてあるジンクスが語り継がれてる。

 いわゆる()()()()の場所として。



 ― 誰も居ない放課後の旧校舎に入った男女は告白すれば必ず結ばれる ―



 実しやかに語られるそれは、学園では知る人ぞ知る七不思議的な逸話であったが、実際に何人か結ばれたなどと聞けば真実味を増すと言うもの。


 クラスの女子たちの恋バナを偶然耳にしてしまった彼方は、その中で例の旧校舎にまつわる噂を知ってしまう。普通なら皆がスルーするであろう陳腐な迷信でさえ、結来はるかに片思い中の彼方にとっては事件であり、そんな情報を鵜呑みにしてしまう程、今の二人の関係に焦りを感じていた。


 そして迷信を頼りに彼方が自ら行動を起こす日がやって来る。


 放課後、いつも通り下校の誘いに来た結来はるかに、

 彼方は、さり気なく件の旧校舎を探検してみないかと誘う。

 半分は断られるかもしれないと覚悟していたが、

 好奇心旺盛な彼女ならきっと応じてもらえると信じた結果、

 結来はるかの二つ返事によって、計画は次の段階へと進む。



 ※  ※  ※  ※  ※  ※



「彼方くんがこんな冒険しちゃうなんて。ふふっ。めずらしいね」


 告白の事で緊張気味の彼方に結来はるかが笑いかける。


「あー、前に結来さんが興味あるって言ってたし、その……迷惑じゃなかった?」


「ぜーんぜん。彼方くんからのサプライズだもん。大歓迎だよ」


 長い年月を経て老朽化したその校内に足を踏み入れると、カビと混ざり合った古木の匂いが鼻につく。二人は入り口の傍に通学鞄を置き土足のまま、ギシギシと音を立てる廊下を歩いて行った。


 すでに照明などの電気系統は通じておらず、

 窓から射す放課後の柔らかな日差しに照らされた彼女の整った横顔に、

 いつもそれを傍らで見ているはずの彼方も思わず見惚れてしまう。


「あっ、そうだ」


 ふいに結来はるかがこちらを振り向いた。

 その顔に見惚れていた彼方は慌てて目を逸らす。


「彼方くん。最近また私のこと避けてない?」


 少し影になった廊下への入り口に立ち入る途中、

 綺麗で真っ直ぐな瞳をこちらに向けた結来はるかは、

 やや非難めいた表情で彼方を問い詰める。


「えっ、あ、いや、ぼ、僕は普段と変わらないけど、どうして?」


「えーなんか学園でキミから避けられてる気がしまーす!」


 身に覚えがあり過ぎて戸惑う彼方。

 登下校は仕方がないとしても学園での接触は周囲の目もあり、

 結来はるかに負担をかけない為にも、極力彼女を避ける事にしていた。


「き、気のせいだよ……それより、き、旧校舎って、思ってたよりもボロくないんだね」


「あーまた誤魔化した」


 大まかな設備などはすでに撤去されたとはいえ、特に目立ったゴミや埃もないのは定期的に来る業者によるメンテナンスが施されているのだろう。古い木造建築物の割にはシロアリなどの被害もない様子だ。


「この学園のオーナーさんてたしか外国の人だったよね。日本の古い建築物に何か思い入れでもあるのかしら」


 二人は入り口から少し進んだ場所にあるロビーの壁に、なぜか撤去されずに飾られたままの肖像画を見上げた。そこには油絵で描かれた長い金髪の女性がグリーンの瞳でこちらに微笑んでいる。


