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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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シャトー・メルシャン 桔梗が原メルロー シグナチャー

「来ちゃった。」

いや、来る前に少なくとも連絡は欲しい。

「どうしました?」

「この間のお礼に、一緒に食事にでもと思いまして。突然とは思ったのですが・・・」

「うーん、ごめんなさい。もうご飯の用意しちゃってるので、今日は無理なんです。」

「そうなんですか。それは残念です・・・」

というわけで、お引き取り願えないだろうか?って言わなくてもわかるよね?


すると、クンクンと臭いをかいで。

「おいしそうな臭いですね。何を作ってるんですか?」



その後、どうしても作りかたを教えてほしいという瀬戸さんを説得できずに、また自宅に入れてしまった。

「うわぁ、美味しそうですね。自宅で豚の角煮が作れるって知りませんでしたよ。」

「いや、結構簡単だよ。ネットでレシピも調べられるし。」

「難しくないんですか?」

「ものすごく時間はかかるけど、作るの事態は簡単だね。」

「大根や卵も入っているんですね。」

「それはオリジナルの工夫だね、大根や卵に味が染みておいしくなるから一緒に煮てしまっているんだよ。」

「へぇ・・・《《おいしそうですね》》」


この流れで、食べさせない・・・というわけにはいかなかった。

はぁ・・・



しかたなく、リビングに案内し、お茶を出す。

そして、いんげんをゆでたり、白髪ねぎをつくったり。


リビングから声がする。

「早乙女さーん、ここにあるのはワインセラーですか?」

「そうだよ」

「開けてみてもいいですか?」

「いいけど・・・」

「じゃあ、開けてみますね」


角煮を皿に取り分けて、リビングに行った。

そこには、ニコニコと笑顔の瀬戸さん。

「開けちゃいました。」


そこには、コルクが抜かれたワインが一本。

長野県塩尻市 シャトー・メルシャン 桔梗が原メルロー シグナチャー




なんで、うちにある《《一番高いワイン》》の栓が開いてるんだ?

思わず、茫然と立ちすくんでしまった。



「うわぁ。このワインものすごくおいしいです!」

はぁ

「この角煮もおいしいです!ワインとも合います!」

はぁ


記念日(といっても誕生日か正月か)にとっておいた、とっておきのワインが、、、

もう半分程度無くなっている。

ちなみに私は飲んでいない。

「早乙女さんは飲まないんですか。」

いや、飲みたいんだよ。ものすごく。

「だって、この後瀬戸さんを送っていかないといけないでしょう。」


するとにっこり笑ってこう言った。

「大丈夫ですよ!ちゃんとタクシーで帰ります。早乙女さんも遠慮しないで飲んでください。」


ちゃんと頭が回っていたら、そういう判断にはならなかったと思うが、残念ながらショックで考える余裕がなかった。

ついつい、その言葉に騙されて、飲んでしまった。

そうでないと、全部飲まれそうだったから。


あぁ。その判断は間違っていたよ。

すみません。。。

間違って投稿したものを1話削除しました

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