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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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東御市 ワイン&ビアミュージアム

アトリエ・ド・フロマージュの売店を出たところ。

そこからの眺めがとても好きだ。

斜面を緑の木々や草が彩る。

向こうには千曲川が見えている。遠くの山々は青く、空とのコントラストが美しい。

「綺麗なところですね。」

「うん、ここからの眺めは好きなんだ。」


「さて、では向かいますか。」

車に乗り込んで山を下る。右に曲がり、しばらく行った後。

左に曲がって、細い道に入っていく。

すると見えてくる。

「え・・ここなんですか?」

「うん、そう。まぁメインは・・・温泉施設なんだけどね。」

正直、立地も微妙。

名前も・・・

でも、東御市のワインをここ一か所で網羅できる貴重な場所。

「ここは試飲ができるので、試しに飲んでみるといいですよ。東御市はおいしいワインがいっぱいあるので。」

受付で、有料のチケットを購入。もちろん、一人分。

2階に上がり、ワインミュージアムに入る。(ちなみに1階は売店と温泉)

「いろいろあるんですね。おすすめはありますか?」

「私が好きなのは、はすみファームとか、シクロヴィンヤードですね。」

「へえ、、飲んでみてもいいですか?」

「もちろんですよ」

はすみファーム2018年 koshu。

飲んですぐに、目を見開く。

「すっきりしておいしいです。」

「おいしいでしょう。このワイナリーはどれもおいしんです。」

次に飲むのは、シクロヴィンヤード アマンダ・メルロー。

「うわぁ、美味しい。これいいかも」

「おいしいでしょう。ここは東御市でも、千曲川の反対側にあるので、ほかとちょっと味わいが変わってるんですよ。」

「へえ・・・」

そのあとも、ちょっとずつとはいえ、いろいろと試飲していく。






「おいしかったです・・・日本のワインっておいしいんですね・・・」

車に戻ってきてしみじみとそういった。

「日本ワイン、好きになりましたか?」

と聞くと、 にへら。。っと笑顔で答える。

「はい、好きになりました。」


顔色は変わっていないのだけれど・・

あれ?目が・・焦点が定まってないような・・

飲ませすぎたかな・・

「じゃあ、そろそろ帰りましょうか?」

「そうですね・・・」


帰りは、休憩を多めに取ろう・・・

顔色が変わっていないので油断していたけど。

瀬戸さんは、もしかすると結構酔っているかもしれない。


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