54)「冬の訪問者」「冬を待つ歌」
過去に何度かだけ、やったことがある、複数詩の同時投稿です。
べつに、ふたつの詩が相関関係にあぅて、ふたつ連ねることによって、より一層の奥行きを詩に与える、というわけではなく、おそらく、ただの200文字対策として、複数詩を同時投稿していたんだと思います。
ある時期以降、不足時の対策としてあとがきを入れるという方法に統一しているので、複数詩同時投稿は、姿を消しました。
ああ、たぶん、複数の詩集をひととき、これでもか、って投稿していた時期があって、詩集によって入れる詩を選別していた中で、複数詩同時投稿は、ちょっと違うと感じられたから、というのが、理由なのかな?
ま、それはそれとして、本文、どうぞごゆっくりお読みくださいませ。
でわ。
『冬の訪問者』
そいつは、あのとき突然やって来て、
私の
「好きッ」って感情を
のきなみ奪い去るように鷲掴みにし、
じぶんのものにしちゃったまま、
春にはいなく、なりやがったんだ、ぜ?
どう、思う?
『冬を待つ歌』
早まりそうで早まらない
秋の終わりに、
きいろのひと葉も
落ちずにしがみつく。
どこにも、歓びを待たないひとはなく、
その訪れまでをけんめいに忍耐する。
なにを待てばいいのか忘れてしまうほどに、
明るくなごやかな未来は待っているのだろうか。
もう見ることもなく、いなくなる予感が怖くて
秋の、終わらない虫の歌が耳に
聞こえている今は、まだ、大丈夫だと想おう。
お読みくださり、誠にありがとうこざいます。
また、お会いできる日を楽しみにしています。
でわ。




