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第7話 見てはいけないと思いつつも初めて見る女の子のお尻に目を離せないでいた

ひいらぎは安二に村を案内して貰います。

私と安二は抹茶のログハウスから村へ行く途中、出来たばかりの稲荷神社に立ち寄る。

そこでは村の人が男も女も忙しそうに動いていた。



「みんな今日の祭りの準備で大忙しなんだ。」


「でもみんな楽しそう〜。」


「そりゃそうさ、お狐様の神社がやっと完成して初めての村祭りだ、みんな気合入ってるのさ。」


確かに皆イキイキとしている。

この時代の神様は人々に取って本当に心の支えになっている信仰の対象ですがるべき存在、しかもその神様が実在し皆の前にに降り立ったとあれば皆気合が入るのも解ると言うものだ。


(ただのあるて様なのにね〜)


「ん?ひいらぎ何か言ったか?」


「いや、何でもないにゃ〜」


つい可笑しくてぷぷっとなってしまった所を安ニに見られてしまったみたいだ。


そんな時、私に気付いた村人が何人か手を止めてこちらに来た。


「これはこれはお狐様のお弟子様、今日は盛大な祭りにするじゃけ、楽しみにしとって下さい。」


「あ、ありがとおー。楽しみにしてるよぉ。」


村人達はひいらぎに挨拶をするとまた作業に戻る。

その時ひいらぎは小さくふぅとため息をついていた。


「確かに私達が来たことでみんなやる気になってるみたいね~」


「でもひいらぎ、おまえなんかさっき変だったぞ?挨拶されるのとかって苦手なのか?ため息ついてたろ。」


「うん…だって私はお狐様のお弟子様じゃなくてただのひいらぎだもん…。神様とかお弟子様とかああ言うのは苦手かな。」


「大丈夫だ、おいらは分かってる。」


安二はひいらぎの頭を少しくしゃっとしながらそう言うと、ひいらぎは少し嬉しそうであった。







「やぁ、おさーんじゃないか」


「よぉ木介(きすけ)。」


向こうからやって来た少年が安二に話しかけてきた。木介(きすけ)と言うらしい。歳の頃は安二と同じ位だ。

おさーんとはどうやら安二の事らしかった。


「っておさーん、連れの女の子…お狐様のお弟子様じゃないかっ!なんでおさーん一緒に居るんだ?」


安二はちらと私の方を見た後、木介に言う。


「お狐様のお弟子様であるひいらぎ様は立場など気にせず普通に友達として接して欲しいと言っているんだ。だからお前らも今からひいらぎって呼べよ。だって友達だからな。今はおいらがひいらぎを色々と案内しているんだ。」


(で、いいんだよな?ひいらぎ)