 シンとした雰囲気のせいか、肖像画と目の合った彼方は思わず身震いをする。


「そ、そうだね。ここまで綺麗に保存してるのは確かに何かあるのかも」


「ホントは旧校舎に入っちゃダメなのに、こういうのはやっぱりワクワクしちゃうね」


「結来さんて割と昔からこういう探検とか修羅場とかになると張り切るタイプだし」


「あはは。修羅場ってなによ~ってあれ? なんか、その言い方だと私がすっごく野蛮な女の子っぽく聞こえるんですけどー。そこ断然抗議しまーす!」


 笑いながら彼方に抗議するフリをする結来はるか。

 そんな彼女の可愛さに思わず笑みがこぼれる彼方。


「ははは。だってあの時もイジメっ子ぶっ飛ばしてニコニコしながら裏庭まで逃げたよね?」


「ひっどーい! ニコニコってキミは何年前の話を蒸し返すつもり~?」


 彼方に向かって、あの時のように軽く正拳突きのポーズを決めながら、

 結来はるかは怒ったフリをする。それに合わせるかのように彼方も笑いながら、

 やられたフリをした。


「でも楽しかったのは認めまーす。ふふっ」


「ヒドイなーあいつ結来さんにぶっ飛ばされた後すっかり大人しくなっちゃったんだよ? まるで人が変わったみたいに」


「世の中のイジメっ子を一人! 改心させた功績に良かったら高評価! それとグッドマークをポチっと! ぜひお願いしまーす」


 某動画配信サイトのお約束を決めながら結来はるかは屈託なく笑う。


「あっ。ポチっとで今思い出したけど、彼方くんのご両親がテレビで絶賛してた美容液! ウチのママが昨日ポチってたよ」


「いつもお買い上げありがとうございます!」


「よいよい」


 結来はるかが話す二人の共通の話題にお決まりの返事を返すのが彼方の一番の楽しみだった。


 彼方の両親が番組で薦める商品を彼女の母親が購入したのがきっかけで、

 いつの間にか始まった二人だけのやり取り。

 そんな共通の話題も彼方にとっては結来はるかを一番近くに感じられる、

 大切な儀式だった。


「うわぁ。床まで木の板だよ? すごいね!」


 白を基調としたブレザーから見え隠れする、

 プリーツ仕様のミニスカートからまっすぐ伸びた脚。

 こげ茶色のローファーのつま先で床板を恐る恐る踏みしめる結来はるかに、

 彼方は足早に近寄った。


「あっ、結来さん。もしかすると床が腐ってるかもしれないし、あんまり体重をかけない方が……」


「ム。彼方くん! 女の子に体重って言葉は禁句なんだよ?」


「えっ! あ~ごめん……」


 お決まりの返事を返す結来はるか。

 そんな彼女に気の利いた事も言えず普通に謝ってしまう彼方。


 本当は彼女に近付いた時に告白をしようと意気込んでいたのだが、危なげに床を踏みしめる彼女に気を取られ告白のタイミングを失ってしまった彼方は軽い自己嫌悪に陥る。


「ねぇ。二階にも上がって見ようよ」


「あ……うん」


 彼女の提案に少し迷ったが、かと言って断る理由もなくギシギシと軋む木の階段を、恐る恐る踏み締めながら彼方は結来はるかと共に二階へと上って行った。


「あっ! 木の隙間から私達の教室が見えるよ」


 上がってすぐの窓際から距離にしておよそ100メートルほど先には新校舎があり、雑木林に囲まれた旧校舎からは、同じく二階にある二人の教室が木々の隙間から辛うじて見えている。


 結来はるかは古びた窓枠に手をかけ雑木林だけの景色を眺めている。その姿をぼうっと眺めたままの彼方が、少し間を置いてから覚悟を決めたように自分の拳を握りしめた。

 

「あ、あの……ゆ、結来さん」

 

