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星の降る山と元パーティーメンバー

2話目。明日もがんばります。

「今日はここに行ってみたいんだけどどうかな?」


 カノが旅行雑誌のとある1ページを指差して聞いてくる。カノが行き先の希望を言うことは珍しい。


「いいよ。なんていう場所なんだ?」

「星の降る山スターゲイザーって書いてあるね」

「スターゲイザーって確か」

「そう! 私達一度何かの依頼で訪れたことがあるんだよ! その時は曇っていて星なんて見れなかったけど......」

「今回も晴れるかはわからないけど行ってみるか」



 ◇



 スターゲイザーに到着した俺とカノは早速夜に向けて登山を開始した。星は山の上の方が綺麗に見えるという地元の人からの情報を貰ったからだ。



「にしても高い山だね....。ボクちょっと疲れてきちゃったよ」

「前は俺は聖剣と勇者の補正がカノは聖女としての補正があったから楽々だったんだがな....。俺も正直少し疲れたな」

「少しあそこの小川で休憩しよっか!」



 俺とカノは休憩中思い出話に花を咲かせていた。何処の依頼主が面白かった、何処の場所が綺麗だったからもう一度訪れようだとか様々なことを話したように思う。



「カノとこんなに色々と話したのもなんだか久しぶりだな」

「勇者パーティーに入ってからはお互い立場もあったしアルは私のこと避けてたからね!」

「いや俺は別にそんなつもりは....」

「気持ちはボクもわかるけどね。数年ぶりに再会したらお互い勇者と聖女だもん。ボクだって少し避けてと思うんだ」

「....まあそうだよな」



 旅を始める前も今もやはり気まずさは少しある。だけどカノは今の俺にとっては大切な唯一信頼できるといってもいい仲間で幼馴染だ。

 これからも色々なところをカノと見て回るだろう。

 そう考えると俺は少しこれからが楽しみになってきた。



 ◇



 少し話しすぎた俺とカノが山頂に着く頃には辺りはすっかり夜の帳が下りていた。

 木々が無くなっていき開けた場所に出た俺とカノはどちら共が同時に声を出していた。

『綺麗だ』と。

 いやこの満点の星空は綺麗だとかそういう陳腐な言葉では言い表せないものだ。



「すごいね。ボク思わず溜息が出ちゃったよ」

「俺もだ。星がこんなにも綺麗なものだとは思ってもいなかった。これは星が降るって言われているのも納得だな」

「それなんだけど実はここ実際にあの流れてる星が落ちてくるらしいんだ」

「あれが? それは危なくないか?」

「何故かはわからないけど落ちてくる星はそんなに危ないサイズじゃないらしいよ。大きくてもボク達の拳ぐらいなんだってさ」

「それなら大丈夫かってどうした?」

「そ、そのね。その落ちてきた星に心の中で5回願いを込めると願いが叶うって伝説もあるみたいなんだよね....」

「ほう、面白いな。ちょっと探してみるか」



 2時間ぐらい経っただろうか? 俺とカノは辛うじて1つ星を見つけた。



「1つしかないけどどっちが願いを込めるんだ?」

「この際だし2つ込めてみようよ。どっちかだけが叶うなんて面白くないしさ」

「面白そうだしそうするか」

「うん!」


(カノとの旅がいつまでも続きますように)

(アルとの旅がいつまでも続けられますように)



 願いを込めた星をポケットに入れ俺とカノは下山した。面白い経験と美しい経験を同時にできるとは思っていなかった。カノには感謝しないとな。



 ◇



「ここが依頼にあった死ぬ事を禁じられた町なのか?」

「ええ。もっとも今はアンデッドで溢れかえっているらしいですが」

「アンデッドねぇ。聖女抜きでどうにかなるものなの?」

「どうにかなるんじゃなくてしねぇと俺達に未来はないんだ」



 それだけ言うと元勇者パーティーははずかずかと町へ足を踏み入れていった。



「不気味なぐらいグールしかいないね。アナ飽きてきちゃった!」

「油断は大敵ですよ」

「とは言ってもなぁ。こんだけ敵が弱いと飽きてくるのもわかるぜ」



 元勇者パーティーはかれこれ2時間以上グールを狩り続けていた。それが怨念を溜め更に強力なアンデッドを呼ぶ引き金になっていることに気が付かずに。



「おいあれって......」

「リッチですね。まあ我々の実力なら十分倒せるでしょう」

「でもなんか大きくない? アナは逃げた方がいいと思うんだけど....」

「いやここであいつを倒してまた名をあげないと俺達に未来はねぇ! やるぞ!」



 ロイ達元勇者パーティーがリッチを前に成す術もなく敗走したという噂が流れたのはその数日後のことだった。

このお話が面白かった方、応援してくださる方はブックマーク又は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に面白くなかった方は☆☆☆☆☆を★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです!


最後になりますがこの作品を読んでくださっている皆様に最大限の感謝を!


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