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【未完停止中】彼女が騎士として生きるなら僕は賢者になってキミを守る  作者: 流成 玩斎
第一章 僕がまさかあの現象の対象になるなんて
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第十五話 胸と料理とオーガとゴブリン




「んじゃ仕切り直しで乾杯だ」




 そう言うとガンツは、並々とエールの入ったジョッキをすでに頭上まで掲げており、カナタ達に後に続けと顎をクイっと上げると、それに促された他の三人も同じように持っていたグラスを中央に向けた。

 


「かんぱーい!!」



 彼方の注文した水は生温く、いつでも冷えた飲料水が飲めた元世界の事を考えると、改めてここは異世界なのだと実感する。


「ぷはぁーーーうめぇ!」


 真っ先に自分のエールを飲んだガンツが至福の一言を漏らす。


「もう、オヤジくさいなあ」


 そんなガンツにボニータが野次を飛ばす。

 

「うっせー上官だなあ、嬢ちゃんは」


「そうですよボニータ隊長。すでに勤務は終わっております。今はプライベートの時間であって仕事上の立場は関係ないのですよ。それに貴女は目上の方をもっと敬うべきです」


 どの口がそれを言うのかと彼方は思ったが、

 師匠に代わり毅然とした態度でボニータを嗜める弟子のベルタ。


 カナタは三人の和気あいあいとした雰囲気を眺めながら、水をちびりと飲む。


「カナタくーん。そこで和んでないでアタシを助けてよー凸凹師弟がイジメるんだってばー」


「「凸凹師弟って呼ぶな(ばないでください)!!」」


 普段から揶揄いついでに呼ばれているのか、仲良くハモった師弟コンビがボニータを糾弾する。


 見れば長身のガンツにチビのベルタ。凸凹師弟という表現はあながち間違いではあるまいとカナタはついほくそ笑む。


「「そこ、笑うな!」」


 カナタの顔がニヤけたのを見逃さずに、すかさず突っ込む息の合った師弟。余程その呼び名が気に食わないのだろう、聞き耳を立てていた周りの客からの失笑にも野犬のように噛み付く勢いで睨み返している。


「リンドベリーの凸凹師弟って言えば有名だもんね。仕方ないや」


「嬢ちゃんが付けたあだ名だろうがっ!」


「あれ、そだっけ?」


「ったく、毎回嬢ちゃんがその名前で俺達を呼ぶもんだから、この酒場だけじゃなく街でも呼ばれるようになったんだぞ。おかげですっかりイロモノコンビだと思われちまったじゃねーか」