「なあに。彼方くん」


 彼方に声をかけられ、雑木林から吹き抜ける風を気持ちよさそうに浴びる結来はるかが、のんびりとした声で返事を返し、首を傾げながら彼方の次の言葉を待っていた。


「あ……い、いや、さ。実はここに誘ったのは……」


 自然体で臨む結来はるかの雰囲気に吞まれつつも、彼方は口にしてしまった以上、止める事の出来ない戦いに挑む。


「……ずっと言いたかった事がぁあって、て、さ」


 しかし、気負い過ぎたせいか、うわずった声が出てしまい更に緊張感が走る。


「彼方……くん」


 結来はるかは、少し驚いた顔をしたが、そのまま黙って彼方を見つめる。


「ぼ、僕はずっとゆ、結来さんにばっか助けられて……情けなくて……で、でも! き、君の事……ずっと……ずっと考えてて! ……あ、いや、何言ってだろ僕……お、おかしいな。ち、ちゃんと昨日考えて……来たんだけどな……はは」


「……」

 

「あっ!……き、君はすごく可愛くて! いつもモテて……このままだと……い、いつか誰かにって……思ってしまって。な、なんとか今の関係……い、以上にならないかなってのも……じ、実は思って……て」


「……」


 彼方の告白に一言も言葉を挟まず、結来はるかは黙ったまま彼方を再び見つめている。


 告白の為に考えて来た台詞を、たどたどしくも全て伝え切った彼方は、結来はるかの顔もまともに見れず、気まずい沈黙の中を立ちつくす。


 言うべき事は全て言い切ったと思った彼方は、何も言わない結来はるかとの沈黙を共有する中、肝心の言葉を伝え忘れている事に気付く。


 その言葉を思い出すと同時に、今まで伝えた想いはただの前振りだったの事を知った彼方は、とたんに上気する顔を手で隠しながら慌てふためいた。


 鼓動は鼓膜を打ち震えさせ、足の先には血流が途絶えたような微かな痺れを伴っていき、指先はずくずくと血を送り込む感覚を覚え、それが単なる恥ずかしさからの現象だと言う結論にたどり着いた時、


 

「ず、ずっと君のコトが……好きでした。ぼ、僕とつ、付き合ってくださ……い」



 それはありきたりで使い古された告白の台詞だった。

 しかし、彼方にとってその言葉はあの幼少の頃から積み上げて来た彼女への想いであり、

 結来はるかに対するまぎれもない真実しか含まれていない素直な気持ちだった。

 自己嫌悪や後悔という葛藤の中、ようやく彼女に想いを伝える事を決意したその顔は、


 とても晴れやかだった。


 そして最後の仕上げとして右手を差し出し頭を下げ、

 その手を握るかどうかの判断を結来はるかの意思にゆだねた。



 

「ごめんね」



 

 その声は彼方の頭上からだった。

 彼方はその想定外だった言葉の意味を反芻(はんすう)し、そして理解した。

 

