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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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リタファーム&ワイナリー 十六夜(いざよい)白 2019

交際をしていると行っても、平日はなかなか会えないもの。それは仕方がない。

早乙女は、ひとり自宅で夕ご飯の支度をしながら考える。

週末は何をしようか・・・どこかに行こうか・・・

予定を考えるのも楽しいものである。


夜ご飯は簡単なパスタとした。

きのこと生ハムのペペロンチーノ。

それに合わせるワインは・・

リタファーム&ワイナリー 十六夜 白 2019

旅路・自然発酵。

旅路という葡萄の品種の白ワインである。


口に含むと独特の酸味。

それに続く、独特の香り。味わいには白ワインにしてはコクがある。


”これなら和食にも合ったかもしれないなぁ”

と思った。今度試してみよう。


食事を終えたあと、洗濯をする。

休日に時間を作るためには、平日に家事をある程度済ませておかないといけない。

洗濯が終わるのを待ちながら、引き続きワインを飲みつつ考える。


週末の予定・・・

しかしながら、最近のデートスポットなんて、何も知らないことに気づく。

さて困ったね。

雑誌でも買ってリサーチするか。それとも、誰かに聞くか。

といっても、同年代の意見は参考にならないしなぁ・・

一人頭に浮かんだが、その案は即座に却下する。

ミキちゃんに相談したら、瀬戸さんに筒抜けになりそうな気がする。


そうだなぁ・・・手っ取り早いのは、本人と相談することかもな・・・

そう思っていると、ちょうど携帯に着信が入る。

瀬戸さんからの電話である。

「もしもし。こんばんは。今何してましたか?」

「こんばんわ、今はワインを飲みながら週末の予定を考えていたところですよ。

 ちょうどよかった、相談に乗ってください・・・」


電話で話していると、あっという間に時間が立ってしまう。


洗濯機のブザーの音によって、通話を終了しなくてはならなくなった。

「それでは、土曜日の朝10時に〇〇で待ち合わせしましょう。」

「はい、楽しみにしてます!」


電話を切ったあと、もう一口ワインを飲む。口の中に広がる香りを堪能する。


なかなか、いいもんだなぁ・・


そして、洗濯物を干す作業にとりかかった。

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