「良いじゃん中身はイロモノなんだし」


「だーれがイロモノだっ!」


「そうですよボニータ隊長、あの集団も目的は物取りだったとはいえ、最初は凸凹師弟ってからかわれたのが始まりだったんですから」


「そ、そうなの!? そっ、それはその……ごめんなさい……」


「なんでチビ弟子には謝って、俺にはないんだ?嬢ちゃんよ」


「だって、おっさんは別腹だし」


「なんだよそれわっっ!!」


 まるでデザートの様にしれっと別物扱いをするボニータにテーブルを叩いて憤慨するガンツ。一見、一悶着が起こりそうだが特に険悪な雰囲気は無い。

 おそらくいつもの戯れ合いなのだろうと察したカナタは特に気を揉むこともなく三人の会話を隣で聞いていたが、


「で、お前はさっきからなんで我関せずな雰囲気で水ばっか飲んでるわけ?」


「ええっ? なんで僕に!?」


「いーからガキは黙って()()()の逃げ道を受け入れろ」


「大人様って、そんな理不尽な」


「うっせ!自慢じゃねーが、口喧嘩で嬢ちゃんに勝つ自信はねぇ」


「だからボニータさんにいつもからかわいひゃひゃい!!」


 セリフの最後を言い終わる前にカナタの口はガンツによって左右に引っ張られる。


「このクチかっ! いたいけなガンツさんを蔑む悪いおクチはっ!!」


 涙目になるカナタに覆い被さる様にガンツの執拗な折檻が続く。

 辛うじて開いたカナタの目には自分の頬を引っ張るニヤけたガンツが映ったが、突如として灯が消えた様にガンツや自分の周辺が闇に包まれるのを感じる。



「――っ!!」




「ん?」




 それはまるでオーガの如き巨大な人影だった。


 くだらない戯れ合いを続けていたガンツもその影を察したのか、カナタの頬から手を離し後ろを振り向くと、にゅっと差し出された何かが彼の目前に現れる。



「…………ご、ご注文の……〝夜泣き豚のトマト煮込み〟………だ。……です……」



 酒場の天井に届きそうな足の長い巨漢の男が、

 胸にかわいい猫のようなアップリケの付いたエプロンを身にまとい、

 訥々(とつとつ)とした口調で、木皿の上に乗った黒い鉄鍋の中に湯気立つほどに煮込まれた色とりどりの野菜と唐揚げ風に揚げられた酢豚のような豚肉が赤いトマトソースに絡み合う見るからに食欲のそそる料理を差し出した。


「――相変わらずデカい図体の割にちっせぇ声だな……マフィタ」


「……」


 自らマフィタと呼んだその筋肉質な巨漢に睨みを効かすガンツが、見た目ですでに負けそうなほど体格差のある相手へと憎まれ口を叩くが相手は黙ったままだった。


「しかし珍しいな。ダッヂ亭のマスター自らが客に給仕なんてよぉ……俺はシルビアちゃんを期待して待ってたんだけどな」


「……店が……混んで来て……仕方なく……すまん……ません」


「その言い慣れない後付けの敬語はやめろっ!ややこしいわっ」


「……ごゆっくり」


 ガンツのちょっかいにも反応を見せないマフィタは、持っていた料理をカナタ達のテーブルに置き、すっと踵を返すと足早に厨房へと戻って行った。


「……ふわぁぁぁ」


「ホント、愛想のない奴だなアイツは」


 元世界では見たこともない巨体を目にし、すっかり放心状態のカナタ。

 隣では場の雰囲気を乱されたガンツがマフィタのノリの悪さを非難している。


「うんうんこれこれ♪これを待ってたの!」


 そんな空気を物ともせず、夜中に鳴かれるとずいぶんと迷惑な名前の、〝夜泣き豚のトマト煮込み〟に歓喜するボニータ。傍には既にフォークと小皿を持つベルタが目の前の料理に手を出していた。


