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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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山梨県 甲州市 ぶどうの丘 レストラン

夕方。

窓の外は夕焼けから夕闇になりつつある。


それを眺めていると、ベッドから起き上がる気配がした。

どうやら、瀬戸さんが目を覚ましたらしい。


ベッドから身を起こしている瀬戸さんにミネラルウォーターを手渡す。

「ごめんなさい、寝てしまって・・・」

「大丈夫ですよ。おはようございます。」

ベッドに腰を下ろす。

瀬戸さんは私の顔を見る。不安そうな顔。

だけれども、すぐに微笑んだ。

「ありがとうございます。」

そう言って瀬戸さんも横に座ると、喉を潤す。

「眠れましたか?」

「夢を見ました・・」

「夢?」

「はい・・・でも、目を覚ましたら早乙女さんがいて、うれしかったです。」

肩に頭をもたれてくる。何かいつもと雰囲気が違う。

「大丈夫ですか?」

「はい」

その後、2人はしばらく無言なってしまう。


ベッドから見える窓の外は夕闇。まだ少しオレンジ色が残っている。

「きれいです・・・」

「そうですね。」

二人で、しばらく景色を眺める。


「もう少ししたら夕食の時間ですけど、大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。」

瀬戸さんは、私の目を見つめてにっこりと笑った。

「早乙女さん。一緒に泊まってくれてありがとうございます。」

まっすぐに目を見られると気恥ずかしい。


「ちょっと化粧室に行ってきますね。」

化粧直しをしてくるのだろう。

何か吹っ切れたのか、戻ってきた瀬戸さんはいつも通りの表情に戻っていた。


その後、レストランに一緒に向かった。


レストランに入り、席に案内される。

大きな窓から見える夜景。

大都会ではないのだが、見事な夜景である。


グラスワインを頼む。

「今度は飲みすぎないようにしないとですね。」

「そうですね。気を付けましょう。」

グラスを上げて乾杯をする。

すると、すぐにコース料理が運ばれてきた。

思っていたよりもおいしい料理。

コストパフォーマンスはよいかもしれない。

魚料理・・その後にメインのステーキが出てきた。

ちょっと・・いや、かなり量が多い。


「食事が終わったら展望台のほうに行きましょうか。そちらでも夜景を見られそうですよ。」

すこし腹ごなしをしないと・・

「はい、そうしましょう。」

微笑む瀬戸さん。

前も思ったのだけれども、女性の割にはたくさん食べる。


ちなみに、ワインは瀬戸さんは2杯、私は3杯にとどめておいた。

いくら泊りとはいえ、ここで酔いつぶれるわけにいかない。

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