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99)冬の満月



今夜みた

満月が

おそらくいちばん冷たくて

世界のすべてよりも

美しい白だった。


かつてみた

大三角形に囚われた

真夏の満月。


よりも早く

よりも深く

心に刺さった

イデアの風、

だった。


目が、ね。


吸いつけられた

凍てつく夜空の

真円ましろな。


そして、ね。


そのままうしろに倒れ込み

虹をこえて深淵の谷底へ

堕ちてゆく

ずっと、今夜の満月を


睨みつけながら。


そして、ね。


星たちころがした

美しいが安っぽいビー玉のうえ

寝転がる

ピエロの影にかくれながら。


そして、ね。


歌うのは、

憧れのあなたのマネで、ね。

少しリズムはくずして、ね。


あなたに、会いたいから。


会ったとき

心が美しく保たれているなら、

それは、

あの、

満月の、

おかげ。


会えなくなっても、

あの世でも、

この世でも、

仲良くして欲しい


今夜みた

あなたが

おそらくいちばん冷たくて

世界のすべてよりも

美しい白い顔、

だった。










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