 マフィタが手にしていた時点ではそれほど大きくは見えなかったのだが、テーブルに置かれた料理は非常に大きくテーブルの中央を独占する程だ。


「おいガキ。いつまで呆けてんだ?」


 未だ、さっきの衝動が頭から抜けていないカナタをガンツが訝しがる。


「オーガかと思った……」


「あん? ガキはオーガ見たことあんのか?」


「いや……知識だけで……」


「まあ見た事ないから分かんねぇだろうが……」


「?」


「オーガの方がマフィタよりちっせぇから」




 ※  ※  ※  ※  ※  ※ 




 最初の料理がカナタ達によってようやく片付けられた頃、

 彼方がふと気になっていたことをガンツに尋ねる。


「そう言えばガンツさんだけ、なんでボニータさんを嬢ちゃんて呼んでるんですか?」


「ああ。嬢ちゃんの親父が俺の師匠なんで産まれた頃から知ってんのさ」


「今朝聞いたアーヴェインて方ですか?」


「そうだ。俺が嬢ちゃんくらいの頃に従者になったから、かれこれうん十年になるな」


「そっか! 師匠の娘さんだから嬢ちゃんて呼んでるんですね」


 どんどん話を進めるガンツに頷くカナタだったが、ふと勝手に自分の話をされているボニータの方を見ると、赤い顔でテーブルに頬杖をついたまま明後日の方角を向いている。



「まあそれもあるが、実は嬢ちゃんは騎士団に入る前はバリッバリのお嬢様だったんでな。その時の呼び名が定着しちまったんだよ」


「お、お嬢様……」


「今でこそ、隊長だなんだって言ってるが、カレルに聞いたら入った当初は人見知りでずっと騎士団の連中の後ろを離れてついて来る有り様だったらしいわ」


「もおぉぉぉぉ! そこまでにしてっ! 恥ずかしいんだからっ」


「あはは。初々しかったんですね。ボニータさん」


 そこまで恥ずかしがる要素はないと思えたが、過去の自分を晒される事に抵抗があるのか、ボニータは必要以上に昔話を嫌がった。


「赤ん坊だった嬢ちゃんの粗相も俺が着替えさせた事だってあるんだぜ」


「えっ!」


「はわわわわわわっっっ!!」


 ガンツの爆弾発言により、先程よりも顔を真っ赤にしたボニータが思わず席を立つ。


「ニシシ。あの頃の嬢ちゃんは可愛かったなあ」


 したり顔のガンツは切り札でも出したかのように踏ん反り返りながら、斜め向かいで真っ赤な顔のボニータを一瞥した。


「ち、ちょっとおっさん! そ、それは初耳よっ? な、なんで今になって……」


「そりゃあ新入りのガキに歓迎サービスさ」


「ええっ!?」


「新入りのガキにかんぱ~い!」


「ちょっとガン――」


 悪ノリは度を増し、ひとりジョッキを掲げるガンツ。


 責任転嫁されたカナタが、ガンツに抗議しようとした瞬間、


「あらあら~? 女の子のそんな過去をベラベラしゃべっちゃうんですね~ガンツさん」


「「!?」」


 突然背後からガンツを非難する声がし、驚いた全員がそちらを見るとシルビアが少し呆れた顔で立っていた。


「シ、シルビアちゃん……聞いてたの?」 


「はい。ちゃ~んと聞いてましたよぉ」


 非難の目で見つめるシルビアが自慢の胸を強調しながらガンツに詰め寄ると、思わずそこに目を奪われてしまいそうになるガンツが慌てて彼女に弁解をしようとする。


「あ、いや、違うんだ。これはカナタのガキが――」


「あら、人のせいにしちゃうなんて。ガンツさんてそんな人だったんですねぇ~」


 しどろもどろになるガンツは、この期に及んでまだカナタのせいにしようとしたがシルビアには通用せずやんわりと嗜められる。


「あ、う……」


「ボニータちゃんに謝って下さい。ガンツさん」


「シル……」


 突然現れたシルビアのボニータを擁護する姿勢に何も反論出来ないガンツ。そして席を立ったままのボニータも普段の愛称なのか、彼女を少し潤んだ目で見つめながらシルと呟く。


