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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第2章
267/268

武蔵ワイナリー 饅頭なんまら怖い 2018

 プロジェクト憲章をなんとか書き上げて、部長に報告をしようとすると・・・

 

 結局、社長への報告会になってしまった。

 ガチガチに緊張しながら貴司は説明する。

 幸い、柏木洋子も同席させてもらうことができた。


「・・・ですので、プロジェクトのゴールとしては調達・輸送などを含めトータルに情報を管理ができるシステムを構築するとことします。そこで・・」


 すると、社長が貴司の報告をさえぎって言った。


「そんなもんがゴールのわけないだろう!プロジェクトのゴールは売り上げ2倍。ぜんぜんわかってないじゃないか」


 貴司は、突然のことに驚き声が出せずに・・口をパクパクとうごかした・・

”売り上げ2倍なんて聞いてない・・・というか、そんなの無理だ・・”


 洋子は眉間にしわをよせ、眉間を指でもんでいる。


「このプロジェクトに大きな投資をするんだ。それ相応のリターンがないとやる意味がないんだ。わかってるのか?もう一度、ゴールを見直してこい」


 貴司は、頭が真っ白になっていたが何とか震える声を絞り出した。


「・・・あ・・・何とか検討いたします・・・」





 その夜、”いい天気”で常連に貴司は愚痴っていた。

 貴司は、珍しくその常連が飲んでいるのと同じワインを注文した。



 埼玉県小川町 武蔵ワイナリー

 饅頭なんまら怖い 2018


 濃厚な赤ワイン。木の香りもする。


「早乙女さん、営業システム入れたって売り上げはそんなに伸びるわけないじゃないですか。それなのに社長ときたら・・・どしろっていうんですか」


 もうかなり酔っている。


「まぁ。たしかに売り上げを倍っていうのはふつう難しいな」

「そうですよね~」

「まぁ、売り上げは上げるのは難しいけど利益ならある程度見込めるかもね」

「えぇ!?」


 酔った眼を貴司は真ん丸にした。


「どうしてそんなことができるんです!?」

「売り上げは単独で上げるしかないけど、利益であればいくつもの複合要素を積み重ねられるからね。売り上げ10%アップ。経費10%ダウン。調達コスト20%ダウンなど・・少しづつ積み上げていけるんだ」

「ええ!?・・・早乙女さんはそんなことやったことあるんですか?」

「まぁ、そんなところだね」


 貴司は、呆然と酔いが回った頭で考えた。

 それなら・・・できるのか・・。


「早乙女さんも山口さんも~。お店のグループチャット作ったの~。登録しない?」


 店員のミキちゃんがスマホをもって話しかけてきた。


「グループチャット?どうやって登録するんだい?」

「このアプリで、このQRコードを読み込むの~。そうそう」

「あ・・ぼくもいいですか」



 ミキちゃんが割り込んできたため、貴司の思考は中断しそのために気づくことができなかった。


 目の前にいる早乙女は、競合他社のシステムを作った。そのせいで貴司の会社の社長がプロジェクトを起こすきっかけになった。

 つまり、早乙女が原因で貴司が苦労する羽目になったのだ

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