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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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ワイナリーに行こう! 長野県上田市

これは物語の中の話です。

また感染が広がっているようです。

外出はお気を付けください。


なにしろ、我慢の3連休というくらいですから。

「うぅ・・緊張します・・」

「大丈夫ですよ。高速道路は信号とかはないですから」

「あおられたりしませんか・・・?」

「一番左のレーンを走っていれば大丈夫です」

ここは関越自動車道、高坂SA。

美月が免許を取得してからの初めての運転にここから次の上里SAまでを選んだ。

道は広いし、複雑なジャンクションもないからだ。

「あ・・・一つ、大切なことがあった・・・」

「はい、なんですか?」

緊張した顔でハンドルを握っている美月が聞いてくる。


「この車、ウィンカーのレバーは左側だから」

「へ?」


通常、国産車であればウィンカーは右であるが輸入車は左。

逆なのである。

「え?え_?何でですか?」

「外国車だから・・かな?レバーを倒してみて」

左側のレバーをちょっと傾ける。

ウィンカーが3回点滅する。

「ちょっとだけだと3回だけ、しっかり倒すと点滅しっぱなしになるよ」

「うう・・いつもと逆だから慣れない・・」

「まぁ。そのうち慣れますよ、さぁ、行きましょうか」

「はぃ・・」

サイドブレーキを下ろして、ウィンカーを出し、ゆっくりと動き出す。

教習所で習った通りの左右確認。

高速教習もやってるし大丈夫であろう。

本線への合流・・加速する。

「わ・・・すごい加速です」

「左後ろを確認してね」

「はい」

幸い、道はすいているので何の問題もない。

しばらく走らせていると、緊張が取れてきたようである。

「私も車の運転がうまくなると思いますか?」

「たぶん、大丈夫じゃないかな。慣れの部分が大きいからね」

それに・・

美月の父親は自動車好きである。それを引き継いでいるなら大丈夫。

と、健司は思っていたが口にはしなかった。

美月の父親の自動車好きのせいで・・・この間、ひと悶着があったばかりだからだ。


ものの数十分もすると、上里SAの看板が出てくる。

「では、そこのSAで交代しましょうか」

「もうですか?」

「この先に分岐があるし、そのあとは山道になるのでね」

「はい、そうしましょうか」

「じゃあ、早めのウィンカーで」

「きゃぁ!」

ワイパーが動き出す。慣れるまでは、やっちゃうんだよね・・


上里SAで運転を交代する。

「うぅ・・恥ずかしいです・・・」

「いや、私もこの車を買ったばかりのころはよくやりましたよ」

「そうなんですか?」

「はい、だから気にしないで大丈夫です」

「そうですか・・」

「まぁ、だんだんと慣れていけばいいですよ」


関越自動車道路から上信越自動車道路を長野方面へ。

「今日、まず最初に行くワイナリーはどこなんですか?」

「最初に行くのは、この間一緒にTVで見ていたところにしましょう」

「わぁ、気になってたんですよ!」


最近話題のワイナリー。

TVとかにも取り上げられている。


長野県上田市

シャトーメルシャン 椀子ワイナリー。


健司も初めて行くワイナリーである。

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