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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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ココファーム 農民ロッソ

題名:ずるい!

内容;私も行きたいです!


隣の隣に座っているのに瀬戸さんからメールが届いた。

思わずそちらを見る。

素知らぬ顔をしている。


何なんだよ。


「次、飲み物たのみますかー?」

空になったワイングラスを見て聞いてくる。

「じゃあ、農民ロッソで。」

そういいながら、カウンターの下でメールを打つ。

ガラケーなので画面を見なくてもメールできるのだ。


”一部屋しか予約していないから、一緒には行けません”

すぐに返事が来た。

”予約したのはシングルですか?ツインですか?変更はできないんですか?”

そんな・・・

交際していない女性と休みに泊りがけで旅行に行くなんて無理なんだが。

”部屋は宿のまかせているのでわかりません。でも、今から変更は無理だと思います。”

”聞いてみないとわからないじゃないですか”


そんな時、ミキちゃんが瀬戸さんに言う。

「美月、さっきからスマホいじってばっかり。もう帰るよ。」

ナイスアシスト。

不満そうな瀬戸さんを連れて帰り支度を始める。

「じゃあ、この間話した件はまた今度よろしく。」

「こ・・この間の件って?」

ミキちゃんは慌てて聞いてくる。

「この間一杯おごったから、今度はミキちゃんにおごってもらうって話。」

「あ・・あぁあの件ね。了解了解。またここで会ったらね。」

焦りまくっている。

何を焦っているんだろうか?

「じゃあ、また!」

そう言ってお店を出て行った。

その間。終始不満げな瀬戸さん。

一言もしゃべってないなぁ。

まぁ、これであきらめるでしょう。


「すみません。農民ロッソもう一杯。あとパスタもらえる?」

「はーい!」

今日のパスタは夏野菜のパスタとのこと。

日替わりでいろいろなパスタが楽しめる。


さて、もうちょっといろいろ飲もうかね。


----

結局、終電まであと30分といった時間に電車に乗る。

最寄りの駅から、徒歩5分。

自宅の賃貸マンションの階段を上がる・・・







部屋の前では瀬戸さんが待っていた。

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