サドヤワイナリー HORLOGE(オルロージェ) 白
「かんぱーい」
「乾杯」
健司の自宅でディナーである。
ただし、今日の料理はデリバリーなどでのご馳走である。
そして、ワイングラスに注いだのは
サドヤワイナリー HORLOGE 白。
さわやかな香りと少し強めの酸が食欲をそそる。
「健司さん、おめでとうございます」
本人はめでたいかどうか微妙と思っているのだが。
祝ってもらうのは久しぶりなので、それはそれでうれしさもある。
今日は健司の誕生日なのだ。
そう・・・大台の40歳になったのである。
美月は、隠していた包みを健司に渡す。
「はい、健司さんへの誕生日プレゼントです」
「ありがとう。なんだろう?開けてみてもいい?」
「もちろんです」
包みを開けて出てきたのは、今流行りのスマートウォッチ。
「うわぁ、ありがとう。こういうの欲しかったんだよ」
「本当ですか?よかったです」
そうか。こんな風に誕生日プレゼントをもらうのは久しぶりである。
単純にうれしかった。
「ありがとう・・美月。本当にうれしいよ」
「喜んでもらえてうれしいです!」
抱き合い・・キスをする。
恋人がいるという幸福をかみしめる。
そうして、なかなか食事が進まないのであった。
ところで、美月が健司にスマートウォッチを贈ったのには理由がある。
心拍数測定や歩数計などの、健康管理機能。
健司には健康でいて欲しいという思いも込められていたのである。