 自分はフラれたのだ。

 一番近くにいたはずの自分が、彼女に、この場において拒否されたのだ。

 ガクガクと震える足は止めどなく彼方の動揺をあおり、


 どうして?なんで?そんなはずが!と言葉が脳裏をめぐる。

 差し出した右手は誰の手に触れる事も無く宙に浮かび、

 熱くなった心は反比例するかのように冷たく凍り付く。


 終わった。


 すべてが終わったのだと。

 彼方が現実を認めると同時に再び結来はるかの声がした。


「別に彼方くんが嫌いって訳じゃないよ。なんて言うか、ほら、私達ってあれじゃない?」


「……あれって、幼馴染とかって言う意味?」


 ゆっくりと頭をあげ、結来はるかを見上げた彼方。

 努めて明るく振舞おうとする彼女の態度と言葉の意味が理解できずに問いかけると、


「それもあるけど……なんて言ったら良いんだろう。私達はきっと、()()なのかな?って」


「まだ?……そんな……まだじゃ分らないよ……」


 結来はるかの答えにまだ理解が及ばない彼方は途方に暮れる。


「ごめんね! 困るよね! ……こんな説明じゃ……彼方くんに……こんな失礼な言い方しても分かんないよね……」


 どれが失礼だったんだろうか。

 まだと言った事が自分に失礼だったのか、断った事が失礼なのか。

 後者なら喜んで許すのに――


 彼方の心が暴走を始める。


「も、もし僕が、結来さんの言う()()じゃなくなったら……OK貰えるのかな?」


「彼方くん……」


 哀れみにも似た哀しい眼差しで彼方を見つめる結来はるかは少し間を置き、


「うまく表現出来ないけど……ずっとね。彼方くんに隠してきた気持ちがあるんだ……」


「……そ、それって!」


「待って! 彼方くんと一緒に居るのは楽しいよ? それはホント。……でも、彼方くんはあの時から変わらない……全然変わろうとしてない!」


「だ、だってそれは君が――」 


 彼女の言葉を身勝手な発言だと彼方は反発しようとした。

 自分が変われないのはずっと結来はるかに守られていたからだと。


「でもね。みんな少しずつ変わっていけるんだよ……彼方くんだってそう……あんなに反対してた放課後の寄り道だって……出来たじゃない」


「あ……」


 結来はるかの言葉は変われないのを彼女のせいにしようとした彼方の心を深くえぐっていった。居心地の良さを知り、陰キャやボッチなどと周囲からレッテルを貼られようとも気にも留めず、交渉や努力を怠り、惰眠をむさぼるかの様に変化を嫌ったのは自分だ。


 たしかに彼方を周囲から守ってきたのは結来はるかであり、

 あの時最初に守ると約束したのも結来はるかであった。

 そう――


 その結来はるかに彼方の告白(想い)は断られたのだ。

 最初は彼女の言葉に考えさせられる事があったかもしれない。

 しかし結局のところ結来はるかは自分を見捨てたのだ。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 彼方の心の暴走は加速を強め、やがて自暴自棄へと変わっていく。


「でね。やっぱり――」


「もう……」


「えっ?」


「……もういいよ」


「かなた……く……ん?」


「「――!!」」 



 それはなんの予兆もなく起きた。

 ため息をつき、絶望的なこれからの人生を憂う彼方を、そして彼方の言葉に戸惑う結来はるかを、突然地の底から呼び掛ける様な激しい地鳴りが襲いそれと共に木造物が軋みだす。


「地震!」


「キャッ!」


 唸り声の様な歪な音が聞こえたと途端、かつて体験した事のない揺れが二人を襲う。

 耐震設備などに無縁な木造の旧校舎に容赦のない揺れが迫り、すべての窓ガラスを叩き割るとその破片を辺りにぶちまける。


 身体のバランスを奪われながらも、彼方と結来はるかはお互いの安否を確かめ合おうと向き合い、そして寄り添う為にその足を前に出そうとしたその時――


「結来さんっ!」


「彼方くんっ!」


 運命は非情なのか、その一歩を踏み出そうとした彼方の足元一帯を含む数メートル範囲の床板が、まるで落とし穴が作動したかの様に消え去り、彼方は思わず声を上げる。


「うわあああっ!!」


「彼方くんあぶないっっ!!」


 落下の刹那、崩れずに残った床板へとっさに手をかけた彼方の腕を滑り込むように飛びついた結来はるかが両手で掴んだ。

 掴まれた彼方の腕が自重によって限界まで張り詰めた時、結来はるかが叫ぶ。


「彼方くんしっかりして! 今助けるから!」


「――!」


 この様な事態でも自分は彼女に救われないとダメな男なのかと。彼方は依然として揺れ続ける最中、自分の不甲斐なさに絶望する。


「ゆ、結来さん。さすがに君一人で僕を引っ張り上げるのは、む、無理だよ」


「彼方くんっ、諦めちゃダメっ!」


 先程よりは揺れが収まりはしたが依然として危機的状況からは脱していない中、徐々に冷静さを取り戻した彼方はたった今浮かんだ事を、その細腕にすべての力を込めて彼方を引っ張り上げようとする結来はるかに伝える。