「す、すまん嬢ちゃん……」


「はあい。よく出来ました」


 お気に入りのシルビアの一声に観念したのか、素直に謝るガンツ。

 事態解決の功労者であるシルビアがまるで子供を褒めるかのようにガンツを褒める。


「ありがと。シル……」


 ボニータが礼を言うとシルビアはウインクで応える。


「ではお待たせしました、ご注文の〝辛口平野芋の山盛り〟で~す」


 そう言ってシルビアは次の料理をテーブルに置くと、空いた最初の皿を銀のトレイに乗せて厨房へと戻っていった。


 しばらく四人の居る場はシンとなったが、やがて周りの喧騒に混じり合う様にそれぞれがぽつりぽつりと会話を始める。


「まいったな……シルビアちゃんに聞かれてたとは」


 先に口火を切ったガンツが先程の失態を悔やむ。


「シルビアさんて良い人ですね」


 それに次いでカナタがシルビアの評価をボニータに向かって述べた。


「うん。普段は言い合っちゃう事もあるけど、ああやってアタシが困ってると助けてくれるの」


 少し照れくさいのか、カナタに目を合わさずにシルビアとの仲を語るボニータ。


「師匠に謝罪を求めるとは……なんて傲慢な女給……」


 話の流れを理解しているはずでも尚、ブレないベルタがぶつぶつとボヤいている。


「それに……良い店ですね」


 周囲の客が楽しそうに盛り上がっているのを見ながら、カナタが挑戦者達のダッヂ亭を素直にそう評価する。


「そりゃありがとね」


「うわっ!」


 シルビアが去った直後で油断をしていたのか、再び背後から声をかけられたカナタが思わず叫ぶ。


「あらごめんよ。驚かせちゃったみたいだね」


 カナタが後ろを振り返ると、そこには茶色い髪をざっくりと後ろに束ねたふくよかな女性が笑みを浮かべて立っていた。


「シータママっ!」


「ボニータちゃん。いらっしゃい」


 カナタの後ろに立つ女性に一早く気付いたボニータが、嬉しそうに名前を呼んで駆け寄るとそのまま彼女の胸へと飛び込んでいく。そしてシータと呼ばれた女性もボニータを受け止めながらその優しい笑みを自分の胸にうずくまる少女へと向ける。


「カナタくん。彼女はシータさんて言って、この店の女将さんよ」


「は、初めまして。カナタと言います」


 この店の特徴なのか、この店の女将であるシータも先程のシルビア以上に胸の起伏が激しく、その胸に飛び込んだボニータの顔がほとんど隠れてしまう程だった。


 そんな上機嫌のボニータにこの店の女将シータを紹介され、カナタも慌てて席を立ち、シータに一礼をする。


「ふふっ。騎士団の新入りさんかい? 随分と礼儀正しい子だねぇ。」


「い、いえ」


 包容力のある笑みを浮かべ自分を褒めるシータに、褒められる事に不慣れなカナタは思わず恐縮してしまう。


「こらガンツ!アンタのとこに配属されたんなら()()()()()()の面倒ちゃんと見るんだよ!」


「うっせ! お前はいっつも俺に命令口調だなシータ」


「そりゃあ、かつての部下なんだから仕方ないさ」


「いやその前に俺たち幼馴染だろっ!」


「アンタは昔からだらしないんだ。あたしが舵取りしないと騎士団ではみ出し者のままだったんだ。少しは感謝してほしいくらいさ」


「ケッ。忙しいんだろ? いつまでも油売ってんじゃねーよ」


 ガンツの敵わない相手はシルビアだけではなかったようだ。

 たまらずシータをこの場から退けようとする。


「えっ!騎士団の方だったんですか!?」


 シータとガンツの会話を聞いていたカナタが目の前の温厚そうなシータが騎士団にいたことを知り驚く。


「ああ昔の事さ。ウチの旦那とあたしとこいつは元々騎士団の同期でね。昔馴染みなんさ」


「シータママはアタシの憧れの隊長だったんだよ」


 カナタ達の会話にボニータが話を添える。


「アタシがまだ騎士団に入る前に帝国との戦争があってね。その時にシータママが率いる〝シータ鉄騎隊〟が大活躍して帝国を退けたんだよ!」


「ケッ。ま~たその話かよぉ……」


 キラキラした目でシータを見つめるボニータがシータの英雄譚を語りだすと、何度も聞かされたのかガンツがまたかと言った風に呆れだす。


「帝国と戦争……ですか」


 平和な日本で暮らしていたカナタにとって、戦争と言うワードは多少の不安をもたらすのか無意識に声のトーンが下がる。


「もうずいぶん前のことさ。あの時はあたしらも必死だったからねぇ。ガンツも死にかけたし」


「死にかけたのは俺じゃねぇ。お前の旦那だろっ!」


「あらそうだったかい? 昔の事だから忘れちまったさ」


「ちっ。都合の悪い時だけ忘れたフリしやがって」


「カナタくん。シータママはね。騎士団に入って一年で隊長になっちゃうくらいすごかったんだよ」


「一年で……す、すごいですね」

 

