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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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いざ甲州市へ

いつもの通り、瀬戸さんの家のちかくのコンビニで待ち合わせる。

駐車場に車を止めるとすぐに瀬戸さんがやってきた。

「お待たせしました。」

「いえ、ちょうど来たところですよ。」

今日の瀬戸さんは、白いブラウスに薄い水色のスカート姿。

似合っている。


けど、”似合っている”と口に出すのは気恥ずかしい。

「さて、行きましょうか。」

「はい。」

にっこりと笑う瀬戸さん。

こうしてにこやかに笑っていると、かわいいお嬢さんなのだが。

グイグイ来られると非常に困る。


いつの間にか、一緒に家で飲んだり、旅行に行ったり。

もう、付き合っているといってもいい関係になりつつあるのだが。


でもなぁ・・


「どうしました?」

「いえ、なんでもないですよ。」

とりあえずにっこり笑ってごまかしておく。


八王子ジャンクションから中央道に入る。

長い坂を上り、今度は長い坂を下る。するとそこはもう勝沼ICだ。

「結構近いんですね。」

「そうですね。でも、まずは高速から離れたワイナリーから行こうと思います。」

山梨県のホームページから印刷した地図を頼りに、まずは塩山方面に向かう。


途中にもいくつものワイナリーがあったが、あとで寄ることにして・・・


甲州市の北。塩山方面でも北のほう。

だんだん細い道になってくる。

ナビを見ながら、進んではいるのだけど・・・

多分この辺り。


見ると。”Welcome”の看板。


「え・・と。ここなんでしょうか?」

「多分ここだろうね・・・」


いかにも農家。民家としか思えないたたずまい。


駒園ヴィンヤード。

本日、最初の目的地である。

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