「聞いて結来さん。たぶん一階までこのまま落ちてもそれ程危険じゃないと思うんだ。だからその手を離してくれたら……あ、足は痛いだろうけど……さ。きっと大丈夫だよ」


「ダメっ!」


「ゆ、結来さん?」


 より一層、掴んだ手に力を込めて、結来はるかは彼方の提案を拒んだ。


「――だから……」


「え、なんて?」


「そういうとこもだから!」


「なっ、なにを……」


「名前!」


「な、名前?」


「私だけ……彼方くんて……」


「えっ? そ、それって今言う――」


「ずっと他人行儀だし、たまに何考えてるか分かんないし……」


「ゆ、結来さん……」


 それはこの後自分たちの身に起きる何かを予感していたのか、この期に及んで今までの不満をぶつけてくる結来はるか。やがて彼女の視線は、見つめ続ける彼方の後方にある別の何かを捉えてしまう。


「えっ……な……んで? そ、そんな地面が……」


 結来はるかの表情が一変し、何かに怯えた顔になった。


「地面?」


「か、彼方くんは見なくて良いからっ!!」


 彼女の言葉が気になり下を向く彼方。慌てて結来はるかがそれを制しようとするが間に合わなかった。


「うわああ!! なっ、なに?あれ……」


 そこに地面など存在しなかった。

 一階に散乱しているはずの抜け落ちた床板の残骸はなく、

 光さえ通らない()()()()()がそこにあった。


「や、ヤバいもの見ちゃった……」


「だから言ったのに!」


 余裕ぶっていた数秒前とは違い絶体絶命の危機感が彼方の心臓の鼓動を早める。

 漆黒の空間が徐々に彼方の体を引き寄せ始めたからだ。

 まだそれに気付いていない結来はるかは自分を助けようと必死になっている。

 このままだと自分はおろか傍にいる結来はるかさえもあの空間に飲み込まれる可能性もある。

 