 朴訥(ぼくとつ)なマフィタを差し置いてこの大所帯の酒場を切り盛りしているシータなら可能な事なのだろう。カナタはシータの有能さを知り、見た目だけで判断していた自分を恥じる。


「ボニータちゃんだって二年で隊長さんじゃないか♪それだってすごいさ。こんなに小さ――」


「シータママに小さいって言われた……」


「おっと! ボニータちゃんごめんよ。つい……」


 自分の失言に気付いたシータがその胸に拗ねるボニータをぎゅっと抱きかかえると、またもその頭部が柔らかいものに埋もれていく。

 二度もその光景を目にしたカナタが目のやり場に困り、顔を赤くする。


「んぎゅ……ママだから許す……」


 ボニータにとってシータは特別な存在なのだろう。彼女が謝るとその胸で溺れそうになっているボニータはすぐに機嫌を直した。


「おいシータ。もう気が済んだだろう。いい加減あっち行け、あっち」


「うるさい男だねぇアンタは。あたしだって少しは息抜きぐらいしたいんさ。毎日サボってるアンタと違ってさ」


「お前がいるとこっちの調子が狂っちまうんだよ!」


 やはり彼女が苦手なのか、ガンツが執拗にこの場からの退場を求めると、シータは平然とそれをかわし、逆に中年男の本音を引き出す。


「あたしを邪険にするところを見ると、アンタまたボニータちゃんにアーヴェイン様への仕返しをしてんだろ」


「あっ!このバカ!!」


「「仕返し?」」


 呆れた様子でガンツに語りかけるシータの言葉に、聞き捨てならない部分があった事でボニータを始めとする他のメンバーが一斉に声を揃えた。


「いやね。こいつは昔から器の小さい奴で、若い頃に師匠のアーヴェイン様からキツくしごかれたのをずーっと根に持っててね。本人に仕返し出来無いもんだから、娘のボニータちゃんで発散してんのさ」




「「はああああ!?」」




 シータから衝撃の真実を聞き、ボニータとカナタが同時に声をあげる。

 その傍らで尊敬する師の情けない性根を知ったベルタはショックのせいか沈黙したままだ。


「……し、師匠!」


 そして流石にこの件は看過出来なかったのか、師匠に盲信しているベルタが苦痛に満ちた声を漏らす。


「ぐぬぬ……シータ……てめえ……余計な……」


「ざまあないね。自業自得ってもんさ」


 四面楚歌状態のガンツがシータを睨むが、それに対し冷たい言葉を投げかける彼女の表情は先程まで周囲に振り撒いていた笑顔とは程遠いものだ。


「ここまでおっさんがクズだったなんて……」


「せっかく少しだけ尊敬したのに……」


「うっせぇな! 別に良いだろう? 父親には歯が立たないんだから娘に仕返ししたって……ってか、おいガキっ! なんだよ少しだけっ痛ってぇ!!!」


 目の前の器の小さい中年親父に対しボニータとカナタは失望していた。追い詰められた本人は開き直り尚も醜態を晒すが、即座にシータの鉄槌がその頭上に下る。




「ほんっと、アンタは昔っからダメな奴だねぇ。うちの旦那がオーガならそんなアンタはゴブリン以下だよ」





「ご……ゴブリン……以下……」




 シータのよく通る声は十分周囲に聞き届いたのだろう。ガンツがガックリと肩を落とすと同時に酒場にはそれを酒の肴にして大いに盛り上がる客たちの歓声が響いていた。


 

ここまでお読みいただきありがとうございます。


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作者のモチベが爆上がりし明日も頑張ろうって気になります。

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