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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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A-FACTORY AOMORICIDRE DRY

今年のクリスマスイブは平日。

だから仕事が終わってからなので、あまり凝った料理は作れない。


食事を作る前に、お互いのプレゼントを交換し合った。

なにしろ、大きすぎて隠せない。

でも、まだ中身は開けていないから秘密のまま。


急いで、食事にしよう。


今日作るのは鶏むね肉のシャンパン煮。

付け合せの野菜を茹でている間に、胸肉をフライパンで焼き目をつける。

焼き目がついたら、シャンパンの登場である。

ハーフボトルのシャンパン。

遠慮なしに全部入れる。

そこに、コンソメを入れて付け合せの野菜も入れる。

煮すぎると固くなるから、火が通るかどうかのところで生クリームを入れる。

後は塩コショウで味を整えて完成。

バゲットを、ガーリックトーストに。美月が準備してくれた。

だんだんと、料理を覚えてくれる。


「結構あっという間にできるんですね。」

「牛肉の煮込みとかだと、時間がかかるからね。

 本当は時間があるならローストチキンかフライドチキンにしたいところだけど」

「平日だから、無理ですよね。でも、この料理も美味しいから好きですよ」

すでに、美月と一緒に食べたことがあるのだ。



そして、一緒に飲むのは。

青森県青森市 A-FACTORY AOMORICIDRE DRY

「あれ?ワインじゃなくてシードルなんですか?」

「そうだね、たまにはシードルもいいんじゃないかな?

 クリスマスらしいし。さぁ、食事にしましょうか」

「そうですね」

食卓に着き、グラスを上げて乾杯する。

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス」

そして、シードルを口に含む。

シードルはシードルでも、これはちょっと違う。


「うわあ・・美味しい!シードルって言うと甘い印象があるんですけど、これは違うんですね」

「そう、それほど甘くない。それにりんごの味が感じられて美味しいでしょう」

「本当です。りんごが感じられます。こんなシードルもあるんですね」

と言って、クイッと飲む。

「あ・・ワインほどじゃないけどアルコールが結構濃いから気をつけてね」

「は〜い」

まぁ、美月は結構お酒に強いから大丈夫か。

でも、酔うと突然に寝落ちするんだよな。


食事が終わって、デザートにクリスマスケーキ。

まぁ二人だから、ホールケーキは買わなかったんだけどね。

「うわあ、とっても可愛いケーキですね」

サンタがちょこんと乗っている、小さなブッシュ・ド・ノエル。

お皿に載せて、粉砂糖をふりかける。

「ほんと、クリスマスですね」


「このケーキ美味しいですね」

「駅の反対側に出来たケーキ屋さんで買ってきたんだよ。

 結構当たりみたいだね。これからも、買ってみようか」

「それにしても、このシードル。ケーキにも合いますね」

そう言って、シードルを飲む美月。

かなり気に入ったようである。



その後、健司がプレゼントしたゲームをした二人。

ところがゲームしている最中に、美月は電池が切れたようにパタッと寝落ちしてしまった。

美月をお姫様抱っこで、寝室に運ぶ羽目になった。

美月・・・明日も仕事だけど、大丈夫かな・・・?

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