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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
1.5章 閑話 家飲み小話
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ヤマ・ソービニオン2018  平沢畑 マスターソムリエ高野豊セレクション

「あつい~~~~」

「美樹!暑がってないで仕事しろ!」

「だって~~。あついんだも~~ん」


 今日も暑い。

 お盆は過ぎて、八月の下旬だというのに猛暑である。


 そして・・・この暑さが、八百屋にとって致命的であった。


 例年であれば、扉を閉めるとかビニール製の垂れ幕をかけてクーラーを強くすることで野菜の傷みを防ぐことができた。


 しかし今年は・・・

 換気をよくしなければならない。そのため・・・どうしても暑さのために野菜が傷みやすくなってしまう。


 結果として、仕入れの量を少なくして早めに売り切ってしまうしかない。

 あとは、冷蔵庫で保管している野菜のみ。


 どうしても、夕方には在庫が少なくなってしまう。


 暑さと、COVIDのダブルパンチ。

 早く涼しくなることを祈るばかりである。



 と言うわけで、最近は店を閉める時間が早くなる。

 売るものが無くなるのだ。



 早めの夕食の準備をする。

 今日は大根と人参と鶏肉の煮物。茹で卵入り。

 ナスの炒め物とご飯とみそ汁である。


 そして、一緒に飲むのは・・


 長野県塩尻市 サンサンワイナリー

 ヤマ・ソービニオン2018  平沢畑 マスターソムリエ高野豊セレクション


 ヤマブドウとの交配種であるヤマ・ソービニオンのワインである。


 ヤマブドウ系によくある、独特の紫色。

 そして、芳醇な香り。


 果実味と・・このワインは渋みも強め。

 煮物によく合う。


「それにしても、和食とワインって合わないかと思ってたんだがなぁ」

「そんなことないよ~~。種類によるけど、合うワインもあるわ」


 美樹はワインを飲みながら話す。

 話始めると長くなるので、自重はするのだが。


 和食に合うのは、甲州やヤマ・ソービニオンのような山ぶどう系のワイン。

 甲州は肉にも魚にも合う。

 ヤマ・ソービニオンは濃い味に合わせても負けない腰の強さがある。


”それにしても・・・お店の再開はまだまだのようね・・・”


 早く、この状況が収まればいいのに。

 そう思う美樹であった。

 

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