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98)舞
月の輪が消えて
羽虫の音もしない
夜の帳に
描いた
くも
だれも知らない人ばかり
ぼくの
歩くスピードよりはやく
木の葉が舞う舗道
海の街の
ちいさな牧場から
ひつじが逃げたと
知っている
ふりをするのは
ぼくにはその義務があり
かつては
鯨もともだちだったって
言ったっていい
自由がある
だれか知りあいになってほしい
なんて街に舞う
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お読みくださり誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。
でわ。




