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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
59/268

ホテル

(瀬戸さん視点)

「さぁ。今日泊まるホテルはここですよ。」

そう早乙女さんは言った。

たしかに何らかの建造物なのだろう。

門があって植栽があって。

ここは駐車スペース?

石畳・・・まるで別世界に来たような感覚になる。

車を止めると、どこからともなく数人のスタッフが現れた。

「お待ちしておりました。早乙女様」

顔パスですか・・?唖然とする。

「お荷物をお持ちしましょう。」

「お願いします。」

トランクから荷物を出してスタッフの人に渡している。

早乙女さんは慣れているのか、動作によどみがない。

「では、こちらにどうぞ。」

----

スタッフに先導されて石畳の上を歩いていく。

するといきなり、左手に池とその向こうに建物が見える。

石でできた、和でも洋でもないような不思議な建物。

右を見ると緑の木々の間にもいくつも石でできたような建物が見える。

静かで、不思議な空間。

石でできた階段を下り。ちょっと開けたスペースからまた少し階段を上がるとちょっと大きなカラス張りの建物があった。

「さぁどうぞ。」

その建物の中に入る。どうやらフロントがあるらしい。


こんなホテル、今まで来たこともない。

まるで美術館のような・・

「いらっしゃいませ、早乙女様。お待ちしておりました。」

「本当にお久しぶりです。覚えていていただけたのでしょうか?」

「もちろんですとも、さあこちらにどうぞ。」

ソファーに導かれる。

「瀬戸さん、こちらは支配人の中山さんです。前からよくお世話になっています。」

何と答えればよいのか。

「今日はよろしくお願いします。」

これでいいのでしょうか?

「こちらこそ、本日はようこそいらしていただけました。精一杯おもてなしさせていただきます。」

それにしても、早乙女さんってなにものなのでしょう?

いきなりホテルの支配人にあいさつされるって・・


ソファに座ると、冷たいハーブティを出していただいた。

早乙女さんは、チェックインの手続きをしている。


「本日お食事は、メインダイニングでよろしいですね。18時からでよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です。」

「お電話では苦手なものなどはないとのことですが、よろしいでしょうか?」

「大丈夫ですね、瀬戸さん。」

「は・・はい、大丈夫です。」

「朝ごはんは、洋食と和食をお選びいただけます。」

「ここは、和食がおすすめなんだけど。それでいいかな?」

「は、はい大丈夫です。」

「かしこまりました、他に何かございますでしょうか?」

すると早乙女さんは、苦笑しながら聞いた。

「もともと一人の予定だったのに、なぜ”水庭”を確保いただいたのでしょうか?確かに部屋はお任せだったのですが。」

「早乙女様は水庭がお好きでしたからね。それにお二方になったのでちょうどよいではないでしょうか。」

「まぁ、そうなんですが・・・」

「では、早速お部屋にご案内しましょうか。」

「そうですね。いきましょうか。」

「は、はいっ」

すっかり雰囲気にのまれてしまって。慌てて返事をするしかなかった。



長くなるので、分割します。

次はお部屋です。

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