表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
1.5章 閑話 家飲み小話
227/268

笛吹甲州 グリ・ド・グリ 2020

 山形 源治は久しぶりに”いい天気”の店内に来ていた。

 窓を開け放ち、空気を入れ替える。


”まずは掃除からだな・・・”


 埃が積もっているわけではないが、ちゃんと掃除することは大切であろう。


 すでに開栓してしまっていたお酒は、全部捨てるしかない。

 しかし、未開栓のお酒はセラーや冷蔵庫に保管しているから大丈夫だ。

 もちろん、新たに仕入れる必要はあるだろうけど。


 

 ニュースでは、感染者数がかなり減ってきていると報道されている。

 このまま順調にいけば、期日通りに緊急事態宣言は解除されるかもしれない。


 ようやく、店が開けられる・・・


 その実感が出てきたため、店の様子を見にやって来たのだ。


 まずは掃除

 そして、設備の点検。


 開店に間に合わせるように、お酒やビールや食材の仕入れもしなければならない。

 おしぼり業者にも連絡しないとな・・・


 メニューも一新しよう。

 店内の飾りつけも、見直そう。


 小さな店ではあるが、やることはたくさんある。



 そして、開店に合わせて新たに仕入れようと思っているワイン。

 一本持ってきた。


 山梨県甲州市 シャトーメルシャン勝沼ワイナリー醸造

 笛吹甲州 グリ・ド・グリ 2020


 白ワインと言っていいのだが、醸造過程で皮なども一緒に醸しているのでオレンジワインに近いのだろう。


 爽やかな香り。さわやかな果実の甘みの中に渋みやコクを感じる。

 まるでダージリンティのような風合い。


”さて、忙しくなるな・・・”


 店員のミキちゃんにも連絡を取らないとな・・・

 店を閉めている間、ミキちゃんは実家に戻っているという。

 休業する時には、またここに戻ってくると言ってはもらっていた。

 だが、長居休業期間中に十分に給料も払えていない。


 また、ミキちゃんは一緒に働いてもらえるだろうか?

 お客さんは、戻ってきてくれるだろうか?

 休業期間中、借金も増えた。



 いろんな不安はある。

 だけれど、前を向いて頑張るしかない。


 そのためにも、緊急事態解除後にすぐに開店できるように準備を始めるのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