とそっと私に耳打ちする安二、その行動にちょっと嬉しかったり♪


「木介の親はここら一帯の山の持ち主なんだ。抹茶さんの丸太の家もここの山の木で建てていてね、仕事を手伝う代わりに間伐材とかを分けて貰っているらしいよ。」


「へぇー、抹茶の家は木介の山の木なんだね~。木介宜しくね~、私の事はひいらぎって呼んでね。」


「そっかーひいらぎちゃん宜しくね。案内とかしてるんなら是非見せたい所があるんだけど…どうだい?」


そう言うと木介は私達を神社の脇に生えている背の高い大きな樹の下に連れて来た。


「この木の上から見る景色は最高なんだ。」


「なる程な…木介はひいらぎにカッコいい所見せたいんだぜ。こいつ木登り大得意なんだ。」


「ふぅ~ん、楽しみだね、期待してるよ。」


木介は任せろとばかりにニッと笑う


「上に登ったら縄はしごを垂らすからひいらぎちゃんはそれ使いながら登っておいで。ここで待ってて、縄はしご借りてくるから。そしたら登ろう。」


と、縄はしごを探しに行こうとしようとする。


「無くても大丈夫よ、私も木登り平気だから。こう見えても良くやるんだヨ。」


「そうか、女の子なのに頼もしいね。じゃ、早速登ろう。順番は俺、ひいらぎちゃん、おさーんな。俺とおさーんは何かあったらひいらぎちゃんを上から下から助けるんだ。」


木介は流石に木登り得意と言うだけの事はあり、器用にするすると登って行く、それはかなりのスピードであっという間にかなり上の方まで行ってしまった。


下には私と安二がそれを見ている。


「木介ってホントに木登り上手なんだね〜。」


「アイツは猿だからなー。奴ほどじゃないがおいらの木登りも中々の物なんだぜ?」


「ほぉ〜ぅ、対抗?安二も私にいいとこ見せたいのぉ?」


「ばっ…そんなんじゃねぇよっ!」


私は安二ににぃ~っと笑いながらそう言うと、安二の顔は思いの外赤くなっていた。


その時、私はちょっと気になっていた事を聞いてみる。


「ねぇ安二、さっき木介の言ってたおさーんって何?」


「ん?ああ、父ちゃんが村長(むらおさ)だろ?おいらがその息子の安二(あんじ)だからそれで友達はおいらの事を長安(おさーん)って呼ぶんだ。まぁあだ名さ。」


「そっかー…。私の世界の凄い猫の神様の旦那さんをおさーんって呼んでいたから、それと同じだったからちょっと気になっちゃった。ねぇ安二、私もそう呼んでいい?」


「当たり前じゃないか、おいらとひいらぎは友達だろ?」


ひいらぎは嬉しそうに笑う。それを見て安二はころころ変わるひいらぎの表情に見ていて少し素敵だなとか思って…


「思ってねぇよ!その口に出して色々言うのは辞めないかーっ!」


「めんご…てへっ♪」


「まったく…。ところでひいらぎの方のおさーんはなんでおさーんなんだ?おいらも気になるよ。」


「んー、おっさんくさいから?」


「なんじゃそりゃーっ!そんなのと一緒なんて…聞くんじゃなかったー!」





やがて木介はかなり上の方の二股に分かれている太い幹の所まで登るとお前達も来いよとばかりに手招きをしている。




「じゃー次私行くねー。」


ひいらぎは木のくぼみに足をかけると器用に登ってゆく。

スピードも木介にも負けていない。


「なかなかやるじゃ無いか、ひいらぎーっ」


安二は下から大きめの声で言った。


「へっへー、私木登りは実は得意なんだよ。」


「よし、おいらも登るか。」


手かけ足かけ登り始める。

なるほど安二も負けては居ない、右に左に身体を揺らし、木の凹凸に見事足を引っかけてすいすいと登る登る…。


「へぇ~おさーんもやるじゃ無い。」


「おうよ!お前等には負けてられないしなぁー。」


と、上を見上げた時に視界に入ってきたのは赤のミニスカートの中に見える、淡い水色の縞パンである。


(えっ!あんなぴったりした薄い布切れ一枚で尻の形が丸わかりじゃないか…足も尻から太ももとかどばーっと出してるし…尻見せてるのか?)


安二は見てはいけないと思いつつも初めて見る女の子のお尻に目を離せないでいた。

やがてその視線に気付いたひいらぎは


「こぉーらーっ!なにぱんつ覗いてるのよーっ」


「ぱんつってなんだーっ?」


「スカート…赤いひらひらの中のしましまの布の事よっ!」


「ああー、その布の事かー、それって尻の形を見せるための布かー?ぴっちりしていて尻の形丸わかりだぞ?赤いひらひらで隠れてないし、神様の世界では尻は見せるものなのかー?」


「違ぁう!大きな声で尻尻言うなぁっ!もう何でもいいから上みるなぁぁぁぁっ!私のお尻みるなぁぁぁぁっ!」


そこで初めて上を見るのを辞める安ニだったが、ドキドキしているのか登るのが心なしか遅くなった。



やがて木の上に登った3人、二股に分かれている太い幹の所に座る。


「景色が綺麗ね〜。」


「そうさ、ここはここら一帯が全部見えるからね。俺のお気に入りなんだ。」


神社は少し高い位置にある。そして更に高い木の登ってその上から見る景色、実はこの場所は未来の神社でいつもひいらぎが景色を眺めている木の上だったのだが、そこでも辺りが一望出来て良かった景色がこの過去世界ではそれが何倍にも膨れあがる。


「空気も澄んでいて何処までも遠くまで続く自然が…素敵ね。」


時が進めば文明の波に押されて破壊されてゆく自然、もうこの景色は今しか見ることが出来ないだろう。


「ありがとう木介、ここでしか見ることが出来ない素敵な景色、確かに受け取ったわ。」


「ひいらぎちゃんに気に入って頂けたなら何よりだよ。」








暫く景色眺めた後で降りることになった私達。

ぱんつ覗くHボーヤがいるので本当は私が一番初めに降りたかったんだけど、女の子に何かあってはダメだと木介のが強く言うので事で登る時とは逆の順番、安二、私、木介の順で私を挟んで降りる事となった。ま、私達は村のお客様だから何かあったら皆から怒られるのは木介や安二だし…ま、仕方ないか…。




