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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第2章
252/268

中伊豆ワイナリー シャトーT.Sホワイト 甘口2019

 自宅に戻って来た柏木洋子は、早速買ってきたワインを開けた。

 スクリューキャップだから、簡単に開けられる。

 保存にも便利だ。


 開けた瞬間、甘くフルーティーな香りがした。


 グラスに入れて飲んでみる。

 甘口と言う通り、ほんのり甘いのだが決して甘ったるくは無い。

 飲みやすく、すっきりしたワイン。


 甲州・ナイアガラ・シャルドネ・ソーヴィニヨン・ブラン・リースリングといった複数の葡萄から作られているらしい。

 それでも、バランスよくまとまっていて美味しい。



「なるほどね。これはグイグイいけちゃいそうなワインね」


 見ると、アルコール度数はワインにしては低い10%。

 女性が選ぶだけのことはある。

 飲みやすく、親しみやすそうなワインである。


「それにしても、凄い建物だったなぁ・・・」


 お城のような建物を思い浮かべながら、グラスを傾ける。

 あそこで結婚式を挙げるカップルはどんな人なんだろう?





「あれ?親父、それどうしたの?」


 山口貴司がリビングに入ると、父親の勇二が日本酒を飲んでいた。

 つまみにしているのは、わさび漬けのようである。


「おう。お客さんがツーリング土産だと言って持ってきてくれたんだ」

「へえ・・・伊豆のお土産?」


 パッケージを見る貴司。


「伊豆スカイラインを教えたら早速行ってきたそうだ。さすが、本場のわさび漬けはうまいぞ」

「バイクで伊豆なんて、遠すぎないか?」

「いや、日帰りでも十分行ってこれる距離だぞ」

「ふうん、そうなんだ」


 バイクに全く興味のない貴司は、そういうものなのかと聞き流した。


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