 彼方は決心した。


「……結来さん、落ち着いて話を聞いて」


「彼方くん! すぐに助けてあげるから頑張って!」


「いや、このままだと結来さんも危険なんだ」


「や!」


「結来さん……」


 子供のように拒む彼女に驚く彼方。

 彼女のその眼差しが潤んでいるのは、すでにこの状況が絶望的だと理解したからだろう。


 しかし彼方の気持ちは変わらない。


「僕は大丈夫だから……僕にまだ掴まってられるうちに誰か助けを呼んで来て欲しいんだ」


「ダメっ! そんなの彼方くんが……私が……私が何とか――」


「いいから聞けっ!」


「――!」


 初めて彼女に、いや、他人に対して声を荒げたせいで胸の奥が軽く締め付けられたが構わず彼方は話を続ける。


「このままだと二人ともチカラ尽きてしまう。だからまだ体力の残ってる結来さんに動いてもらいたいんだ」


「でも……」


「まだあと数分は大丈夫だから。でも流石に数十分は勘弁してね。ははは」


「……」


 未だ不安げな彼女に無理やり笑顔で軽口を叩いて見せる彼方。


 少しの沈黙のあと、ようやく結来はるかが頷いた。


「……分かった。絶対……絶対助けに戻って来るから」


 そう言うと力一杯掴んでいた手を離しその場を立ち上がった結来はるか。


 そして彼方の顔を見つめながらゆっくりと後ろに下がった時――



「あ」


「彼方くんっ!!」



 それは一瞬の出来事だった。

 彼方が掴んでいた床板が消え去り

 それと同時に佐々木彼方は漆黒の闇に落ちていく。

 再び襲った激しい振動が二人の間を永遠に引き裂いた。


「いやあああああああああああああああああああ!!」


 結来はるかは絶叫し、とっさに手を伸ばす。

 しかし彼方にその救いの手が届くことはなかった。

 空を掴み半狂乱の愛しい彼女の姿を

 佐々木彼方は何故か落ち着いた気持ちで見つめていた。

 漆黒の空間に飲み込まれる絶望の最中。

 彼方の目にはその光景が美しいスローモーションのように映っていた。



 最期に見る彼女の姿を。


 涙でぐしゃぐしゃになった綺麗な瞳を。


 必死に叫ぶ苦悩に歪んだ美しい顔を。


 その尊き彼女のすべてを。


 彼方は多幸感に包まれたまま見つめていた。


 自分を。


 漆黒に消えゆく最期の自分の姿だけを。


 ただ真っ直ぐに見つめ続ける愛しい人の顔を。


 そして徐々にその仄暗いモヤが身体を覆う中、



「僕は最後に彼女を……結来はるかを守れたのかな」



 そう呟きながら目を閉じた。



※  ※  ※  ※  ※  ※



 何故か草の匂いがする。


 あれから気を失ったのか、彼方はゆっくりと覚醒していく微睡(まどろ)む意識の中で、おそらくうつぶせになっている状態の身体にどこも損傷はないかと神経を巡らせる。幸い痛みは無い様だ。そして肝心な事に気付く。


(あれ? 生きてる……確か僕は二階からあの黒いナニかに落ちたんだよな)


 意識が戻るにつれて記憶が断片的に蘇り、終わったと思った最後が普通に無事だった事とあの時過った感情の一つ一つを思い出してしまい若干の気恥ずかしさを感じつつ結局あの漆黒の闇は何だったんだろうかなどと、徐々に目覚めていく感覚に逆らわずに彼方は暗闇の中でそんな事を考える。



 何故か土の香りがする。


 やがて鼻にかかる草の葉のこそばゆさや土の香りや温かさを感じ取れる様になると同時に、彼方はようやく暗闇から意識を解放された。


 まだ起き上がると頭がフラつくが、目覚めると共に光が悪戯に目を刺激する中、薄っすらと入る視界からの情報を目の当たりにした彼方は驚愕する。



「どこ!?」



 そこには広大な草原が存在していた。

 遥か向こうまで続くその草原は、彼方の記憶にはない場所だ。

 目覚める前、おぼろげに草や土の匂いを感じた時点でここが病院や保健室ではないと思っていたが、まさか大草原の中で眠っていたとは思いもよらなかった。


「が、学園じゃ……ない? てか、そもそもなんでこんな場所に……結来さんは? それに地震はどうなったんだ?」


 この昏迷乱擾(こんめいらんじょう)とした状況に頭を抱えつつ彼方は改めて辺りを見渡す。


 ある方向には秀麗な山々が並び立ちその手前には大きな湖が見える。その真逆の方向には人が生活していると思われる街がうっすらと確認出来た。


「これって夢じゃないよな……さっき目が覚めた感覚は現実っぽかったし。けどなんでこんな――」


 その瞬間、彼方の遥か頭上をナニかが横切る轟音と共に草原と彼方の周囲を暗い影が通り過ぎた。


「ん?」


 その一瞬に彼方は違和感を感じたが、飛行機か何かが低空で真上を通過したのだろうと特に疑いもせず空を見上げた。


 頭上に広がる青空の向こうに、彼方は先程自分の真上を通り過ぎたであろう物体を発見する。


「なんだろ……鳥かな」


 しかし、鳥にしては大き過ぎる上に先程の轟音も説明がつかない。

 目を凝らしその物体の正体を確かめようとすると、やがてその飛行物体がこちらへと折り返しようやく正面を向いた姿を見て彼方は己の目を疑った。


 輝く蒼い鱗が太陽を反射し明らかに鳥とは異なる翼を広げ、正面から見れば否応にもその存在に気付くであろう鋭く尖った牙を持った眼光の鋭い空想上の生物がそこあったからだ。


「なっ! ド、ドラゴン!?」


 その時、彼方は初めて理解した。


 自分が現実とは異なる世界、


 異世界に飛ばされたことを。



ここまでお読みいただきありがとうございます。


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