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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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サンサンワイナリー サンサン コンコード・ガーネット

「ふう、さすがに疲れた。」

「私も疲れました。」


今日は、瀬戸さんの家に交際の報告をしに訪問していた。

ご両親は了承していただいたようである。

それにしても、年齢のことを言ってなかったとは・・・

15歳の年齢差はショックであっただろう。


「でも、ご両親に受け入れられてよかったよ。」

「まぁ、お母さんはもともと健司さんのことを気に入っていたよので大丈夫ですよ。」


とりあえず、ソファに座る。

「それにしても、送っていくって言っていたけれど・・うちに来ていいの?」

「大丈夫ですよ、さっきメッセージで連絡しておきましたから。」

「それならいいけど・・何か飲みますか?コーヒーか紅茶とか」

すると、瀬戸さんはちょっと頬を膨らまし不満げに言った。

「もう・・敬語じゃなくていいですよ。あと、美月ってあまり言ってくれないじゃないですか。」

「あ、ごめん。癖でね」

”美月”か・・慣らさないとな。

「じゃあ、美月。なにを飲もうか」

「私、ちょと飲みたい気分なんです。」

「え?・・じゃあワインにしようか・・」

まだ、明るいうちから飲むのか・・

まぁ、日曜だから早く帰らないといけないしな。


ワインセラーから出したのは、長野県塩尻市のサンサンワイナリー サンサンコンコード・ガーネット。

ワイングラスに注ぐ。

「ずいぶん濃い色・・というか紫色?」

「このワインは・・他にはなかなかないワインだよ。」

思わず、にやにやしてしまう。


口に含む。すると、驚ろいた表情。

「なにこれ・・・すごいブドウ・・ぶどうジュースではないけど。

 すごいブドウの味と香り。」

「ね、おいしいでしょう?」


そう、このワインはまるでぶどうそのもののような味がする。

それでいてしっかりワインであるし、甘口だけどすっきりしていて嫌な甘さではない。

とても、飲みやすいワインだ。

なので、飲みすぎには注意しないと。


ちなみに、結構好きなので何本か常備してある。

「で・・飲みたい気分って。何か今日、美月の家での対応でダメなところあったかな?」

「だって・・健司さん・・」

何か問題あっただろうか?

2杯目のワインを飲みながら、美月は言った。

「お父さんとは車の話ばっかりで、お母さんとは料理の話で・・私は一緒に話せなったんですもん。」


ちょっと絶句したが、笑ってしまった。

そうか、自分のわからない話ばかりするので拗ねてたのか。

そんな、美月のことをかわいいと思った。


頭をなでながら・・言った。

「大丈夫。私が好きなのは美月だけだよ。」

「えへへ・・・」

と美月が肩にもたれてくる。




さて、今日は二人とも疲れているから酔いつぶれないように注意しないとな。

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