「また口に出して!誰がHボーヤだ、そんな布きれ興味ねーよっ!ただ、ひいらぎの尻が…」


「なお悪いHボーヤっ!いい、絶対に上みるの禁止だからねーっ!」


上みてはダメなら何かあった時どうすればいいんだとかブツブツ言いながら安二はするすると木を降りて行く。

あっという間に地上に降りた。


「おおーいひいらぎー、いいぞ、降りて来いよ。次はおまえの番だ」


「うんっ任せとけーっ!」


いよいよ私の番だ。

私は颯爽と身を乗り出し、木を降り始める。手足のかけれそうな場所を一瞬で的確に判断し、その俊敏な動きは周り注目を集めんばかりの…


「ひいらぎちゃん?口に出してる言葉は勇ましいけど…一歩もここから動いてないよ?」


「うにゅう…」


動かないひいらぎを不思議に思った安ニが下から叫ぶ。


「ひいらぎー、もしかしてお前…猫だから怖くなって降りる事が出来なくなったのかー?情けねーなー、ははは。」


「うにゅう…」


「えっ…まさかひいらぎちゃん、おさーんの言う通りなのか?」


「うにゅう…登るの得意だけど降りるの苦手…」


ひいらぎは既に泣きそうな顔になっていた。


「うーん、縄はしご借りるにも登る前ならまだあっただろうけど、もう使われてて無いだろうし…。ひいらぎちゃん、普段木登りしてる時はどうやって降りてるの?」


「それは…あるて様かまいまいがいつも神社にいるからそこに飛び降りて受け止めて貰う…。」


「えぇぇ…」



困っている3人、どうしようかと悩んでいると、おさーんは木の上に叫ぶ。


「良し分かった、ひいらぎーっ!おいらに向かって飛び降りろーっ!おいらが受け止めてやるっ!」


「おい…おさーん、少しでもずれるとひいらぎちゃんは地面に激突するぞ?」


「それに私はともかく失敗したらおさーんもケガでは済まないよ?危ないから辞めなよー。」


「大丈夫だっ!お狐様やまいまいさんには飛び降りているんだろう?ひいらぎ…おいらが絶対に受け止める!おいらを信じろっ!」


ひいらぎはちょっと戸惑ったが、意を決して飛び降りる事にする。


「おさーん、信じたからねっ!」


木を蹴って空中に飛び出すひいらぎ、地上へ向かって落下する。

下では腕を広げて受け止めようと安ニが待ち構えている。


どすんっ!


ひいらぎは安ニの腕の中にその身体を納めるが、よろめいてバランスを崩してしまう安ニ。

そのまま転んでしまったが、何とかひいらぎを地上に降ろすことに成功した。


「いたたた…降りられたね、おさーんありがとう。大丈夫?」


「う、うーん。、おいらはだ大丈夫だひいらぎは怪我とかない…かっ?!」


安ニも気が付いて目を開けるとその眼前には縞模様の薄い布、仰向けに倒れた安ニの顔をひいらぎの太ももで挟む形になっていた。


(えっ!これって…この布切れの向こうにはひいらぎの…うぅ…太もも、温かい…。)


「なっ何見てるのよっ…!」


ばしんっ!

平手打ちだ。


「はっ早くどきなさいよ!」


「ひいらぎが上に乗っかってんじゃないか!」



「あっ…そ、そうね。今どくからっ!」


どんっ!


いひらぎは上に乗ったまま安ニを突き飛ばすと言う離れ技に出る。


「お…重かったでしょ?」


「重い言うか、むしろ柔らかいと言うか温かいと言うか…」


木介はその様子を見ながらするすると木を降りてきた。

おかしくて笑いを堪え切れない様子である。


(あぁー、もうひいらぎちゃんもおさーんも何やってんだか…なんか二人とも変に意識してるし…。まぁこんな事になっちゃったし俺の出る幕はもう無さそうだ、後はおさーんにまかせるか。)


「ひいらぎちゃん降りれて良かったね、俺はそろそろ行くけどこの後はどこを見るつもりなんだい?おさーん、ちゃんと案内してあげるんだぞ?」


(おさーん、その元気なの見つかる前に何とかしろよ?ひいらぎちゃん、お前の事ちょっと気になってるみたいだからそんなの見付かると嫌われるぞ?お前も気になってるんだろ?)


とコッソリ耳打ちすると、じゃあなとばかりに木介は去って行った。


「ねぇおさーん、最後に木介、なんて言ってたの?」


「……。」


おさーんは何も答えなかった。



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