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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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愛してる

ついに・・・・

 今日は、引っ越す予定のマンションが空いたという連絡を受けて事前に内見に来た。

 ハウスクリーニングをしてもらうことになっているので、引っ越すのはもう少し後にはなる。


 マンションの10階。東向きの2LDK。リビングがかなり広い。

 2人で暮らすには十分な広さだ。


 引っ越す予定は変わらないが、メジャーで測って家具の配置を検討。

 本棚を買い足す予定なので、サイズを考える。

 キッチンやバスルームなどの水回りの確認もする。


 そうこうしているうちに、日が傾きだいぶ暗くなってきた。

 リビングの外は、かなり開けていて眺めが良い。

 夜景が広がって来た。月も出ている。


 それを眺めていると、美月が側に来て言った。

「健司さん、素敵な部屋ですね。ここに住むのが楽しみになりました」


 健司は、それを聞きながら・・・・かなり緊張していた・・・


「美月・・・話があるんだ・・」

「え?なんですか?」

「まだ・・出会って一年たっていないから早いと思うかもしれないけど」


 ポケットから取り出したものを開けて見せる。

 そこには・・・指輪。指輪についた宝石がきらめいた。




「美月・・・結婚してください」

 



 美月は驚いた。

 とても、驚いた。

 だけど、返事は決まっている。


 涙ぐみながら返事した。


「うれしい・・・よろしくお願いします!」

 そう言って健司に抱きついた。


 窓の外には美しい満月が輝いていた。



----



 帰ってから、お祝いに乾杯をした。

 今日飲むのは・・


山梨県南アルプス市

ドメーヌ・ヒデ ”愛してる” 2020


 マスカットベリーAなのにキャンディ香は少ない。だが濃厚なフルーティ。コクのある味だ。

 8%と少しアルコール度数が低く飲みやすい。



「健司さん・・・これからもよろしくお願いしますね」

「こちらこそ・・美月。よろしくね」


念のために

ドメーヌ・ヒデ 愛してる 2020

というワイン 本当にあるんですよ。

美味しいワインです。

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