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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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カンティーナ・リエゾー チャオ・チャオ/ノヴェッロ 2020 ウヴァッジョ 

 今日は久しぶりに、”いい天気”にやって来た。

 海斗君も一緒である。

 今頃は、美月の家で瀬戸家と高橋ミキが女子会をやっているはずである。

 そこで、あぶれた男性陣で食事をしようということにした。ちなみに瀬戸菊夫さんは仕事ということで不参加である。

 ”残念だ!今度一緒に飲みに行こう!!”と言われた。今度、別に企画しよう。


「この、”なめろう”って料理は初めて食べたけどおいしいですね」

 最初に頼んだ料理。気に入ってくれたようだ。

「なめろう、初めて食べたんだ。アジやイワシで作ることも多いけど今日のはマグロだね」

「へえ、有名な料理なんですか?」

「もともとは千葉県からなのかな?今は結構どこででも食べられるかも。まあ飲み屋に行かないと食べないかもね」


 それにしても、さっきから常連たちがにやにやしながらこっちを見てひそひそ話をしている。

 海斗君と一緒だと、親子みたいに見えるからだろうか?


 海斗君は、ノンアルコールということでウーロン茶を飲んでいる。

 そして、健司が飲んでいるのは


 長野県上高井郡高山村 カンティーナ・リエゾー

 チャオ・チャオ/ノヴェッロ 2020 ウヴァッジョ


「そのワイン、ちょっと濁っているんですね」

「そうだね、こういうワインも味わいがあっておいしいんだよ」


 このワインは、ブドウの種類が変わっている。

 サンジョヴェーゼ・アリアニコ・ネッピオーロをブレンドしているようだ。


 さわやかな酸、そしてフルーティーさ。しっかりとタンニンもある。とても複雑で繊細なワインだ。


「今年のワインは期待できそうだな」

「へえ、ワインって年によって変わるんですか?」

「やっぱり、ブドウの出来でワインの味はかなり変わるよ。年によっては当たり年って言われるような年もあるんだ」

「そうなんですか、お酒が飲めるようになったら飲んでみたいですね」


 海斗君はまだ、18歳。あと2年は飲めない。


 その時、カランと店の扉が開いて新たな客がやって来た。

「いらっしゃ~い」

 その客は健司を見ると話しかけてきた。

「あ~、早乙女さん。聞いたよ。プロポーズしたんだって?」

「え?・・ええ、まぁ」

「それにしても、ロマンチックだね~。満月の中でのプロポーズだって?」

「え?なんでそれを・・・??」

 驚く、健司。

 すると、住まなさそうに海斗君が言った。

「そういえば・・・ミキさんが、この店で美月さんからプロポーズについて全部聞きだしたって言ってました・・・」


 見ると、常連たち全員がニヤニヤしながら健司を見ている。


 マジか?

 常連たち全員にばれてるってことか?

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