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第2話 猫神様は妖狐ちゃん家の隣にこっそり結界を張って暮らしてる

さぁ、過去行きが決まったまいまい、あるて、ひいらぎは凄い力を持つ猫神様の所に行く事になったのさ♪。

「過去の抹茶に会いに行けるの?」


ひいらぎの問いにあるてが答える。


「まぁ普通なら無理だな。普通は虚術が解かれて元の時間にその者が戻った場合、虚術によって作られた時空とか空間の歪みはその瞬間消失してしまうのだが…。」


「だが、抹茶の場合は250年間という長い時間を経ていた虚術だから、まだその時空の歪みが簡単に消えずにまだ微かに残っているんだ。まぁ見つけたのは最近だかな。だからそれをこじ開ければ抹茶いるの過去世界に行けるかも知れないと思ったんだ。私も今までに閉じかかった過去への空間を開き直した事とか無いから出来るかどうかはわからないけど。」


ひいらぎはあるての言葉に驚きを隠せない様子であったが、すぐに目を輝かせてた。


「よしあるて様、過去に抹茶に会いに行くにゃーっ!」


「ははは…盛り上がっているなひいらぎは。まぁ予想通りの反応だが。まいまいはどうする?抹茶の中のハムの残留思念だが、ハムと話出来るかも知れないよ?」


残留思念…、融合した魂の主格以外の人格が外に出てこれる事はまずないし、残留思念のハムレットと話すと言っても心の奥底でうっすらと思っている事をその抹茶と言う人が口にするだけ…ハムレットと話している事にはならないわ。


でも…


「ハムレットが自らを差し出してまで救おうとした抹茶という男、どんな男か見てみたいわね…私も行くわ。」


そんな訳で過去世界に旅立つ事が決まった私達3人がまずやる事は…


「猫神様に会いに行こう。」


そう口を開いたのはひいらぎである。


「猫神様に?」


「うん、かなり以前から過去に行く事があれば共に行く者を連れて猫神様の所に来る様にと言われてたんだけど、なんの事か分からなくて?でもとりあえず今回の話がそう言う事なんじゃないかな?」


先見の目を持っているのか…予知の才があるのか…?

猫神様とやらは今回の事がわかっていたみたいだ。

分かっていて招いたなら招かれようと云うのがあるての意見だった。


そんな訳で私達は猫神様に会いに行くことななった。





「で、その猫神様と言うのは何処にいるのよ?」


猫神様の居る場所はひいらぎ以外知らないのだ。


大丈夫(だーいじょーぶ)よぉ〜」


ひいらぎはそう言うと、案内するわ♪と言わんばかりに意気揚々と先頭を歩き出す。


「じゃん♪」


「うん、精霊世界の私達の里だな?ここのどこかにいるんだな。」


虚術によって人間界から妖の里に来た私達。

眼前に広がるのは人間界のゴミゴミ然とした都会的風景では無く、ビルや街などのないのどかな田舎風景であった。

空気は澄み空は青々とし、まさに何者にも侵されていない自然そのものである。

ここにあるてやひいらぎは住んでいるのだ。


そして更に道を進み先に進むひいらぎ、鼻歌まじりである。

そして山道を少し入っていった。


「じゃん♪」


「うん、私達の住んでいる家だな。」


その建物は妖怪に似つかわしくない近代的な見事なログハウスである。

あるてとひいらぎが住んでいるのだが、なんでもその抹茶という人物が趣味で一人で建てたらしい。

全く物好きである。


「ってそっちじゃ無いよぅ」


ひいらぎはログハウスの少し奥に進むと何も無い所で止まった。


「じゃん♪」


「‥‥ってひいらぎ何も無いじゃ無いか…」


「そんなことないよ、ここで念じると…えいっ!」


ひいらぎは何やら念じると空間に何やら波紋が広がった。


「結界じゃないか!しかもとても強力な!妖力の他に魔力、法力、更には呪力まで!本来相入れる事の無い力の融合…、猫神様とはいったい…。」


(あるて…猫神様があんたの自宅の隣にコッソリ結界張っていた事は問題じゃないのね…。)


あるてはそっと手を伸ばし結界に触れてみた。

バチバチバチバチっ!


結界はあるてを拒絶し、慌てて手を引っ込めた。


「うわっ!」


それは妖力、魔力、その他の融合だけで無く物凄い密度の高濃度な力であった。

しかも、ひいらぎが結界の波紋を出現させなければ自宅の隣にあっても気付かせもしない静かなもの、恐らく妖の里の中に更に特殊な空間をつくり、その中に猫神様の世界をまるごと隠して結界で蓋をしたのである。


「うーん…、とてもでは無いけど私にはこの結界は強力過ぎて破る事は出来そうもないな。」


と言うあるてに対し、ひいらぎは自信満々に胸を張った。


「大丈夫よぉ~♪私できるよ。」


確かにひいらぎは猫神様の所に入り浸って居るみたいだからこの結界を解除出来るということになるけど、さすがのあるてでも解けない結界をどうやって解除するつもりなのか…?


ひいらぎは結界の前に立ち、そしてその前に手をかざした。


「ひらけぇぇぇぇぇ…、ごまっ!」


その瞬間、結界の一部に穴が空き、人が通れる位の隙間が出来た。


「じゃん♪」


「凄いわね、ひいらぎ…あるてでも解けない結界をそんな気の抜ける合図で解いてしまうなんて…私でも開けゴマでこの結界解くこと出来るの?」


「さぁ~…どうだろう?わかんないや~。」


「まいまい、多分それは無理だと思うな。まいまいも感じた通り、これは色々な力が高密度に練り上げられたもの凄い結界、それがこんな言葉一つで開く事はない。おそらくは猫神様と同族だからとか、もっと言えば猫神様から授かったひいらぎだけの呪文みたいな物なのだろう。」


「そうよね…ひらけゴマってる時、ひいらぎから全く妖力感じなかったし…」


私達は結界の中に入る。

結界の中と言ってもその空間が隠れていただけなので、

景色は同じである。

しかしそこに建っていたのは…


「じゃん♪」


「じゃん♪…って」


絶句するあるてと私。

そう、そこに建っていたのはなんとログハウスであった。


「ここに猫神様が?ってあるて達のログハウスの隣に結界張ってコッソリとログハウスって…猫神様は一体何を考えてこんな所に建てたんのかしら…。」


「って言うか、これ建てたのは抹茶だな?所々抹茶の癖が出ている。いつからあったんだ?これ、知っていたのか?ひいらぎ!」


「うん、ずっと前からあったよ?気づいた時には既にあったから。と言うか、抹茶が私達のログハウス建てる前からあったんじゃないかな?」


「ねぇ、ひいらぎはここに猫神様のログハウス建ってたの知っててあるてに言わなっかったの?」


「うん。聞かれなっかたから。」


私は至極当然の質問をひいらぎにしたところ、当たり前の様にそう返されてしまった。


「まぁひいらぎも猫神様からも不用意に他言しない為に、猫神様が何か術を使っていたのだろう。それが今回過去に行く事になり猫神様に会いに行く話にったので、それがキーになりその術が解けた…とかそんなところだろうな。何もなければひいらぎの口ががそんなネタを話さないわけがない。」


「あるて…何気にひどいのね…でもまあ…ひいらぎならそんなとこだと思うけど…」


「二人ともひどいにゃ〜!」


そこら辺はひいらぎの普段の行いがそういう結果になっているのだが、納得のいかないひいらぎはぷく〜っと膨れている。


そんなひいらぎを取り敢えずなだめ、私達は猫神様のもとに向かった。


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