妹いじめの罪で婚約破棄され辺境送りになりました。姉です。なぜか魔法使いに弟子入りして見習いをやってますがそこに妹がやってきたのですが
『リーズロッテ、お前は妹のミザリアをいじめたそうだな! その罪により婚約破棄する。僕は真実の愛の相手のミザリアと婚約する!』
私は数年前の悪夢を思い出していました。
婚約破棄をした相手は実は王太子殿下、そして真実の愛の相手は妹のミザリアでした。
「手が動いてないけど、リーズ」
「すみません、お師匠様」
「まあいいけど婚約破棄って今はやりらしいけど…」
お師匠様って結構性格が悪いというか私のこのトラウマを割とつついてくるのです。
私は大鍋に薬草を入れながらふうとため息をつきました。私がいつも妹にいじめられてたんですがね。大切なものをとられ、時には貸してほしいと勝手にもっていかれて…。両親は姉だからゆるしておやりしか言わないし。
「リーズ、辺境行きになった君を拾ってあげたのは誰?」
「お師匠様です」
「そうだろ、ならその恩を返しなさい。ぼんやりはやめて」
ああ、辺境行きの馬車が盗賊に襲われ、通りかかったお師匠様に助けられたのはいいのですが。
命を助けてくれたお礼をっていうと、じゃあ助手になってといわれ今に至る。
お師匠様は白い髪に紅の瞳、年齢不詳の美貌の持ち主。
しかし見た限りは絶対に男に見えないというか…美女。
「…何を考えているんだいリーズ」
「どう見ても女みたいだなって」
「どう見たって男でしょ!」
「はあ」
私が依頼者が来ますよというと、誰かなと聞いてくるお師匠。それくらい確認しろよ!
「…え? これって」
「あー、僕が対応するから奥の部屋にいてよリーズ」
「ごめんなさい」
私が名前をきちんと見てなかったのが悪かったです。
私は大鍋の火を消して、そして蓋をしました。
そろそろ依頼人がやってきます慌てて奥の部屋に入りました。
「この嘘つき魔法使い、ひどいわよ。効力が数年で切れるとか聞いてない!」
「ミザリア様、あなたがお聞きにならなかったからです」
大声が隣の部屋から聞こえてくる。そう依頼人は私の妹であり、今は王妃のミザリアでした。
だから隠れたんですが。
「…惚れ薬の効力が切れて私離婚されそうなんですけど、もう一度作って!」
「一度だけのお約束でしたから出来かねます」
お師匠様がびしっと断りました。ああでも惚れ薬のせいだったのですか真実の愛とやらに生きるとなったのは…。
がたんごとんという音が聞こえて…。
「リーズ、もういいですよ」
「え? お師匠様ミザリアは?」
「契約違反で転移陣を使って返しました。魔法ギルドに」
「はあ」
「一応ギルドを通しての依頼だったので、規定違反で処分をしてもらうことにしたよ」
しかしお師匠様、あの妹の依頼を受けていたなんて言ってなかった。ひどいと泣けてきました。
私が泣くとごめんごめんと頭をなでるお師匠様。
「ごめん君が来る前の依頼だったし、依頼のせいで君がひどいめにあうのがわかってだから助けに…」
「あー、助けに来たのも計算のうちですか! そこまで助手が欲しかったのですか!」
「違うって!」
お師匠様が頭をかきます。いや悪いなって思ったから助けて…泣かれたからと言い訳するお師匠様。
でも助けてくれたのは確かだし、依頼は確かに受けないとペナルティが下りますし。
「…ミザリアはどうなるのですか?」
「一度しか薬を作らないという約束破りに魔法使いに強制的に魔法を使わせようとした罪、あとは暴言暴力がプラスで百年位結界行きかな?」
「え?」
「どこまで正気でいられるかなあ、魔法使いを馬鹿にするからだよ」
クスクスと笑うお師匠様、怖いい怖いですわ。
「それに君を馬鹿にしたあいつが許せない」
「え?」
「……助手か、いやもう逃がさないからね」
「え?」
「君にひどいことをした元婚約者にも復讐をまた考えようね」
クスクスとまた笑うお師匠様、いや確かに私お師匠様の事嫌いじゃないですけどお、あう手を引っ張って私を抱きしめて…そんなこと!
私はやばい人に囚われたことを今自覚したのでした…。
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