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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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ワイナリーに(こっそり)行こう! 長野県塩尻市

その日、早乙女健司は早起きをして車に乗り込んだ。

今日は、長野県の塩尻市まで行く予定。しかも、美月が来る夜までには帰ってこないといけない。


中央自動車道を通って、車を走らせる。諏訪湖を右に見ながら、次のジャンクションで長野方面へ。

そこまでくると、塩尻ICはすぐだ。

11時ごろには、塩尻につくことができた。


今日は、回る先は最小限にしようと決めていた。

まずは、サンサンワイナリー。珍しく駐車場に車がたくさん泊まっていた。

ショップに入ると、先客も何人かいる。


お・・結構新作があるな。ヤマソービニオンのワインが出ている。

あと、サンサンコンコード?シャルドネ?・・・樽熟成の2017年が出てる!

あとは、定番のワインも買わないとな・・・

かごに何本もワインを入れていく。


レジに持っていくと、店員が上客だと思ったのか話しかけてきた。

「どうも、ありがとうございます。今、ちょうど収穫の時期で取れたてのブドウがあるんだけど食べてみます?」

「え?いいんですか?」

冷蔵庫から出してくれたのは小さく分けたブドウ2種類。シラーとメルローだそうだ。

「どちらも甘いですね。糖度が高そう。」

「そうなんですよ、今年は良い出来なんですよ。」

「7月は雨が多くて心配したんですよ。」

「ええ、でも8月の天気で持ち直したんですよ」

「これは、ワインの出来も期待できそうですね。」

来年のワインが楽しみになってきた。


次に向かったのは丘の上 幸西ワイナリー。

ここでも、新作を購入する。

「これ・・限定のワインなんですか?」

何やら人の名前が書いている。

「これは、市長が個人的に委託してきたワインで余ったのを売ってるんですよ。

 市長さんが樽まで用意してね。」

何それ、限定品・・買うしかないな。


次に向かったのは、酒屋 リカー なが〇ら。

へえ・・見たことのないワイナリーのワインがある。

あとはベリービーズワイナリーのを何本か買っていこう。


これで、もう帰ろう。今から帰れば美月が来るまでには帰りつけるはず。


・・・・とその時は思ってました。







やっぱりというか、帰りの中央自動車道路は事故渋滞が発生。

いらいらしても解決しないのだが・・・間に合うだろうか・・・



何とか、6時には渋滞を抜ける。

家には7時は着けるはず・・・急いでワインを家に入れれば、間に合う!・・・たぶん



----

駐車場について、トランクからワインを出す。

その最中。背後からいきなり声をかけられる。


「健司さん!こんばんわ。何を運んでるんですか?」





「あ」


間に合わなかった。


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