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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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ホテルでのんびり   からの・・・・

(瀬戸さん視点)

おしゃれなホテルのスイートルームで2人きり・・・




私の人生の夢が一つかなってしまいました。





「瀬戸さん、大丈夫?シャンパンって意外とアルコール度数高いから、無理しないでね。」

ただし、今はすっかり酔っぱらってしまっているのですが・・・



片方の窓からは池が見えています。

水面を揺らす風が気持ちよさそうです。

片方の窓からは緑の木々が見えます。

どちらも素晴らしく、美しい景色です。


「このホテルは本当に広くて、敷地内に川が流れているんですよ。あとテニスコートや遊歩道があって散歩にはいいですよ。」

「いいですね・・・後で一緒に行きましょう~。」

ただし、酔いがさめてからにしてください・・・

和室の畳の上ですっかり気持ちよくなってしまっています・・・

「まぁフルーツでも食べますか?」

すすめられるまま食べてみます。

あ・・・おいしい。ブドウの酸っぱさと、メロンの甘さと。



しばらく、ぼんやり過ごしていると、早乙女さんが言う。

「そういえば、ホテルに温泉があるって言いましたよね。行ってみます?」

「行きます!」

温泉は2か所あるそうである。内風呂と、露天風呂と。

まぁ、どちらも男女別だそうだけど。






いまは、内風呂。



広くて気持ちがいい。

ぼーっと湯船につかる。

幸い、他にお客さんはいない。独り占めです。



今夜のことをちょっと考える。

寝室に別途は2つあるけれど・・・。

もしかしたら、もしかするかも・・・同じ部屋で寝るのだし。




ドキドキしてきた。

下着は・・新しく買ったのを持ってきている。


ドキドキ・・ドキドキ・・・


のぼせる前に出よう。


温泉を出ると早乙女さんが待っていてくれた。

「ミネラルウォーターですが、瀬戸さんも飲みますか?」

「はい・・・」

ドキドキして顔が見れない。




温泉を出て、しばらく敷地内を散歩しました。

きれいな川が流れていて気持ちがいい。

「もう少し早い時期なら蛍も見れるんですけどね。」

蛍かぁ・・綺麗なんだろうなぁ。



しばらく散歩してから部屋に戻ってきた。

もうすぐ、夕食の時間だとのこと・・・。

そうか、身支度もあるでしょから。



「じゃあ、着替えるのでちょっと待ていてくださいね。」

「はい、私も支度しますので。」

なんとなく、早乙女さんが、ニヤッと笑った気がしたのは・・気のせいでしょうか?



私は洗面所でお化粧直し。

服装はこのままでいいよね。

フランス料理か・・何度か食べたことがあるけど、ここはおいしいと早乙女さんが言っていたし。期待してしまう。

美味しいものが食べられるかな・・・。

リビングで待っていると、和室で準備していた早乙女さんが戻ってきた。












「お待たせしました。そろそろ行きましょうか。」

「え。。。え??  その服装・・・。」

「どうしました?」

どうしましたじゃないです・・・










薄いブルーのシャツにライトグレーのジャケット。黒のパンツ。

ジャケットはスーツとは明らかに素材が違う。

そのポケットには白いポケットチーフ。

ネクタイこそしていないが、結婚式の2次会でも見ないようなおしゃれなコーディネイト。

髪はワックスで整えられている。


つまりは、すっかりドレスアップした早乙女さんがそこにいた。


「え・・・着替えるって・・・」

「あぁ。夕食はフランス料理なので、”それなり”の服装でないとね。」


え・・それなりって。そこまで気合入れないといけない所だったんですか~

~!?

途端に自分の服装が気になった。

え・・そこまで正装しないといけない所なんですか???

私の服装、大丈夫でしょうか???





1泊なのに、なぜか早乙女さんの荷物が多いとは思っていたのです。

まさか、ディナーで正装するなんて・・・。

部屋を出るときに、早乙女さんはスニーカーでなく別な靴に履き替えていたのです。

ブラウンのウィングチップの革靴。いまだかつて見たことがないくらい高そうな靴。









うわぁ・・・・こんなにおしゃれな男性初めて見た。


ぼぉーっと見とれていると、早乙女さんがエスコートしてくれた。

「さぁ、ディナーに行きましょうか。」


これはもう、早乙女さんに任せてついていくしかない。

この夜のディナーは、生涯忘れられない体験となった。

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