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日本ワインに酔いしれて  作者: 三枝 優
第1章 健司と美月
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シャトー・メルシャン 山梨甲州

その日、美月から報告があるということで、ミキと美月は”いい天気”にやってきた。

ミキはじゃばらソーダ。美月は白ワインを注文する。

シャトー・メルシャン、山梨甲州。

”まったく・・・ワインを飲むようになっちゃって”

以前の美月はほとんど酒を飲まなかったのだが、誰かさんの影響でワインを頼むようになってしまった。

つまみとして、カルパッチョとポテトも注文する。

「それで、報告なんですけど。」

「はいはい、どうしたのかな」

どうせ、早乙女さんのことだろう。

まさか結婚とかじゃないだろうけど。

「ついに告白されて、正式に付き合うことになりました!」

満面の笑顔。

だが、ミキは話が理解できなくて聞き返した。

「え・・?正式に交際?」

「はい!」

「・・・じゃあ、いままでは付き合ってなかったの?」

あんだけイチャイチャしてたのに!?

えへへと笑う美月にあきれてしまった。

それから何杯か飲んだあと、そろそろいいだろうと聞いてみた。

「で・・どこまでイッたのかな?関係は?」

酔って頬を赤く染めた美月は恥ずかしそうに小さな声で言った。

「え〜っと・・・はじめてキスをしたの・・」

ん?

「早乙女さんちに週末泊まったんだよね?これで2度目?」

「え・・もうちょっと・・・」

何度か泊まってんじゃん。

「初体験・・しちゃったんじゃないの?」

からかい半分で聞き出そうとしたのだが・・・

「え〜・・それはまだというか・・・

と恥ずかしそうに告白する美月。


彼氏の家に何度か泊まって・・初体験まだって・・・早乙女さん何やってんの?



ーーーー

数日後、ミキが一人で”いい天気”に行くと、カウンターの端の席で早乙女が一人飲んでいた。

やはり白ワインを飲んでカルパッチョを食べている。

この組み合わせは合うのだろうか?


ミキは迷いなく早乙女の隣の席に勝手に座る。

「こんばんわ早乙女さん。美月に聞いたわよ。」

「こんばんわ、高橋さん。何を?」

「だから呼び方!」

「え〜・・・で、何を聞いたんだい?」

「正式に付き合うことになったって・・・というかまだ付き合ってなかったんかい。」

「まぁ、付き合うことになったよ。」

すすっと・・ミキは早乙女に近寄って耳元で小さな声で言った。

「でも、美月を泊めておきながらまだヤッてないって?どういうこと?」

ニヤッと意地悪く言って見る。


早乙女は、思った。

”え〜、そんなことまで話してるの?今どきの若い娘は・・”

「まぁ、それはまだだね。」

「え〜なんでさ?」

「うーん、、、2つ理由があってね。」

ミキに顔を近づけて、周りに聞こえないように話す。

「あの娘って・・多分、初体験に憧れがあるんじゃないかな。だから最初は流れに任せて自分の家でじゃなくて、それなりのところがいいのかなって。」

「うわぁ、キザったらしい。」

「おいおい・・」

”美月愛されてんじゃん”

ミキはちょっと羨ましく思った。

「で・・もう一つの理由は?」

「え〜・・・」

言いにくそうにしながら・・・

「絶対、彼女には言うなよ。」

と釘を指してくる。

「言わない言わない。」

「ほんっと。頼むよ。」

真剣な顔で言う。

「人によって違うと思うけど。以前・・・そんな状況になった時、結構出血がひどくてね。次の日も痛いみたいで大変だった事があったので。

それで、次の日も含めて予定しとかないと心配でね。

だいたい、初体験って女性にとっては苦痛を伴うことだからね。」

「へえ・・」

さすが、経験豊富なだけある。とミキは感心した。

それにしても、美月のこと大事に思ってるんだな。

私の最初のときは、チャチャッと終わらされた記憶しかない。次の日は・・ちょっと違和感があったけど、それくらい。




ふと、ミキは気づいた。

人によって違う・・・?


初めての時、そんな状況になったのは、もしかして・・・


普通よりアレが大きいとかが原因の可能性もあるのでは?



ドキドキと早乙女の股間が気になりだしてしまった。

”か・・確認してたい・・”

でも、相手は親友の彼氏。そういうお誘いをするわけにもいかない。



ここ数ヶ月彼氏がいなくて、ご無沙汰しているミキにとって、むしろ刺激が強すぎる話題になってしまった。

つまりは墓穴をほってしまったのだ。

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