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85)風を握りしめる


風を握りながら、

あたしは、愛を捧げる未来を信じるぜ。



古城の影とおくに映り

黄砂だけが洗濯物をけがす白昼


もう、さみしさのハサミなど

切り捨ててしまえと

声は聴こえるのだ、

近松門左衛門の、

悲しみの嗄れた小声で、だ。

(カップ麺の、啜る音も響くこの部屋)


命だって、

ピストルだって、

平気で捨て去る勇気というより

諦念だけ、ゼッテー捨てずに、さ。



誰にすがればいいの?


どの手にすがれば、いいのか、

答えなんて、なんで見えない夜のマルキューに

笑える人生がまだあるんだって、

嘘、だって、

錯覚、だって。


まだあるんだって、

まだ紅い情熱みたいなもん、

足の指で握りしめて

あたた、足、つっちゃったよぉ、


だから、非常階段の冷たい鉄に腰掛け

貴女は女性なんだから、

腰を冷やしちゃダメだよ、って、

わかんねー優しい説教に

なんだか、泣きそうになっちゃって、


だれかあたしをたすけてよ、

なんて、

ゼッテー、だれにも、

祈ってねー。


神さまにだって、一度もね。


胃が痛む。


胃が、痛むから、

あたしは、


風を握りしめる。


風を握りしめながら、

あたしは死ねず、愛を捧げる未来を信じる、ぜ。






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