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41)雪の日《改》
その願い、
なんねんぶりかに
積もって雪は
街を無音の
影絵に変えた
その願い、
車は止まって
どこにも着かない
なにもできない
その願い、
朝から晩まで
追おうとしたけど
届かなかった
それもまたいい
それも運命
その願い、
街はただただきれいな死化粧
突き刺す気もなく
私を殺した
あいつに逢えれば
泣いてもいいから
ゴメンと謝るつもりだが
白く静かなこの街は
悲しみさえも降り積もらせてる
忘れない、
テールランプの灯りが滲んで
車が少し動きだす
その願い、
シャトルバスも着かないだろう
関西国際空港への道
忘れない、
なんねんぶりかの大雪で
ここ大阪は覆われて
その願い、
泣きそうな声で叫んでも
届かないから黙るしかない
忘れない。




